Twitterの僕のTLは今日はソーシャルゲームの話題でもちきりだったのだけど、メインストリームとは異なる視点で面白い記事を発見したので、こちらのほうを紹介しておこう。

ダイヤモンド・オンライン:ゲームの仲間は助けるけど、会社の同僚は助けない

――現実世界の同僚が困っていたら、残業して助ける?

助けないです。あ、梅田さん、僕、自分の行動の矛盾に気付いちゃいました……

――いやー、今日の君の発言は、日本ビジネス界のマネジメント層に一石を投じている気がするよ。つまり、高学歴でクリエイティブ職に就いて、有能な山本君は、仕事でも生活でもなく、ゲームのなかが最も必死なんだよね。あらゆる若者のあらゆる情熱が仕事ではなくゲームにつぎ込まれているとすれば、日本経済の大きな損失だよ。だって、その情熱を仕事に傾ければ、現実世界でお金が生み出せるのに。謎を解く力や、トライ&エラーや、発想の転換がゲームの醍醐味だとすれば、それは全部会社のなかでも有効な能力なのに、それを使っていない。

僕は小学生の頃から割と筋金が入ったゲーマーだったので、この「梅田さん」なる質問者の視点にはプレイステーションが世に出る前から気づいていて、いかに現実世界をゲームのように面白くするかに情熱を注いでいた。

最高の仲間を集め、目標を決め(倒す魔王はどこだ?)、姫と財宝を手に入れる。
ゲームがイメージできなければ、ワンピースとかイメージすればいいのかな。そう、船にのって仲間と大海原に乗り出すイメージ。

時にはパーティ間で三角関係が生まれちゃったりして、魔王を倒すことなんてどうでもよくなって内輪でバトルする。(そういや最近は成功の報酬として姫を手に入れるパターンよりも、冒険の仲間とくっつくパターンのほうが多いよね。そっちのほうがイイと思う!)

まぁ、、そんな人生を送れたら最高だと思っていて、実際に今もそういう人生をどうやったら送れるかということについて、毎日必死にない知恵を絞っているわけだけれど、引用の中の梅田さんの台詞はやっぱりゲーマーの気持ちを代替しているとはいい難いのかもな。と思ったり。

どういうことかというと、

「有能な山本君は、仕事でも生活でもなく、ゲームのなかが最も必死なんだよね。~だって、その情熱を仕事に傾ければ、現実世界でお金が生み出せるのに。

という部分。まぁ、そうかもしれないけれど、ゲームの世界はユーザーが凄く少ない。せいぜい1000万人。この中で時間とお金さえかければ勇者になれると思えば、なんとなく希望が持てる。

その点現実世界の競争相手は膨大だ。その数ざっと60億人。しかもどいつもこいつも真剣勝負ときてる。高学歴でクリエイティブ職についた山本君も、きっとどこかで自分は勇者ではなくて、単なるモブ(雑魚キャラ)の一人だってことにどこかで気付いてしまったんだろう。

一見哀しいことのようにも思えるけれど、夢見ることを諦めきれない人が仮想現実の世界に集っていると考えると、そう捨てたもんでもないかな。と思えてきたりする。

僕もまた、そういう能力(ちから)なく、妄想の世界に生きる一人ではあるわけだけれど、最近自分を騙して物語の主人公にする技に随分長けてきたので、ちょっと書いてみようと思う。


0)何はともあれ、旅に出る

まぁ、これが一番ハードルが高いといえば高いけどね。

喩えて言うなら村で平穏に暮らしている冒険者。
袋小路屋敷でうたた寝しているフロド。
宮本村の武蔵。
階段下の部屋に寝るハリー・ポッター。

旅に出なければ冒険は始まらない。だからまずは旅に出る。
村の周りにいるスライムを倒すぐらいのことから始めてもいいと思う。多分、オフ会を主催するぐらいでもいい。やれることから初めて、失敗して傷ついて、まぁ、それでもともかく馬小屋でHPを回復して。って生活をしてみればいいんじゃないかな、と思う。自分にとっての騎士や姫は意外と早く見つかるかもしれないし。
何か思いもかけないアクシデントがあればそれはきっと旅立ちの合図に違いない。


1)セグメントを絞って、村一番の力持ちになれる分野を探そう。

自分が勝負できるセグメントを徹底的に絞ることが大切なんだろう、と思う。60億人と同じゲームをするのであれば、勝つ見込みは非常に少ないけれど、○○の分野で一番という部分を見つけてしまえば、その世界での勇者になれるように思う。ソーシャルゲームだったら1000万人が競争相手?それでもやっぱり時間とお金が厳しいから、競争相手が100人ぐらいになるまで最初は絞り込めばいいんじゃないかと思う。それこそ、村一番の力持ちになって、村一番の娘をもらう、みたいな。

2)メンターを見つけよう

旅だった勇者にはメンターがいるわけで。そういう人を勝手に見つけるといいんじゃないかな、と思う。フロドにとってのガンダルフみたいな。

え?どうやってメンターを見つけるかって?まー、近くにいて、自分が成功したい分野で成功している人にとりあえず弟子入りするんだろうな‥。働かせてください、とか、「いつの間にかオフィスにいる」みたいな感じで。

3)経験値を積む

まぁ、あとは経験値を積むだけだよね。仲間を見つけたいと思っても、自分の能力に見合った人しか、仲間になってくれない。同じ船にのってくれない。とにかく自分が決めた(狭い)分野でナンバー1になればきっと道は開けるハズ。

どうやってナンバー1になるかって?そりゃー、本読んで、セミナー出て、人の2倍働くしか無いよね。全部ゲームだと思って、能力を高めるための育成期間だと思って、乏しい脳を騙して乗り切るしかないかな。

4)仲間を見つける

さて、いよいよ仲間を見つけるフェイズ。これはどんな風に見つけるかは本当に難しい。まぁ一人はメンター役の人だよね。もうひとりは、幼なじみというか、苦楽を共にしてきた友人が仲間になると相場は決まっているのだが(ちなみにコイツは旅の途中でライバルとして立ちはだかることになるかもしれない。)‥、まぁそういう感じの人。ヒロイン(あるいはナイト)も欲しいところだけど、それはまぁ後回しになるのかな。旅に出て、経験を詰めば遅かれ早かれ必ず見つかるはず。

5)最初のミッションをクリアする

仲間とともに、最初に小さなミッションをクリアする。それが出来れば、次の話は自然と舞い込んでくる。仲間も増える。敵だと思ってた人がさっくり仲間になったりする。まぁ、そんな面白さがある。

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こう考えると、最初の「旅に出る」ってところが一番難しくて、そこからあとはなるようになる感じがする。
実際そうだ。まぁ、リスクも確かにあるから別に積極的に「旅に出ること」をオススメはしない。

だけど、最初に足を踏み入れる物語を、壮大なものにせず、とても小さなプレイヤーしか参加しない現実のゲームに限定さえすれば、、、もしかしたら意外と早く、勇者になれる日はくるかもしれない。

そんなことを夢想する。


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※たぶん、この小説を読んで自分の「旅に出る」ことを決意した人が世の中に100万人はいるんですよ。きっと。