先週のよく晴れた土曜日の朝。
7人の男と1人の女性が千葉の聖地に集まった。

何の聖地かって?
決まってるだろ、そうさ

サバゲーさ。

ひょんなことから開催が決まったこのサバゲーであったが、幹事役を買ってでた青年実業家Sは本業が忙しいのか、開催の直前までほとんどやる気を見せず、僕に3度にわたって「人数あつまらなそうだし、辞めましょうか。」と言ってきたほどだった。(注・賢明な読者には改めて述べるまでもないことだが、ひょんなこと、のリンク先に書いてあることは事実とは異なる脚色が多分にされている。)

しかし、漢(おとこ)たるもの、例え参加者が自分一人になろうとも、一度決めたことはやり遂げねばならない!!
一人静かに、最悪の自体(=一人涙を流しながら野山を駆け巡る姿)を想定しつつ、待った。

そして、、、8人の勇士が集まったのだ。


■聖地に集った勇士たち

ここで、当日集ったメンバーを紹介しておこう。念のため説明しておくと、8人のうち5人は全くの初心者だ。
しかし、僕も体力と運動神経のなさには自信があるし、経験者の一人は女性なので特にハンデはつけずにゲームを行うことにする。

そう、サバゲーでは体力ももちろん必要とされるが、それ以上に初心者同士の戦いでは、作戦立案力がモノを言うのである。

kambayashi

※大手研修会社で経営企画部門のトップを勤めるK氏。僕とは就活の時の同期で御年33。
 「新しい研修コンテンツの開発に役立ちますよ‥」という悪魔の囁きに(騙され)ふたつ返事で駆けつけてくれました。なんかこういう米兵っていそうですよね。似あってます。

yuko

※今回のバトルの紅一点であるF氏。歴戦の勇士であるものの、持ってきたマイ銃はチャージャー切れ。手袋は目立ち過ぎで野戦において不利、ということで、勇士らしいところを見せることは出来ませんでした。最後、暗闇のなかのゲリラ戦で単騎特攻を見せ勝利をもぎ取った点が見せ場と言えば見せ場であった。

umeki

※奥に見えるのが、我が戦友のumeki。帽子を忘れてきた上に髪が短いので、頭が寒そうです。初戦では、頭を狙撃され、早々に戦意を喪失していました。

all

※集合写真。皆、いい顔してます。

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さて、そろそろ今回我々が赴いた戦地と戦いの歴史について語ることにしたい。

■戦術概論

我々が足を踏み入れたのは下記のような起伏に富んだ戦場であった。

field2

グループを2つにわけ、各々のチームが入念に地形を下見する。

フィールドマップで見ると小さく見えるが、AB間は150mはあろう。障害物のために実際の距離以上に長く見える。BC間は起伏に富んだ丘陵地帯で障害物も多い。丘を駆け上る形になるのでBからCへの攻撃は困難を極める(と、思われた)。

ゲームのルールは初心者がほとんどであることから、オーソドックスなフラッグ戦。AなりBなりCなり、自分の陣地を決め、そこに押されたブザーを押されると負け。というものだ。

さて、ここで簡単に戦術の基礎を押さえておこう。
孫子の時代から言われてきたベーシックなことであるが、

戦略に必勝法はないが、戦術に必勝法はある。

それは

戦力を集中し、敵を分断し、各個撃破する。

ことだ。(参考:ビジネス上の競争を優位に進める「高機動」

我軍は当然その事実をもとに作戦を立てることになったわけだが、敵にもKやFやUmekiがいる。ここらへんのセオリーはきっちりおさえてくることだろう。

ここから先は、読み合いだ。

私のチームは私以外は東大生ホスト&東大体育会所属という頭脳とツラと体力のバランスがとれたチームだ。唯一の不安点は、50m走ると息が上がる私の体力だが、死兆星が見えている時ほど、戦術にキレも増すであろう。

私たちの陣はB
対する敵の陣はA


ということで、場所は決まった。既に戦いは始まっている。


■初戦の戦術

初戦、我々が立てた戦術はこうだ。

field3

  • おそらく敵軍は我軍同様、少数の守備隊を残し、主軍は中央の山岳地帯を抜けて、我々の守備隊を急襲するであろう。主戦場は中央の山岳地帯になる。
  • 我軍は中央の山岳地帯で決して押し負けてはならない。故に、1名の守備隊を残し全軍(集中)で山岳地帯に乗り込む。
  • 山岳地帯に乗り込むだけではいけない。敵より有利な位置を占めるため、いち早く(迅速に)、山頂を押さえ(差別化)ることを第一作戦目標とする。
  • その後、山岳戦に押し勝った後、静かに敵の後輩にまわり狙撃する。これを第二作戦目標とする。

というものだった。

余談だが、この作戦は

戦略とは「捨てること」「差別化すること」「速くやること」と言い切った、(私が尊敬してやまない)経営コンサルタント、三谷宏治氏の思想を地でいくものである。(参考:ゲームで学ぶ経営戦略

さて、こうして立てた我軍の作戦に対して、KやFやUmekiを要する敵軍はどのような作戦をとったか。彼らは実に驚くべき行動に出たのである。


■驚くべき敵の中央突破

さて、開始と同時、我軍の主力は山上に駆け上がった。守備隊として残るは老兵故に機動力に劣る私fukui。そこに突然一陣の風となって、敵の主力が襲いかかり、銃を乱射する。

これには正直驚いた。敵は我々が山から攻めてくることを想定し、その裏をかいて平坦な回廊を通って中央突破をしかけてきたのだ。

慌てて障害物に隠れ、銃をフルオートにして周囲に乱射するfukui。
敵軍の突撃はとまり、銃の乱射による流れ弾に当たることをおそれて、軍をわけて背後を狙うこともままならないようだ。

この時点で私は我軍の勝利を確信した。
敵軍は、守備側は攻撃側よりはるかに有利というセオリーを忘れていたようだ。

「バカめ‥」

私は一人つぶやき、物陰に隠れながらゆっくりと応戦する。
膠着状態となった我軍近くで応戦していたところ、我軍の勝利を知らせるブザーが鳴り響いた。


■我軍の別働隊の証言

我軍の攻撃隊は、山頂から敵軍に迫ったため、全速力で我軍に迫る敵兵の姿は手に取るようにみえたとのことだ。そこで一瞬狙撃しようとも考えたらしいが、位置がばれる危険性を避け、静かに敵陣に迫った。

そして、敵の後背にまわり、一人でぽつねんと守備をしていたumekiの無防備な頭にヒット!
高地からの狙撃は、低地からの狙撃と違い、命中精度は極めて高くなる。

そして、守備兵がいなくなった陣地にゆうゆうと駆け寄りブザーを押したとのことだ。
我軍の完勝である。


■最後に

とまぁ、こんな感じで、チームを変えたり陣地を変えたりして散々楽しんだわけです。

最後のほうになると疲れきって作戦を立てるどころではなくなってしまいましたが、障害物があれば低地から高地にある陣地を攻める時も不利にならないこともある。などいろいろ新しい発見もありました。(悔しいことに、高地にある陣地の守備隊を3回やって3回とも負けるという屈辱も味わいました。)

実際にはいつ狙撃されるかもわからない恐怖と戦いながら前進する感覚とか、敵の目を逃れるために躊躇なくほふく前進するところとか、陣地を押さえるとか待ち伏せするとか、サバゲーならではのいろいろな面白さ、心理戦を楽しみました。

ただ、やっぱり一番良かったのは体を動かしながら楽しんだことかな、と。
サバゲーは体力がなくても出来るスポーツなので、興味のある方は是非トライしてみてください。
僕もまた、次回やるときにはブログ等で告知しようと思うので、是非ご参加頂ければと思います。

8人でも十分楽しめましたが、やっぱり大勢いたほうが作戦のバリエーションも増えますし、何より面白いですからね。

nakamura
※最後2人ずつ4チームに別れて行ったバトルロワイヤル戦で勝利をもぎ取った、umeki&nakamuraコンビ。
 nakamura君は最初から最後までエース級の活躍を見せましたが、あのumeki君も最後のほう随分テクニシャンになってたんだよなぁ。。。