プロモーションについてブログを書こうと思っているけれど、なかなか考えがまとまらない。
これまで様々な企業のプロモーションに携わってきて、経験的に言えることは、元祖「ゲリラマーケティング」のJ.K.レビンソンのいうように、1発のメールや1回の広告で効果が出ることは少なく、継続して広告していく中で、どこかで急にブレイクするタイミングがあることだ。
もちろん、ブレイクするまでの辛い期間にあきらめずに継続することと、ゆっくりとでもいいので継続的に改善を続けていくことが大切だ。これを続けるのはとてもむずかしく、苦行のように感じられることも少なくない。
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昔聞いた話でとても参考になったのが、「氷見の寒ブリはなぜ有名になったのか?」という話だ。
不漁の時期にはキロ1万円。一本10キロとして、10万円の値をつけることもある氷見の寒ブリは、今や完全にブランド食材になったけれど、寒ブリがブランドになるまでには様々な工夫があったという。
その工夫で一番印象に残っているのは、有名になるまで一定の量を流通させる。というものだ。
漁協や市、そしてもちろん市民が中心となって、周辺に「氷見の寒ブリ」という非常に貴重で美味いものを贈り物で配りまくる。
食べてみるとやっぱり美味い。今度は自分で買おうと思う。贈り物に使おうと思う。
そんなことが繰り返されて、ブランド化が進んでいったという。
話題作りがうまいところは、この一定の量を流通させる。という作戦をうまく使う。
著名人や発信力のある人に、無料で、あるいは、安い価格で体験してもらい、体験談を宣伝として使う。
もちろん、本当にモノが良くなければ口コミでは伝わらない。
モノに自信があり、その体験を積極的に他に広めたい。という人が増えてはじめてクチコミがおこる。
こう考えていくと、プロモーションで大切なことは、序盤ブレイクする時までいかに粘るか。
ということに尽きるような気がしてくる。
(図で示したプロモーションの成功パターンは、広告代理店の方や、人気ブログを運営している方などは、アクセス数や問い合わせ数が綺麗にこのグラフのようになるのでご理解頂けると思う。)
ハイパワー・マーケティングを訳した、金森氏なんかは、「プロモーションを考えるときは札束に火をつけて燃やす覚悟が必要だ。」と述べる。極端な話かもしれないけれど、一理ある。
プロモーションに資金をかけることが出来れば一番いいけれど、資金をかけれないことだってある。
実は、そんな会社が大半だし、そういう会社はちょっと頑張って広告を出して、その効果の少なさに愕然として、二度と広告にお金を使わなかったりする。慣れていないと、覚悟が決まらないと、なかなか広告にお金を使えない。お金をドブに捨てているかのように感じてしまう。
その上、会社の状況や商品、手持の資金量によって最適なプロモーション方法は異なってくる。広告代理店やネットマーケティング会社に勤めていたプロを雇っても、必ずしもその会社に適切なプロモーションプランを立案できるとは限らない。
分野を絞れば成功者はいるし、プロモーションやマーケティングのプロという人はいるが、
そういう人はすぐに売れっ子になり、これまた高いコストがかかるようになる。
以前、私が勤めたことのある関連会社が、社運をかけて5億の広告を某大手広告代理店に発注した。売り出し中の有名女優を使い、大都市をジャックするかのような広告をうった。考えていたような成果はまるで出ず、会社の経営が大きく傾いた。広告やプロモーションに慣れていない企業が突然社運を賭けてこのような広告を打つと、往々にして悪い結果になりがちだ。
広告に慣れていない。
広告代理店の営業担当を見極める力がない。
商品そのものが練り上げられていない。
おそらくもっと他の広告のやり方があったのだろう。
もう少しリスクを抑えつつ、広告に対しての知識・経験を積んでいく必要があったのだろう。
ブレイク出来ないままに、資金が尽きることは多い。
引き際が肝心だが、粘り強さも大切だ。明日ブレイクがくるかもしれない。
どう続けるか。
これほどまでに、プロモーションは難しく、救いがない。
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いま、僕が住む富山の八尾では、おわら風の盆という祭りを行なっている。
人口2万人強の町に、3日間で25万人を超える観光客が訪れる。
おわらが有名になったのは、風の盆恋歌の影響だと思うけれど、それはブレイクのきっかけに過ぎず、それ以前も、それ以後も、おわらはおわらとして、泰然として町にあった。言ってみればそれは、八尾の町が時間をかけ継続して育ててきた町の宝だ。
究極的に言うと、一気に広めようとせず、氷見の寒ブリや八尾のおわらのように、ブレイクするまで続けることが出来るだけの構造をつくってしまうことが必要なのかもしれない。そうすれば時間を味方につけることができる。他にないユニークなプロダクトを扱っているならば、それが唯一無二の方策かもしれない。
実践的ゲリラマーケティング―小企業のための成功する広告戦術
ハイパワー・マーケティング
不漁の時期にはキロ1万円。一本10キロとして、10万円の値をつけることもある氷見の寒ブリは、今や完全にブランド食材になったけれど、寒ブリがブランドになるまでには様々な工夫があったという。
その工夫で一番印象に残っているのは、有名になるまで一定の量を流通させる。というものだ。
漁協や市、そしてもちろん市民が中心となって、周辺に「氷見の寒ブリ」という非常に貴重で美味いものを贈り物で配りまくる。
食べてみるとやっぱり美味い。今度は自分で買おうと思う。贈り物に使おうと思う。
そんなことが繰り返されて、ブランド化が進んでいったという。
話題作りがうまいところは、この一定の量を流通させる。という作戦をうまく使う。
著名人や発信力のある人に、無料で、あるいは、安い価格で体験してもらい、体験談を宣伝として使う。
もちろん、本当にモノが良くなければ口コミでは伝わらない。
モノに自信があり、その体験を積極的に他に広めたい。という人が増えてはじめてクチコミがおこる。
こう考えていくと、プロモーションで大切なことは、序盤ブレイクする時までいかに粘るか。
ということに尽きるような気がしてくる。
(図で示したプロモーションの成功パターンは、広告代理店の方や、人気ブログを運営している方などは、アクセス数や問い合わせ数が綺麗にこのグラフのようになるのでご理解頂けると思う。)
ハイパワー・マーケティングを訳した、金森氏なんかは、「プロモーションを考えるときは札束に火をつけて燃やす覚悟が必要だ。」と述べる。極端な話かもしれないけれど、一理ある。
プロモーションに資金をかけることが出来れば一番いいけれど、資金をかけれないことだってある。
実は、そんな会社が大半だし、そういう会社はちょっと頑張って広告を出して、その効果の少なさに愕然として、二度と広告にお金を使わなかったりする。慣れていないと、覚悟が決まらないと、なかなか広告にお金を使えない。お金をドブに捨てているかのように感じてしまう。
その上、会社の状況や商品、手持の資金量によって最適なプロモーション方法は異なってくる。広告代理店やネットマーケティング会社に勤めていたプロを雇っても、必ずしもその会社に適切なプロモーションプランを立案できるとは限らない。
分野を絞れば成功者はいるし、プロモーションやマーケティングのプロという人はいるが、
そういう人はすぐに売れっ子になり、これまた高いコストがかかるようになる。
以前、私が勤めたことのある関連会社が、社運をかけて5億の広告を某大手広告代理店に発注した。売り出し中の有名女優を使い、大都市をジャックするかのような広告をうった。考えていたような成果はまるで出ず、会社の経営が大きく傾いた。広告やプロモーションに慣れていない企業が突然社運を賭けてこのような広告を打つと、往々にして悪い結果になりがちだ。
広告に慣れていない。
広告代理店の営業担当を見極める力がない。
商品そのものが練り上げられていない。
おそらくもっと他の広告のやり方があったのだろう。
もう少しリスクを抑えつつ、広告に対しての知識・経験を積んでいく必要があったのだろう。
ブレイク出来ないままに、資金が尽きることは多い。
引き際が肝心だが、粘り強さも大切だ。明日ブレイクがくるかもしれない。
どう続けるか。
これほどまでに、プロモーションは難しく、救いがない。
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いま、僕が住む富山の八尾では、おわら風の盆という祭りを行なっている。
人口2万人強の町に、3日間で25万人を超える観光客が訪れる。
おわらが有名になったのは、風の盆恋歌の影響だと思うけれど、それはブレイクのきっかけに過ぎず、それ以前も、それ以後も、おわらはおわらとして、泰然として町にあった。言ってみればそれは、八尾の町が時間をかけ継続して育ててきた町の宝だ。
究極的に言うと、一気に広めようとせず、氷見の寒ブリや八尾のおわらのように、ブレイクするまで続けることが出来るだけの構造をつくってしまうことが必要なのかもしれない。そうすれば時間を味方につけることができる。他にないユニークなプロダクトを扱っているならば、それが唯一無二の方策かもしれない。
実践的ゲリラマーケティング―小企業のための成功する広告戦術
ハイパワー・マーケティング