fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

経営

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心の弱さを感じる日、単純な自分。

昨日、実に3ヶ月半ぶりにブログを書いたところ、多くの方から激励のメッセージを頂きました。
本当にありがとうございます。

考えていたように仕事が上手くいかないと、一人でいるときは必要以上に考え込んだり、落ち込んだりすることもあり、我ながら「なんて心が弱いんだ!」と思ったりするわけですが、そういうときにこのようなメッセージを頂くと本当に励みになります。

感謝いたします。

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心の弱さに関していうと、以前よりもはるかに自分の心の弱さを感じることが多くなりました。
「起業したのにこういうことではダメだろう。」と思いつつ、 以前は気づかなかった相手の気持ちを理解できることが増えてきたようにも思います。

多くの人が、自分の弱い心と毎日闘いながら日々を生きているようにも思います。
人生が順調なときは人は誰でも強気になることができるし、人に優しくしたり、いい言葉をかけることもできる。

でも本当に大事なことは、人生があまり上手くいっていないときに、自分でそれを乗り越えることができるか、人に対して変わらず接することができるか、なのだろうと思います。

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経営という視点でいうと、どんな経営者も売上や手元にあるキャッシュと、自分の感情の関連を否定することはできないのではないかと思います。

会社の業績が落ち込んでくると、急に周囲にあたりはじめたり、取引先に無茶な要求をしたり、経営判断が極端に鈍る人がいます。人にあたることはしたくありませんが、経営判断が鈍るというのは自分でも感じる時があります。

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この気持は万国共通のものかもしれず、本日も海外の方と電話でやり取りをしていたときに、要領を得ない返答があったり、急に感情的な反応をされたり、ということがありました。そういえば、国内外限らず、2~3週間に一度ほどは、こういう感情的なやり取りが国内外、相手を問わず、発生しているような気がします。

やり取りの中で僕にも非がないとは言えず、やるべき仕事がいろいろある中、正味3時間ほど悩みました。
自分でも「この悩んでいる時間は無駄だ!」と思い、いったん忘れて目先の仕事をしようと取り組むのですが、なかなか仕事に本腰が入りません。

少し自分でも情けないな、とは思ったのですが海外の話なので、「師匠に相談してみよう!」と思いたち、師匠に相談の電話をしました。師匠のアドバイスは的確で、

「会って話が出来ているうちは大丈夫。問題ない。」
「すぐに会いに行って、目を見て話しなさい。」
「相手に都合の悪いことがあってもそれは協同でビジネスをやっている仲間なわけだから、都合の悪いところをシェアして、一緒にリスクを追いつつ、一緒に解決する姿勢を取りなさい。」

ということでした。

言われて見れば、本当に基本的なことばかりなんですが、ついつい(遠いので)電話なりメールなりで済まそうとしてしまっていた自分がいたように思います。

電話の後、自分でもびっくりするぐらい心が軽くなりました。我ながら単純です。
よく考えたら、たいした問題ではなく、関係を強化するチャンスだったわけです。

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最終的に、心の弱さは自分自身で乗り越えていかなければいけないわけですが、
周囲の人の励ましやアドバイスは、心の弱さを乗り越える強い力になります。

そういうことを最近は本当によく感じます。





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パン・ハム・レタス/デザインの価値

パンとハムとレタスは既にあった。
カードをしながら食事を摂りたいと考えたある紳士が、ハムとレタスをパンに挟んで食べることを思いついた。
こうして、サンドイッチが生まれた。

この短い伝説は「デザイン」が持つひとつの価値を端的にあらわしている。

既に保有しているモノの価値を掘り起こし、結びつけ、パッケージし直し、時代のニーズにあった新たなものにつくりかえる。そこに付加価値が生まれ、時に爆発的にヒットする。

もともとある価値を掘り起こすわけだから、投資に必要なコストは少なく、市場に投入するまでの時間が短時間で済む。

衰退市場で苦戦している企業が「事業ドメインの再定義」を行うことで、復活するケースもこの"デザイン"があたったケースと言える(メーカーからの脱皮を遂げたIBMなんかが良い例か)だろうし、任天堂が得意とする枯れた技術の水平思考も、価値を掘り起こし、パッケージし直し、時代のニーズにあったものにつくり変えている例と言えるだろう。

簡単か、と言われるとそうでもない。

しかし、資源に限りがある企業経営者や行政担当者にはこういった視点が必要だ。
強みは既にある。それをいかに結びつけ、パッケージし直し、世に送り出すか。

最近はそういった仕事にこの上ない魅力を感じている。
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崖っぷち企業の2代目社長の経営手腕 2/2 -試す価値のある5つの問い

さて、前回の続きを書こうと思う。

崖っぷち企業の跡を継いだ2代目は、持ち前の若さを武器に業績をトントンまで持ってくることはできるだろう。しかし、トントンに持ってくるだけでは先細りだ。時間の流れ、加齢とともに、働くことができる時間は年々短くなる。必要なことは知恵を使うことだ。

個人的な体験からくる意見で申し訳ないが、会社を立て直すだけでなく、もう一度成長軌道に載せることが出来た2代目社長の成功パターンを少し紹介したい。


1)事業ドメインを問い直す。

事業ドメインを問い直して成功した企業は数しれない。2代目社長は、業績を安定させるところまでは先代の遺産(人脈や設備など)を効果的に活用することができるが、更なる飛躍をしようと思ったときには、既存の事業に囚われていては限界がくる。新たな成長カーブを描くために、新たに事業ドメインを設定するというのは非常に効果的な方法のひとつだ。

たとえば、印刷会社がある。印刷会社というのは地域コミュニティで販売促進の中心になる傾向の強い業態だ。スーパーの折込チラシをつくる。名刺をつくる。販促用のノベルティをつくる‥。印刷会社はどこの会社にとっても営業促進のパートナーだ。

自社の事業ドメインを「印刷会社」から「企業の売上拡大のパートナー」に変えてみたらどうだろう。もしかしたら、単価を大幅に挙げることが可能になるかもしれない。「売上拡大」を実現するのであれば、印刷するだけでなく、自社でメディアを持つという発想に至るかもしれない。

いずれにせよ、要望を聞き、デザインをし、印刷する。という作業から一歩離れることで単価のアップ、新たな事業機会の獲得が出来るのではないだろうか。社員の発想も広がるし、他社との差別化もしやすくなるのではないだろうか。

自社の事業ドメインを問い直す。それは単純だが、効果のある「事業拡大の知恵」だ。
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崖っぷち企業の2代目社長の経営手腕 1/2

30代の半ばというのは、キャリアのバリエーションが本当に豊かになる時期だけれど、この時期急増するのが、親父の後を継いで2代目社長になりましたというタイプの人だ。

2代目社長、というと「何だ金持ちのボンボンかよ」みたいに感じるかもしれないが、実際には準備万端整った上で、経営を譲られる人なんてごく少数だ。大体は、業績は悪く、赤字体質で、それでも潰したくなくて、体力のあるうちに(あるいはもう限界だから)経営権を息子に譲るというケースが大半だ。

そんな崖っぷちの会社を跡を継いだ2代目社長は立てなおしていくわけだが、見ているとこれが結構立ち直る。現在、大学生で就職活動をしている人や、新卒採用をしているような企業に勤めている人にはあまり縁のない話かもしれないが、世の中の99%の会社はいつ、このような崖っぷちに陥るかわからない中小企業なわけなので、何故、崖っぷちになってしまうのか。2代目社長はそれをどのように建てなおすのか、ちょっと僕の視点で解説してみたい。

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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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