先日、春から楽天株式会社の新卒社員になった友人と寿司を食べに行った。
少し前であれば(彼は学生なので)、おごってあげるところだけど、晴れて社会人になったということで、きっちりワリカンで食べることにした。しかし、初任給が入るのはどうやら4月25日らしいので、おごるべきだったかもしれない。僕は5月15日に初任給だったのだけれど、その時は一番収入的に厳しかったなぁ。なんてことをふと思い出した。
話は自然と楽天株式会社の新入社員研修の話になった。僕もかつて新入社員研修の設計とかやっていたし、とても興味があるのだ。
楽天の新入社員は400人。その有名な営業研修は楽天カードの販売だ。
Twitterやmixi上ではあまり良い噂を聞かないので、「あの研修どうなのよ。」という話を聞いてみた。
少し前であれば(彼は学生なので)、おごってあげるところだけど、晴れて社会人になったということで、きっちりワリカンで食べることにした。しかし、初任給が入るのはどうやら4月25日らしいので、おごるべきだったかもしれない。僕は5月15日に初任給だったのだけれど、その時は一番収入的に厳しかったなぁ。なんてことをふと思い出した。
話は自然と楽天株式会社の新入社員研修の話になった。僕もかつて新入社員研修の設計とかやっていたし、とても興味があるのだ。
楽天の新入社員は400人。その有名な営業研修は楽天カードの販売だ。
Twitterやmixi上ではあまり良い噂を聞かないので、「あの研修どうなのよ。」という話を聞いてみた。
■意外と魅力的な楽天の商品
かえってきた答えはやはり「どうなんでしょうねぇ。もっと他にやりようがあるとおもうんですが。」というものだった。完全な否定ではないけれど、どちらかというと否定よりの意見。契約が取れず苦しんでもいるのだろう。
僕はクレジットカードは作るだけであれば、そんなにデメリットはない(ただし、その後無制限にカードをつかって買い物をしてしまう人が多いから、様々な問題が発生しがちではある。)ということを知っていたので、
「これも何かの縁だし、楽天カードに入会するよ」
という話を切り出した。彼は喜んでくれたが、詳細を聞かないと本格的に入るわけにはいかないので、条件を詳しく聞いてみた。そうすると、
ということだった。
「え、それだとデメリットないね。なんかデメリットないの?リスクとか?」
彼がいうには、楽天カードを一度有料化しようとしたことがあったが、会員の猛烈な反対にあって取りやめた。ということだった。今後も楽天カードを有料化する動きはあるかもしれない。とのことだった。
直感的にだが、僕はそれはないと思った。
有料化すると会員は必ず減る。一部のプレミアカード(アメックスのプラチナやブラックなど)は高い年会費を取り、同時に様々なサービスを提供するが、基本的にはとなりの億万長者がいうところの蓄財劣等性向けのサービスだ。
カードを発行する会社は、使用料に応じて手数料をもらう。カードを使って貰えば使ってもらうほど、うるおう。これがカード会社の基本戦略だ。だから、わざわざ年会費を上げて会員を逃すような馬鹿な真似はせず、会員を確保し、利用料を増やす戦略を楽天はとるはずだと感じた。
デメリットがあるとすれば、個人情報を提供することによって、個人の携帯電話宛に売り込みの電話がくることぐらいだろう。それは、しっかりお断りすることが出来る力をもっていれば、大体は二度とかかってこないので、僕としてはそんなリスクでもない。
と、いうわけで僕は楽天カードの会員になることにした。もちろんすぐにはさみをいれてカードを使えなくしてしまうかもしれないが。(ただ、今、利用しているcitiのカードをこの際切り替えてしまってもいいかとも思っている。どちらもフリーだし。)
■何故、新人によるカード営業は好印象を与えないのか
以前のエントリでも少し書いたけれど、僕は新入社員による営業研修はそんなに好きではない。好きではない理由はいろいろあるが、根本的には売り方がスマートでないところが嫌だ。営業の知識・経験がないが故に、顧客とwin-winの関係を築くどころか、lose-loseの関係になってしまうケースが多いところが嫌だ。
しかし、今回の楽天の新入社員研修は、商品自体の質は結構いいので、数十件単位のカード契約を実現する方法はいろいろ考えられる。
直感的に思いついたことをまとめてみたい。
■セールスのガイドラインはもう少し示してもいいのではなかろうか
以上、楽天の新人研修に関して少し思うところを書いてみた。個人的には、楽天に好感を持った。よく考えられている新人研修だと思う。
この研修には以上のようなメリットがある。
ただ、残念なのは、実際に楽天カードの営業をしている新人営業担当も、それを売り込まれる顧客候補も、営業が真に取り組まなければいけないこと。商材の真の魅力を十分に理解したり、指導できていないことにあるのかもしれない。
工夫できる要素は、企業側にも新人営業担当側にも十二分にある。
そんなことを新入社員の彼の話を聞きながら、ふと思った。
となりの億万長者―成功を生む7つの法則
著者:トマス・J. スタンリー
販売元:早川書房
発売日:1997-09
おすすめ度:
クチコミを見る
かえってきた答えはやはり「どうなんでしょうねぇ。もっと他にやりようがあるとおもうんですが。」というものだった。完全な否定ではないけれど、どちらかというと否定よりの意見。契約が取れず苦しんでもいるのだろう。
僕はクレジットカードは作るだけであれば、そんなにデメリットはない(ただし、その後無制限にカードをつかって買い物をしてしまう人が多いから、様々な問題が発生しがちではある。)ということを知っていたので、
「これも何かの縁だし、楽天カードに入会するよ」
という話を切り出した。彼は喜んでくれたが、詳細を聞かないと本格的に入るわけにはいかないので、条件を詳しく聞いてみた。そうすると、
- 入会すると2000円分の楽天ポイントが入る。(楽天内で自由に買い物ができるから、fukuiさんだったらビール6缶セットとかがオススメとのことだった。)
- 年会費は無料。
- カードを作ったあと、使わないようにカードにはさみを入れてもOK。営業担当の成績にカウントされる。
ということだった。
「え、それだとデメリットないね。なんかデメリットないの?リスクとか?」
彼がいうには、楽天カードを一度有料化しようとしたことがあったが、会員の猛烈な反対にあって取りやめた。ということだった。今後も楽天カードを有料化する動きはあるかもしれない。とのことだった。
直感的にだが、僕はそれはないと思った。
有料化すると会員は必ず減る。一部のプレミアカード(アメックスのプラチナやブラックなど)は高い年会費を取り、同時に様々なサービスを提供するが、基本的にはとなりの億万長者がいうところの蓄財劣等性向けのサービスだ。
カードを発行する会社は、使用料に応じて手数料をもらう。カードを使って貰えば使ってもらうほど、うるおう。これがカード会社の基本戦略だ。だから、わざわざ年会費を上げて会員を逃すような馬鹿な真似はせず、会員を確保し、利用料を増やす戦略を楽天はとるはずだと感じた。
デメリットがあるとすれば、個人情報を提供することによって、個人の携帯電話宛に売り込みの電話がくることぐらいだろう。それは、しっかりお断りすることが出来る力をもっていれば、大体は二度とかかってこないので、僕としてはそんなリスクでもない。
と、いうわけで僕は楽天カードの会員になることにした。もちろんすぐにはさみをいれてカードを使えなくしてしまうかもしれないが。(ただ、今、利用しているcitiのカードをこの際切り替えてしまってもいいかとも思っている。どちらもフリーだし。)
■何故、新人によるカード営業は好印象を与えないのか
以前のエントリでも少し書いたけれど、僕は新入社員による営業研修はそんなに好きではない。好きではない理由はいろいろあるが、根本的には売り方がスマートでないところが嫌だ。営業の知識・経験がないが故に、顧客とwin-winの関係を築くどころか、lose-loseの関係になってしまうケースが多いところが嫌だ。
しかし、今回の楽天の新入社員研修は、商品自体の質は結構いいので、数十件単位のカード契約を実現する方法はいろいろ考えられる。
直感的に思いついたことをまとめてみたい。
- カードの契約を一番取っている人(ベストプラクティス)は、広い人脈をもち、学生時代の後輩に商品を案内して契約を促しているケースのようだ。しかし、自分の友人や後輩、家族などにカード契約を促すのは戦略的に正しいのかどうか、少し考える必要がある。単純に自分のブランドを低めたり、信頼を失っているだけの可能性もなくはない。僕が感じたのは、カードの利用に慣れている金持ちを相手にするのがいいのではないか。というものだ。カードの利用に慣れていない人は際限なくカードを使って、生活が苦しくなる可能性もあるし、必要以上にカードを恐れる必要もある。しかし、金融商品の扱いに慣れている人であれば、十分このカードのメリットに気付き、とりあえず2000円分のポイントをもらって、その後解約という選択肢を取る人も大勢いるはずだ。実は真のターゲットは金融商品の取り扱いに慣れた人である可能性は十分ある。
- 次に考えたことは、カード契約のハードルは何なのか、客観的に考えることだ。条件だけ見ると、カード契約のデメリットは何もない。しかし、「人間関係を利用してカード契約をさせるなんて…」とか、「不用意にカード契約してしまうと、不当にお金をとられてしまうのではないか。」という心理的ハードルが高いことが、カード契約の促進を阻害してしまっている。単に、心理的ハードルが高いだけなのに、それが原因で、楽天や楽天の新人の悪評がたってしまうのは実にもったいない。商品が悪いのではなく、売り方やプロモーションの仕方が悪いだけなのだ。例えば、楽天カードの契約で得たポイント2000ポイントで、ビールやつまみを買って持ち寄るパーティを企画し、そのパーティの場で、一斉にカードにはさみを入れるというのはどうだろう。もちろん、カードを利用したいというひとは持っていればいいし、いらない人はそこではさみを入れて、使えないようにしてしまえばいい。契約の際に言い訳を与えてあげるのだ。
- 僕が売るのであれば、100人に対してプロモーションするのではなく、10人契約をとってくれる人10人と接触する。そういう構造を作り上げる。そう考えた場合、影響力のある大人10人にいかに接触するかが重要になるだろう。もしかしたら、経営者と飲みに行きまくるのがいいのかもしれない。頑張って、汗を流して働いている個人ほど、意外と成績が伸びていないようだ。考え、キーマンを抑えることにもっと時間を使ってもいいのではないか。
- 最後は自分から売り込まない。ということだ。売り込まれると、身構える。僕はカードをつくることになったが、一切勧められていない。既に信頼関係のある人から客観的に情報を仕入れ、契約してもリスクはなく、メリットがあるだけだと、自分で判断したから契約することにしたのだ。しかし、たとえそのように合理的に判断することができたとしても売り込まれたら、深く考えることもせず、契約しなかったかもしれない。売り込まず、買いたくなるような構造をつくること。きっとそれが重要なのだろう。
■セールスのガイドラインはもう少し示してもいいのではなかろうか
以上、楽天の新人研修に関して少し思うところを書いてみた。個人的には、楽天に好感を持った。よく考えられている新人研修だと思う。
- まず、しっかりとした商品力のある商材を扱っている。
- 信頼を構築することの大切さが学べる。(それが出来ないと、これまで築いてきた信頼を切り売りするような営業になってしまう。)
- 商品を販売するためには、構造が必要だ。ということが学べる。(一人で100人と契約するのは難しいが、10人と契約してくれる人10人を味方につけることであれば、なんとか出来そうな気もする。)
- 相手が、何をハードルと感じているか、考えるきっかけを与えることができる。
- チームで目標を設定し、それを達成する喜びをしることが出来る。
- win-winの関係性を築くためには何をしなければならないか、学ぶことができる。
この研修には以上のようなメリットがある。
ただ、残念なのは、実際に楽天カードの営業をしている新人営業担当も、それを売り込まれる顧客候補も、営業が真に取り組まなければいけないこと。商材の真の魅力を十分に理解したり、指導できていないことにあるのかもしれない。
工夫できる要素は、企業側にも新人営業担当側にも十二分にある。
そんなことを新入社員の彼の話を聞きながら、ふと思った。
となりの億万長者―成功を生む7つの法則
著者:トマス・J. スタンリー
販売元:早川書房
発売日:1997-09
おすすめ度:
クチコミを見る
Comment
”使っていなくても「個人の与信枠」(借入限度額)にはカウントされます。つまり、カードのキャッシング枠を使っていなくても、借入れできるあなたの信用は削られていることとなります”
初めてブログを拝見させていただきました。
夢を持って歩んでいらっしゃることに、とても頑張って欲しい気持ちでいっぱいです。
さて、上記コメントで、私のブログのアドレスが入っていることに気付きました。
ご参照・ご紹介いただいていることはありがたいのですが、私がコメントしたものと勘違いされる方がいらっしゃいますと、少々難ありかな?と感じましたので、コメントさせていただきました。
また、機会がございましたら、お立ち寄りください。
頑張ってください!また拝見させていただきます!!
確かに、みようによっては紛らわしいですね。
コメント頂いたことで混乱もなくなると思います。ありがとうございます。
FP_yukiさんのサイトはcardさん経由で拝読させて頂きました。
大変参考になる記事で興味深く読ませて頂きました。
これからもよろしくお願いいたします。
読み物というのは、読み手によって捉え方が変わるという不思議なものですよね。
これからも『わかりやすい』、『読みやすい』ブログ作りをします。
fukui様のブログも参考にさせていただきます。お互い頑張りましょう。ありがとうございました。
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