正直革命って僕の好きな言葉だ。もともとは10年ぐらい前にkojiさんの友人のtanaeさんが、名付けた言葉だと思うけど、それからシェイクの森田会長とかも使い出して、割と知っている人は知っている言葉になったと思う。

正直革命という言葉を使うときは次のような文脈で使われる。

入社して3年目。若手のホープとして活躍するようになったし、給料もあがった。しかし、なんとなく仕事にやりがいや面白みを感じない。「僕(わた し)のやりたかったことって本当にこれでいいのかしら?」と気付き、本当にやりたいことを探しに、会社を辞めたり、留学したり、転職したりする…。

まぁ、こんな感じ。
本当に自分自身の気持ちに正直になった結果、本当に自分が求めていたことに気づき、旅立つことをいう。

実際3年目っていうのは、節目の年といわれる。プレイヤーとしては、ある程度力をつけてきて、頼りになる存在となっている。(同時に上司に物足りな さも感じ始める。)びっくりするぐらい多くの人がやめる。それも、会社に対してそんなに不満のない人が辞めたりする。そのカラクリはこうだ。


パターンA
  • がんばって大学まで勉強してきて、周囲から期待もされていた。ゼミや研究室でもそれなりに目立つ存 在 だった。常に環境に恵まれていた(中にはそ こまで自分に自信がない人もいたりする。)、やっぱりなんだかんだいって、ステイタスって大事で、周りから「よかったね」と言われる会社に入りたい。
  • 入った当初は満足していたし、期待もしていたけれど、「○○社の××さん」という肩書を手に入れてしまうと、意外とつまらない。会社の肩書で勝 負しているのか、自分の実力で勝負できているのかわからない。一度ステイタスを手に入れてしまうと、そんなステイタス大したことなかったということに気づ く。それは、大学のミスコンに出てるコといざ付き合ってみると、話も合わないし、疲れるだけだった。という状態に似ている。
  • 彼らは、「大企業に勤めていた」というステイタスと「大企業では物足りない」という第三者が喜びそうなベンチャーマインドを手に入れて転職する。

パターンB、C

  • これから社会がどうなるか、わからない。とにかく自分自身の力をつけることが、将来に対してのリスクヘッジになる。そんなことを考えて就活を行 う。就職先はベンチャー。ステイタスも気になる場合は、コンサルティング会社や投資銀行に目を向ける。将来に対しての慧眼と考える力が評価されて、見事入 社。
  • 3年間。寝る間も惜しんで働く。入った会社がブラックでなければ、3年後にはびっくりするぐらいの実力をつけ、そこそこ収入も得 られるように なっているだろう。ただし、貯金はない。どれだけ収入があっても、その分ストレスがある生活なので、時間をお金で買うようなライフスタイルに大なり小なり なっている。高級な料理を食べ、酒を飲み、休暇でお金を使う。でも、稼げる自信があるから気にしない。
  • 3年後。気づけば美味しい料理 にも、車にも、旅行にもあまり興味がなくなっている自分がいる。学生時代に思い描いていた自分にはなった。力もあ る、お金もある。そしてストレスもふんだんにあって、時間だけがない。それと、素敵な彼女(彼氏)もいない。もちろん、出会いはあるけど、学生時代のよう な純粋なワクワクはなかったかも。もしかしたら、彼女(彼氏)を交換可能なモノのように扱っていたりしてる?求めればきりがない、ワタシが求めていたシア ワセへの道ってこれでよかったのかしら?新たなフィールドに飛び出さなくてよいの…?
  • そのとき道は二つ用意される。ひとつはベン チャーの社長として挑戦するパターンB。ビジネスの世界で思う存分自分の力を試す道だ。時期尚早と感 じた場合はMBAなどを目指す場合もあるだろう。もうひとつの道、パターンCは、家庭や、アートや、社会貢献や政治や学問の世界に飛び込み、自分なりの方 法で幸せを追い求めるという道だ。

パターンA~C、どの道も素晴らしい『正直革命』だ。
あぁ、もうひとつあった。パターンA'。革命を起こさなくとも、入った会社に満足し、勤め上げる道だ。
これは、本当にうまくマッチングができた場合に起こる、奇跡のような道だ。
多くの人は、このパターンA'を追い求め、就職活動をし、パターンAに落ち着いたり、ブラック会社に入社したことを嘆いたりする。


さて、ぼくが言いたかったのは、パターンAやB、あるいはCを目指せ。ということではない。もちろん、パターンA'を目指せ。ということでもない。伝えたかったのは、

  1. これからの社会、何が起きるかわからないのだから、まずは自分の頭で考え、後悔のないよう、全力で取り組むこと。
  2. そして、いざ働き始めたら「正直革命」が自分に起こりうる。ということを常に意識して仕事に取り組むこと。
  3. 正直革命が起きた時は、(恐れもあるだろうが)おそれず、新たな道に飛び込むこと
  4. 仕事に限らず、恋愛やライフスタイルにも「正直革命」は常に起こりうること。なんとなくステイタスで恋人を選んでいたら、「正直革命」してみ る こと。もし、自分に好きな人がいて、その人と釣り合わないと思っても、諦めずできる努力をしてみること。釣り合う、釣り合わないっていうのは本人たちの幸 せとはあまり関係のないことだから、もしかしたら時間があなたに味方してくれるかもしれない。

世の中には本当に素敵な正直革命が多い。
友人の結婚式に寄せて。