fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

雑文

5

心の弱さを感じる日、単純な自分。

昨日、実に3ヶ月半ぶりにブログを書いたところ、多くの方から激励のメッセージを頂きました。
本当にありがとうございます。

考えていたように仕事が上手くいかないと、一人でいるときは必要以上に考え込んだり、落ち込んだりすることもあり、我ながら「なんて心が弱いんだ!」と思ったりするわけですが、そういうときにこのようなメッセージを頂くと本当に励みになります。

感謝いたします。

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心の弱さに関していうと、以前よりもはるかに自分の心の弱さを感じることが多くなりました。
「起業したのにこういうことではダメだろう。」と思いつつ、 以前は気づかなかった相手の気持ちを理解できることが増えてきたようにも思います。

多くの人が、自分の弱い心と毎日闘いながら日々を生きているようにも思います。
人生が順調なときは人は誰でも強気になることができるし、人に優しくしたり、いい言葉をかけることもできる。

でも本当に大事なことは、人生があまり上手くいっていないときに、自分でそれを乗り越えることができるか、人に対して変わらず接することができるか、なのだろうと思います。

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経営という視点でいうと、どんな経営者も売上や手元にあるキャッシュと、自分の感情の関連を否定することはできないのではないかと思います。

会社の業績が落ち込んでくると、急に周囲にあたりはじめたり、取引先に無茶な要求をしたり、経営判断が極端に鈍る人がいます。人にあたることはしたくありませんが、経営判断が鈍るというのは自分でも感じる時があります。

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この気持は万国共通のものかもしれず、本日も海外の方と電話でやり取りをしていたときに、要領を得ない返答があったり、急に感情的な反応をされたり、ということがありました。そういえば、国内外限らず、2~3週間に一度ほどは、こういう感情的なやり取りが国内外、相手を問わず、発生しているような気がします。

やり取りの中で僕にも非がないとは言えず、やるべき仕事がいろいろある中、正味3時間ほど悩みました。
自分でも「この悩んでいる時間は無駄だ!」と思い、いったん忘れて目先の仕事をしようと取り組むのですが、なかなか仕事に本腰が入りません。

少し自分でも情けないな、とは思ったのですが海外の話なので、「師匠に相談してみよう!」と思いたち、師匠に相談の電話をしました。師匠のアドバイスは的確で、

「会って話が出来ているうちは大丈夫。問題ない。」
「すぐに会いに行って、目を見て話しなさい。」
「相手に都合の悪いことがあってもそれは協同でビジネスをやっている仲間なわけだから、都合の悪いところをシェアして、一緒にリスクを追いつつ、一緒に解決する姿勢を取りなさい。」

ということでした。

言われて見れば、本当に基本的なことばかりなんですが、ついつい(遠いので)電話なりメールなりで済まそうとしてしまっていた自分がいたように思います。

電話の後、自分でもびっくりするぐらい心が軽くなりました。我ながら単純です。
よく考えたら、たいした問題ではなく、関係を強化するチャンスだったわけです。

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最終的に、心の弱さは自分自身で乗り越えていかなければいけないわけですが、
周囲の人の励ましやアドバイスは、心の弱さを乗り越える強い力になります。

そういうことを最近は本当によく感じます。





17

近況報告

何から書けば良いか迷うのだけれど、2月に上海に旅立ってから、僕の周囲の環境は激変したように思います。前から取り組みたいと思っていた貿易に関する事業を本格稼働させることにしたのです。

2月に上海に行き、その2週間後に、オーストラリアを経てバヌアツへ。
残念ながらサイクロンの影響でバヌアツにはいけなかったけれど、オーストラリアでは素敵な出会いがいくつかあった。

日本に戻ってきて、いくつか取引をまとめたと思ったら、あの震災が起きてしまい、いろいろなことをリセット。いまようやく落ち着いてきて、6月にはパキスタン、7月にはパプアニューギニアに飛ぶ予定。

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なんていうのかな、こんな時期だからこそ、日本の商品を世界に販売していかなきゃいけないような気がしています。同時に、貿易や海外での事業について教えてくれる地元の先輩や仲間たちに出会うことが出来て本当に感謝。

いつかまたお世話になっている師匠や先輩について書きたいと思うけれど、それはまた次の機会にでも。

3

今まで生きてきた中で一番嬉しかった思い出

誰にでも忘れられない思い出はある。
ましてや、それが高校時代のスポーツの思い出であればなおさらだ。
僕の場合、人生に一番の影響を与えたのは、あの夏のインターハイ予選だった。


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つい先日、富山青年会議所(富山JC)の合宿に参加するハメになった。
合宿の中心は、「プレゼンテーションスキルの磨き方」で、これは思った以上に良い内容だったのだけれど、その研修の中の小さな模擬演習に、

「自分が今まで生きてきた中で一番嬉しかった思い出を1分で話しなさい。」

というものがあった。
マインドマップを活用したりして、うまく1分で話がまとまるように内容をまとめるのだけど、
僕は何を勘違いしたか、「初めてのエッチ」というタイトルでマインドマップ、及びプレゼン内容をまとめてしまった。

すっかり話す気まんまんで準備をしていたのだけれど、
最初にプレゼンターとなった方が話されたのが、

高校時代の陸上部で参加した駅伝の大会で、
(自分は怪我で参加出来なかったけれど)後輩が頑張ってくれて優勝した。

という話だった。

これがまた、非常に良い話で、僕も思わずもらい泣きした。
そして同時に、僕の中に自分の人生を変えたといってもいい、あの夏の出来事が
急に鮮やかに思い出されたのだ。


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僕は体も細いし、そんなに運動神経も良くないのだけれど、
祖父が偉大な柔道選手だったこともあって、祖父ちゃん子だった僕は小学校1年から柔道をしていた。
最終的には大学3年まで続けたので、15年間は柔道に取り組んだことになる。

高校でももちろん柔道部に入った。
高校はいわゆる県内有数の進学校で、一部のスポーツは非常に強いけれども、
柔道はなんというか、もう練習もそんなに真面目にしないし、ある意味廃部寸前の状態だった。

進学校の柔道部で、しかもそんなに強くないとこれはこれでみじめなのもので、
まぁなんというか、強豪校からはゴミのような目で見られたりする。

僕と同時期に柔道部に入ったのは何人かいたけれど、僕ともう一人、後に主将になるMという男が
中学での実績もあり、1年次からレギュラーだった。

例え弱小校でも中学での実績があり、真面目に練習を続ければ
(僕たちは3~4人、いつも同じ顔ぶれで練習をしていた。)
それなりに、勝てたりもするもので、団体戦ではいつもベスト16には残る強さ。

本当はベスト16から上にもいけたのだろうけれど、
ベスト16の段階で、いつも3-2で負ける。ポイントをとるのは僕ともう一人、未来の主将のMだ。

これは1年の時からそうで、かつては実績もあった先輩たちが、練習もそんなにしないようになり、
早々に負けて帰り、あと一歩のところでベスト8に進めないのを非常に悔しく思っていた。

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しかし習慣というものは怖いもので、
いつしかそのような状況にも慣れ、3年になり、僕は副主将、Mは主将になった。
ベスト16どまり。スコアは3-2。

どちらかというと、僕はお調子者で盛り上げ役。
「いつもと違った形で練習しようぜ~」といっては、面白い遊びを考えつくタイプだった。

Mはまぁそんな僕に合わせてくれていたけれど、
最後には黙って自分の責任を果たす男で、練習もきちんとやって帰る男だった。

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それなりに充実した柔道人生をあゆみ、最後の大会になる。
ベスト16の時にあたったのは、昨年インターハイに出場している強豪校だ。

まぁ、正直僕は負けたと思った。
僕の相手は、僕の2倍以上体重があり、130kg越えの巨漢だった。
知らぬ間に、自分のゴールを、「いい戦いをする。」に変えた。

先鋒で出た1年生は早々に負け、次鋒の僕が出る。
いい戦いをしたいところだったが、開始57秒。あっさりと潰され負ける。
不思議と悔しさはなかった。

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中堅も負け、副将戦になる。副将として出るのは、主将のMだ。
(今日は5-0で負けるな。まぁ、それもしょうがない。)
本当にそう思った。

Mも70kg程度で、体格は僕とそんなに変わらない。
相手は110kgあり、動きも俊敏な県の指定強化選手。


勝ち目はない。
あとはどれだけ、いい勝負をしてくれるか。
それだけ。

試合がはじまる。

1分‥1分30秒。
いつ投げられてもおかしくない、強烈な技を、Mは何故か耐える。受け流す。
相手のチームから、ヤジが飛ぶ。
「そんなやつ1分以内に片付けろ。」と。
当然の意見だ。

何故か、相手の攻めが単調になり、焦りから技が大振りになりはじめる。
2分過ぎる。

相手が内股をかけたところ、Mは巧みにそれを返し、逆に投げる。
きれいな1本だ。

誰が見ても、その瞬間に勝負が終わったことがわかる、それほどの技をMはかけた。
僕は自然と涙が出た。

その後、試合は4-1で負けた。

しかし、僕は誇らしかった。
同時に、自分が恥ずかしかった。

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僕と彼との間にあった違いは何なのだろう。
困難な状況に直面したときに、いつもあの試合のことを思い出す。

諦めない気持ち‥。それは大事かもしれない。
でも本当に大切なのはそれではない。

僕が、少し気を抜くときに、彼はいつもの自分のやるべき仕事をやっていたのではないだろうか。
見えないところで、黙々と努力していたのは彼ではなかったか。


努力したからといって奇跡がおこるとは限らない。
しかし、ごくまれに、努力した人にだけ奇跡がおこることがある。


あの夏の日、確かに僕の中で何かが変わった。




31

ソーシャルアパートメント菊名へのお引越&内覧会

梅木くんに誘われて、今まで豊洲に構えていた東京のオフィスを引き払い、新しく出来るソーシャルアパートメント菊名に引っ越すことにした。

理由を問われると少し言葉に詰まるのだけれど、一言でいうと、新しいことにチャレンジしたいから。となる。もともと、場所に縛られずに働く生き方を模索し、生活のスタイルや利用するツールもそれに合わせて変化させていたので、引越しの手続きは簡単に済んだ。

大型ディスプレイ二つを専用の段ボールに詰め、着替えや身の回りのものをもうひとつの段ボールに詰め、宅配便で送れば引越しは完了だ。引越し費用、4,000円也。

・家具や食器、身の回りのものは備え付けだし、
・無線LAN環境も整っている。
・敷金、礼金なんて面倒なものは極力安く。
使った分だけ払いたい。

僕は仮の住まい(兼オフィス)を選ぶときには最低限これぐらいの条件が整った物件を選ぶのだけど、ソーシャル・アパートメントはその条件にぴったり当てはまる。

いつ出張や転勤が起こるかわからないコンサルティング会社、外資金融、商社などに勤める若手のビジネスパーソンにとってはいい住まいになるんじゃないだろうか。若手の頃は帰りも遅くなりがちだし、ついつい社外の人との付き合いが少なくなりがちだけど、ソーシャル・アパートメントであれば、同じ住居に住む定期的なイベントに参加するだけでも楽しめそうだ。

イベント

ソーシャル・アパートメント恵比寿のイベント情報。バーベキューなど定期的にイベントが開かれるらしい。



部屋は個室なのでプライベートは守られるけど、定期的に開かれるパーティのときは、出身も仕事も性別もばらばらな50人ぐらいが一同に集まることもあるらしい。住まいの形態上、年代だけは20代から30代前半が中心らしいけど。

残念ながら、僕は内覧会の日程(2月12日、13日)に参加出来ないので、個別に頼み込んで恵比寿のオフィスを見せてもらった。

キッチン

※共有のキッチン。広くて使いやすそうです。


僕が2月19日のオープン日から入居するから言うわけではないけれど、どうせいつか入居するんだったら、オープン日あるいはオープンから間もない頃から入るのが一番楽しいと思う。皆、顔を合わせるのがはじめてだし、バイトでも入社する会社でも、オープニングスタッフ(あるいは新卒一期生)というのが一番おもしろいものだから。

もし、ソーシャル・アパートメント菊名へ引越される方がいらっしゃれば、19日のパーティでお会いしましょう。

※ちなみに、このソーシャルアパートメント、3月には京都にもオープンするらしい。ただ住むだけじゃなくて+αの刺激を得たいってニーズは増えてきてるんだろうね。

※ソーシャル・アパートメント菊名の内覧会は2月12日、13日とのこと。興味のある人は是非。
http://www.social-apartment.com/builds/view/75


共有スペース


※共有スペースは思ったよりも広かったです。(写真は恵比寿)

5

ちっぽけなプライドを愛す。

随分前の話になるんだけど、若手経営者として(一部の界隈では)有名な人と飲む機会があった。

で、フツーに飲みはじめたんだけど、何故だか急に僕の事業に関してアドバイスしはじめたわけ。
アドバイスだったらいいんだけど、イメージとしては「ダメ出し」というかなんというか。

僕も人間が出来ていたら、「なるほどなるほど勉強になります。」とか言えるんだろうけど、素直にそう言えるほど大人ではなくて、もっというとつまらないプライドみたいなものがあって、「いや、別に頼んでないんですけど。」的なことを言ってしまった。

その後は相互に大人な自分を取り戻し、(形式上)和気あいあいと飲んだのだけれど、僕がくだらない一言を言ってしまったが故に、僕と彼の人生がクロスすることは多分随分先まで無いんだろうな、と思う。

これは直感でしかないんだけど、僕がなんか凄くお金を持ってそうな雰囲気を醸し出していたり、それなりに利用できそうな人間だったとしたら、また彼の態度も違っていたんだろう、と思う。

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さて、以上のような負の感情は、まったくもってつまらない自意識過剰の人間が陥る罠ではあるんですが、多くの人は似たような気持ちをたまに持つことがあるのではないかと思います。(今回のケースで言えば、実際のところ、心の底からの親切心から、僕の事業にアドバイスをくれた可能性もあるし、もっというと僕にハッパをかけるつもりだったのかもしれない。)

でも人は感情の生き物である以上、ちっぽけなプライドは誰しもが持っているわけでして。
まぁ、そういった壁を乗り越えることが成長なんだよ。と言われればそれまでですが、出来ればこの悔しさを自分の成長に活かしたい派でいるわけで。

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既に有名になっている人と話すのは勉強にはなるけれど、自分も人である以上、自分の生き方にダメ出しされるのは結構ムカつく。

「○○と知り合い」と誇らしげに言う人にはたくさんお目にかかるが、やり過ぎてる人を見ると痛々しい。

夢は語るがその実現に向けて何の努力もしていない人を見ると、「それは人に語るための夢なのかな。」と下衆な勘ぐりをしてしまう。

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まぁ、僕より遥かに人間が出来ている、家庭の母とか妻とか、飲み屋のおねーさんとか出来る後輩とかは、「そうですね。○○さんってスゴイですね。」と言いながら話を聞いてくれるわけではあるんですが、でもそれって相手の人間性に甘えているに過ぎないわけですよね。

能力的には非常に高い人がたまに随分幼く感じてしまうのはこういう部分があるからなわけでして。

役割分担と言えばそれまでなんでしょうけど、
心のそこから相手を理解し、尊重するコミュニケーションを心がけたいものだと思います。

それが出来るかどうかはともかくとして。
29

書評:暗号解読

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)今さらではありますが、サイモン・シンの暗号解読を読みました。
フェルマーの最終定理の後に書かれた作品で、宇宙創成よりは前の作品です。

これで一応、文庫化されているサイモン・シンの作品は全て読破したことになります。
この作品もサイモン・シンの他の作品同様、非常に優れた作品です。

暗号の構造を素人にも理解できるようにわかりやすく解説しながら、暗号にまつわる様々な歴史の悲喜劇を紹介しています。

個人的に印象的なエピソードは、第二次世界大戦中にドイツ軍が採用した、世界最高の暗号機エニグマにまつわるエピソードです。

エニグマの暗号を破るきっかけとなった人物は3人います。

一人目がドイツに恨みを持つドイツ人、ハンス=ティロ・シュミット。
二人目がポーランドの数学者、マリアン・レイェフスキ
三人目が現代計算機科学の父と言われるイギリス人、アラン・チューリング

圧倒的な暗号性能によって解読不可能と言われたエニグマ。
例え暗号作成・解読機であるエニグマ本体が敵(連合国側)の手にわたっても暗号の解読は不可能と言われていました。

ハンス=ティロ・シュミットはそのエニグマの構造に関する情報をフランスに売り渡した男です。

フランスの諜報部はそれでもなお、エニグマに関してはお手上げで、ハンスの情報を同盟国であるポーランドに譲ります。ポーランドは戦争の危険をもっとも感じていた国であり、当時世界最高の暗号解読班を持っていたフランス・イギリスでさえ手を挙げたエニグマの暗号に粘り強く取り組み、ついにレイェフスキはエニグマの暗号解読の糸口を見つけます。

ポーランドは陥落寸前に、それまでにレイェフスキが発見してきた研究成果をイギリスとフランスに譲り渡します。

そして、レイェフスキの仕事を引き継ぎ、発展させ、ついに暗号を破るのがイギリスの暗号解読班であり、その中心となったのがアラン=チューリングです。

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エニグマの暗号を解読できなければ、第二次世界大戦の結果は今と異なったものになったかもしれません。

当時のイギリスはドイツの潜水艦であるUボートに対抗するすべを持たず、イギリス本国への物資輸送がままならない状態でした。長期間にわたり海上封鎖が続けられた場合、イギリスはドイツと講話するしかなかったかもしれません。

暗号の解読が可能になったために、連合国側はUボートの位置を知ることができるようになり、またドイツ陸軍の集結地点を把握することができるようになりました。

敵の作戦が把握できていれば、対抗するための準備をすることは容易くなります。
空で陸で、海で、イギリス軍は手痛い打撃をドイツに与え、戦局を覆します。

暗号の解読が歴史を変えた代表的な例といっていいかもしれません。

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歴史の背後にある、壮大な頭脳の勝負。
かすかな手がかりから暗号を解読する天才たちの偉業がわかりやすくまとめられた素晴らしい一冊だと思います。



26

近況報告

随分ブログをサボってしまったのだけれど、最近落ち着いてきたので、気を取りなおしてまた書き始めようと思う。

随分更新していないにも関わらず、今も日に1,000人近くの方が訪れてくださるのは嬉しいやら、申し訳ないやら。人から「ブログ楽しみにしています。」と言われる度に若干ココロを痛めています。

ブログを書けなくなったのは、仕事が忙しいから。というよりも、自分がこれまでインプットしてきた知識や書きたいと思っていたことを半年間であらかた書き尽くしてしまったからだろう。

ブログを書き続けるなかで、どこかしら地に足が付いていない感覚がしてきたのも確かだ。これは、本来書き手以上に読み手が感じることだと思う。

なんというか、急にブレイクした作家や芸能人が自分の本来のポジションやスタンスを見失い、売り出すこと人気とり、テレビ受けを優先して、なんかちょっと違うよね。とファンに言われるような感じだろうか。 ブレイクした作家と比べること自体がおこがましいことだけれども、誰もが程度の差こそあれ、周囲の視線を気にして自分を見失いそうになるってことはあるんじゃないだろうか。

 僕の場合は、問題を挙げ連ねるだけではなくて、自分でも問題解決に取り組んでみろよ。という思いがここ数ヶ月、日増しに強くなっていったわけです。もちろん、書く・情報発信するという行為は間接的には問題解決に寄与しているわけだけれど、もともと僕は、自分でやってみて判断する行動の人。という傾向が強いので、自らが動く時間をより多く取りたいと感じるようになったということだろう。

そういうわけで、ブログの執筆が滞るようになってから、自分は何やってたんだろうと思い出すわけですが、やっぱり自分の強みは「企業向けの研修コンテンツの開発」にあり、自分のやりたいコトは「地元の技術を海外に販売していく」ことにあるわけで、これらの仕事にバランスよく時間を配分し、収益の確保と自己実現、自分自身の新たな強みの獲得を果たして行く必要があるわけです。

そんなわけで、

・8月に商材と方針を決め、
・9月には営業活動に取り組み、
・10月にはJICAが募集していた協力準備調査にプロポーザルを提出し、
・11月(今)は、9~10月に受けた仕事をこなす毎日。

を過ごしてきました。

12月には、ルパン型組織のメンバーとしかけていたBtoCの商品販売サイトが出来上がるので、「地元の技術を販売」するきっかけになるんじゃないかと思ってる。(残念ながら、海外に販売するのはそのもう1ステップあとになりそう。)

JICAのプロポーザルが通れば、来年一気に海外で仕事をする可能性が高まるわけだけれど、僕の周囲も大量に応募してたので、通る可能性が高いとは言い難い。商材やプランには自信があるけれど、これは政治的な要素も絡むだろうから、何ともいえない。もっとも、プロポーザルをつくる中で、様々なメンバーの協力や信頼を得られたわけで、これはひとつの財産になっている。みな、どうなるかもわからない提案に本当に熱心に協力してくれた。

何しろ何かを実現しようと思ったら、それなりに時間が必要で、しかも全力で取組む必要がある。

1回のトライで成功することなんて極稀で、何度も失敗した後に成功する場合が大半で、だからこそ他の1回トライして辞めてしまう大半の人と差別化できるとも言える。

まぁ、そんな風に最近は考えていて、長い目でいろいろなことに取り組もうと思っているわけです。
ブログもこれから改めて思いついたように更新していこうと思いますので、訪れてくださったみなさま、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
3

勇者ではなく、ただのモブだと気付いてしまったときに

Twitterの僕のTLは今日はソーシャルゲームの話題でもちきりだったのだけど、メインストリームとは異なる視点で面白い記事を発見したので、こちらのほうを紹介しておこう。

ダイヤモンド・オンライン:ゲームの仲間は助けるけど、会社の同僚は助けない

――現実世界の同僚が困っていたら、残業して助ける?

助けないです。あ、梅田さん、僕、自分の行動の矛盾に気付いちゃいました……

――いやー、今日の君の発言は、日本ビジネス界のマネジメント層に一石を投じている気がするよ。つまり、高学歴でクリエイティブ職に就いて、有能な山本君は、仕事でも生活でもなく、ゲームのなかが最も必死なんだよね。あらゆる若者のあらゆる情熱が仕事ではなくゲームにつぎ込まれているとすれば、日本経済の大きな損失だよ。だって、その情熱を仕事に傾ければ、現実世界でお金が生み出せるのに。謎を解く力や、トライ&エラーや、発想の転換がゲームの醍醐味だとすれば、それは全部会社のなかでも有効な能力なのに、それを使っていない。

僕は小学生の頃から割と筋金が入ったゲーマーだったので、この「梅田さん」なる質問者の視点にはプレイステーションが世に出る前から気づいていて、いかに現実世界をゲームのように面白くするかに情熱を注いでいた。

最高の仲間を集め、目標を決め(倒す魔王はどこだ?)、姫と財宝を手に入れる。
ゲームがイメージできなければ、ワンピースとかイメージすればいいのかな。そう、船にのって仲間と大海原に乗り出すイメージ。

時にはパーティ間で三角関係が生まれちゃったりして、魔王を倒すことなんてどうでもよくなって内輪でバトルする。(そういや最近は成功の報酬として姫を手に入れるパターンよりも、冒険の仲間とくっつくパターンのほうが多いよね。そっちのほうがイイと思う!)

まぁ、、そんな人生を送れたら最高だと思っていて、実際に今もそういう人生をどうやったら送れるかということについて、毎日必死にない知恵を絞っているわけだけれど、引用の中の梅田さんの台詞はやっぱりゲーマーの気持ちを代替しているとはいい難いのかもな。と思ったり。

どういうことかというと、

「有能な山本君は、仕事でも生活でもなく、ゲームのなかが最も必死なんだよね。~だって、その情熱を仕事に傾ければ、現実世界でお金が生み出せるのに。

という部分。まぁ、そうかもしれないけれど、ゲームの世界はユーザーが凄く少ない。せいぜい1000万人。この中で時間とお金さえかければ勇者になれると思えば、なんとなく希望が持てる。

その点現実世界の競争相手は膨大だ。その数ざっと60億人。しかもどいつもこいつも真剣勝負ときてる。高学歴でクリエイティブ職についた山本君も、きっとどこかで自分は勇者ではなくて、単なるモブ(雑魚キャラ)の一人だってことにどこかで気付いてしまったんだろう。

一見哀しいことのようにも思えるけれど、夢見ることを諦めきれない人が仮想現実の世界に集っていると考えると、そう捨てたもんでもないかな。と思えてきたりする。

僕もまた、そういう能力(ちから)なく、妄想の世界に生きる一人ではあるわけだけれど、最近自分を騙して物語の主人公にする技に随分長けてきたので、ちょっと書いてみようと思う。


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31

金融機関2年目の彼と、僕との共通点。超えたい壁。

少し考えさせられる出来事が立て続けにおきたので、忘れないうちに書いておこう。

今日、ある金融機関の方がいらっしゃった。僕が住む地方では最も有力な銀行だ。といったらもう一つしかないけど。

普段は必要性を感じることがあまりないので、会うこともないのだけれど、父の会社に何度か通っていたようで、父が是非と進めるものだから、一度あってみることにした。まぁ、お金はいつ入用になるかわからないし、借りるのであれば調子がいい時に借りておくべきだろうし、そして何より話を聞くだけであれば、タダなので、ちょっとあってみることにしたのだ。

会ってみると、精悍な若者で、もやしっこ文系代表の僕とは明らかに雰囲気が異なるが、感じの良さそうな人だった。

彼は開口一番こういった。

Yさん: すいません、僕はまだ2年目で十分、知識もないがですけど、少し融資のご紹介をさせて頂ければと思いまして、来たがです。

その後、僕は軽く今やっている仕事の紹介をし、融資には興味があるけれど、今すぐ必要とも思わない。審査が出てからおりるまで2週間程度なのであれば、3ヶ月後ぐらいに少し投資しようと思っていることがあるので、もしかしたらその時期であれば、相談させてもらうこともあるかもしれない。という旨をお伝えした。

まぁ、思っていることを率直に伝えただけなので、話は5~10分ぐらいで終わったと思う。その後は僕の質問タイムだ。人材に関する仕事に携わっていたからか、金融機関に勤める2年目の若者が、どのように仕事に対して取り組んでいるのか、非常に興味がある。
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9

モーツァルトは短命だったのか

最近聞いた面白い話に、モーツァルトは短命だったのか。という話がある。

天才作曲家モーツァルトは5歳で最初の作曲を行い、35歳で死を迎えるまで700以上もの曲を書いている。35歳で死んでいるので、確かに十分生きた。とは言い難いのではないかと思う(※)。

しかし、
「Sカーブ」が不確実性を克服するという書籍を著したセオドア・モディスは、作曲家としてのモーツァルトは生ききった。と述べている。

どういうことかというと、導入期-成長期-成熟期-衰退期という4つの分類にわけて事業や市場の成長をとらえるSカーブ(もともとはプロダクトライフサイクル理論)の概念に基づき、モーツァルトの年齢と作曲数をプロットすると、綺麗に正規分布の形でカーブが描かれ、その正規分布の形で予測される「一生の作曲数の91%を生み出した」時点でモーツァルトは死んでいるそうなのだ。

このデータをもってセオドア・モディスは、「モーツァルトは、作曲者としては十分生きた。」と述べているわけだが、ロマンチックな表現をする物理学者もいたものだと思う。

scurve

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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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