fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

地方

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大都市の苗床としての地方

今年の仕事の締めとして、3社合同の大納会に参加してきました。

本当は、来年のコラボ計画をびしっと作った上で飲み会に突入する予定だったのですが、皆かなりの酒豪ということもあって、17時ぐらいになるともう耐えられなくなり、「後は飲みながら‥」というホストの言葉が出たが最後、明け方3時まで続く大納会の始まりでした。

ホストのご自宅での宴会だったので、ご家族の皆様には大変迷惑をかけてしまったと反省しております。(結局、泊まってしまったし。)

しかし、その分収穫もありまして、本当にいろいろな話をしました。

皆、富山を本拠地として仕事をしているせいか、どうしても話は地域の今後が話題の中心になります。
なかでも印象的だったのが、ホストから教えてもらった大都市の苗床としての地方という考え方でした。

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地方の経済を考えるとき、どうしても避けて通れないのが大都市への人口流出の問題です。
親は莫大な投資をして子を育てます。

育てた子は、成長した後、本来はその投資された分を、自分を産み育ててくれた家族や共同体に還元する役を担うのですが、現代では多くの人が国内外の大都市に働きにでかけ、苗床としての「地方」に還元するという機能を持ちません。機能を持たないどころか、そういう考え、感覚を持たないのが現状です。

僕もまた、そういう考えや感覚を持たない大勢の若者の一人でした。

地方は地方交付税という財源を大都市から分け与えてもらうことが出来ているから、ぎりぎり生きながらえており、ある意味大都市に寄生する存在のように感じていました。

しかし、人的資本という面で見ると、逆に大都市が地方という苗床で育てられた人材をむさぼり食い、肥え太っているとも考えられるのです。

僕は、地方に与えてもらったものを還元するという感覚を持たないまま、この年まで生きてきました。
一方、地方で働く人の中には、国の予算に頼り切り、創意工夫をこらした仕事が出来ていない人や企業が存在することも確かだと思います。歪んだ寄生体質に染まってしまうと、逆に苗床としての機能も衰えてしまうと思います。

どういう形が望ましいのか、本来どうあるべきなのか、僕にはまだ明確な形はみえていませんが、自分が生まれ育った土地に対して何かを還元する。しなければならない理由がある。という気持ちは多くの地方出身者が持つべきではないかと思いました。
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三国志的人材流動論:その2

三国志三国時代の蜀という国は、初期段階こそ、関羽・張飛・趙雲・諸葛亮と人材が豊富だったけれど、建国を支えた人材が倒れていくに従って、慢性的な人材不足に陥るようになる。蜀の末期を支えた姜維や王平といった将軍たちはもともとは魏の将軍で、しかもさしたる地位を与えられていなかった。蜀で高い地位を与えられてはじめて輝くようになった人材だ。

建国初期の蜀を支えた人材は荊州という、当時の政治の中心地から南に下った地方で得られた。
ここには、多くの知識人が中央の戦乱から逃れてやってきていた。いわゆる清流派と言われる人材達だ。

中央で、曹操が「唯才」というスローガンを掲げて、能力のあるものを抜擢し、それまで大切にされてきた儒学というものを(相対的に)軽んじるようになったため、儒学の思想を大切にし、かつ能力のある人々は、中央を離れ、荊州に集ってきた。

いってみれば、曹操の思想に合わない中央の人が集う場所が荊州になっていたのだ。
劉備はこういった外部環境を利用し、漢朝復興というビジョンと天下三分の計という戦略を掲げ、人材を集め、中央から見れば未開の土地である蜀の地を落とし、建国する。

三国時代と言われるが、その実、呉と蜀を合わせた国力よりも、魏の国力は優っていたという。
広大な中国大陸ではあるが、その実、人が住み、経済を産み出すことが出来るエリアは限られている。
その大半を抑えていたのが魏だ。漢朝末期の人口記録からみれば、魏:呉:蜀の国力比は6:2:1といったところだ。魏から見れば、蜀の国力は時の王朝に背く、一反乱軍に過ぎないものだった。

魏は中央を抑え、能力主義の人材登用制度を整え、人材が集まる構造を創り上げた。
国力では圧倒的な差があったが、呉は揚子江(長江)、蜀は山々の天険に守られ、国力比以上によく国を守った。

しかし、蜀が掲げたビジョンは漢朝復興。漢朝の権威を重んじるものは、時代の流れとともに少なくなっていく。自然、「漢朝復興」の名のもとに集う人士も少なくなっていく。

本来、国力に劣る蜀に残された道は、蜀を建国した勢いを持っての電撃的な進軍だったろう。
漢中を落とし、荊州に残る関羽とともに乾坤一擲、魏を撃つ。その千載一遇のチャンスに劉備(そして、諸葛亮・法正以下幕僚達)は賭けたわけだが、呉の計略により、関羽が拠る荊州は奪われてしまう。義兄弟を殺された怒りに任せ、劉備は戦の矛先を呉に向けるわけだが、、、。続きを読む »
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地方での起業がアツい!時代がやってきた

本日は、富山の若きアントレプレナー、@learnput氏と@nozuem氏と打ち合わせをして参りました。続けざまに2本のmtgするのって、久しぶりかもしれません。

BOPに関するレポートとか、1円起業の話とか、ミクロ経済学に関してのレポートとか、いろいろ書かなければいけないエントリが貯まっているのですが、明日以降に頑張ってアップしようと思います。

それにしても、本日のmtgでは地方での起業に関して、多くの気付きを得られました。
現在のような経済環境下では、地方での起業にはかなりメリットがありそうです。
@learnput氏も@nozuem氏も(そしてもっというと、僕もなのですが)地方で起業した人は、地方ならではのメリットを存分に享受しているようです。その主たるメリットとは下記3点です。

  1. 低コストでの起業
  2. 狭いネットワーク
  3. 競合が存在しない

1.低コストでの起業

実家があるが故の、生活コストの安さ。失敗したときのセーフティネット。地代・人件費の安さ。などが、地方での起業をかなり有利なものにしています。特に不況期の起業の際には、コストをどれだけ抑え、長くしぶとく勝負できるかが、ひとつの成功要因。これが、都市での起業だと、競合が参入する前に一気に市場を抑える必要が出てきます。


2.狭いネットワーク

限られた人脈。限られた商圏。これらは通常デメリットなのですが、逆に限定されているが故に、起業した。新しいサービスを開発した。新しい挑戦をしている。という噂は一気に広まります。次に述べる競合が存在しない。というメリットと合わせて考えると、狭いながらも一気にシェアを獲得出来る可能性もあります。また、6degreeではなく、3degreeぐらいで、県内のあらゆる人と繋がることができるのも強み。県庁のおえらさんだろうと、地方の名士だろうと、やる気のある若者であれば、出会えてしまうのが、地方起業の強みです。


3.競合が存在しない

都市は需要が大きいですが、その分同様のサービスを提供している会社が複数います。先行者メリットを既に享受している起業も存在することでしょう。しかし、地方起業であれば、競合が存在しない可能性もおおいにあります。ある意味、起業してさえしまえば、その分野はブルーオーシャンである可能性が高いのです。これも地方起業のメリットのひとつでしょう。


さて、このようにメリットの多い地方起業ですが、もちろんデメリットもあります。

続きを読む »
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都市を離れ、地方で働くことのメリット


アゴラ : 人口の都市集中が必要だ - 池田信夫

人口の都市集中が必要だ という意見がある。
地方にはロクな仕事がなく、バラマキをしても生産性が低いので、余計な補助金を減らして、生産性の高い都市へ労働供給せよ。という意見だ。
これはもっともな意見だが、僕自身はこれらの意見とは逆行して、1年半以上前から実家のある富山に帰ってきて仕事をしている。生まれ育った土地を愛する気持ちももちろんあるけれど、富山で生活することに十分なメリットを感じたからだ。人によっては、都会を離れ地方で暮らしたほうが居心地よく生活出来る人も多いのではないかと思う。その点に関して少し僕の見解を述べたい。

地方での生活を困難にしている要因は主に次の4点と考えられる。
  1. 仕事の問題
  2. 友人の問題
  3. 娯楽の問題
  4. 教育の問題
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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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