fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

新興国

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海外に進出・移住する日本人 ~いまとこれから~

Twitterで@asktakaさんから紹介頂いた、野村総合研究所の新興国市場の成長と日本企業の戦略を興味深く読んだ。新興国が成長しているということ、日本企業が新興市場への進出に関して後塵を拝していること、その原因がグローバルで活躍出来る人材の不足にあると述べられている。

また、グローバルで活躍出来る人材の育成のためにサムスン電子が取り組んでいる「地域専門家制度」を紹介している。これは、年間約200人の若手社員を各国に送り込み、地域に精通させることを目的としているそうだ。最初の1年間は仕事上の義務はなく、言語、文化、風習を学ばせることに集中させるという。これは新興国に精通したビジネスパースンをつくり、現地にコネクションを築くのに大変有用な制度だ。2004年までの11年間で3000人の地域専門家を生み出したという。

さて、国内経済の不況や新興国市場の成長を背景に、日本を脱出せよ、海外進出を活発化せよ。という話はさんざん色々なところで議論されている。ここでは、いくつか参考になりそうなデータを紹介しようと思う。

citizenships

資料:OECD.statsextractより作成


これは、市民権を持つ国民の人数に占める、海外移住者の比率を示したグラフだ。

中国と韓国のデータが欲しかったのだが、OECDのデータベース内に存在しなかったので、朝鮮民族と漢民族のデータを参考資料として載せている。(他の数値が参政権を持つ市民権ベースの数字になっているが、朝鮮民族と漢民族に関しては人口に対しての比率になっている。ただ、感覚をつかむ上では問題ないと判断し、掲載した。)

日本の在留邦人比率は1.1%で、データがある諸国の中央値より遥かに下に位置している。経済状況や言語、国の立地からくるものと思われるが、他国に比べて国民が国内に留まる傾向は強いようだ。


詳細なデータは次のようになる。

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ビジネス視点からBOP市場を語る -日本企業への提言

ビジネス視点からBOP市場を語る
 その1:BOP市場の特徴
 その2:ターゲット市場の特定
 その3:マーケティング・ミックス Product / Price / Place / Promotion
 その4:日本企業への提言
 その5:市場を開拓する人材要件

経済産業省主催でBOP政策フォーラムが開かれたり、BOPビジネスに関する認知も徐々に広がってきたような気がしますが、これまで見てきたBOPビジネスの成功要因を振り返りながら、今回は日本企業がBOP市場でビジネスを展開するにはどうしたら良いか、具体的な提言を行って見たいと思います。


■BOP市場への進出タイミング

BOPというコンセプトをわかりやすく言い換えると、これまで市場と考えてこられなかった、年間の世帯収入が3000ドル未満の貧困層を、ビジネスのターゲットして考えることにトライする。と いうことに尽きると思います。市場が小さいと頭から否定するのではなく、どうやったら市場として魅力あるものに出来るか考えてみる。というわけです。

ただし、実際のところ、全ての企業がBOPを商品を売り込むターゲットと考え、その戦略を練るのは非現実的です(無い袖はふれないのです)し、BOPを市場として 捉えるというコンセプトの表面的な理解に過ぎないのではないかと思います(だからこそ、ネクスト・マーケットでは最初にBOP市場の住人に様々な方法で購 買力をつける必要性を説いているのです。)。

必要なことは、BOP市場を持つ国と共に手を取り合い成長することだと思います。それには様々な産業を巻き込み、産業毎にタイミングを見計らってBOP市場を保有する国々に進出する必要があります。

大まかにいうと次のような流れで、日本とBOP市場を持つ発展途上国の付き合いが深まっていくのではないかと考えます。

  1. 政府を巻き込んだ大規模取引 -黎明期
  2. 生産拠点の移転 -初期発展段階
  3. 中・高所得者層へのマーケティング -発展段階
  4. BOP市場へのマーケティング -成長期
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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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