Chris Andersonが2004年に提唱したビジネス・コンセプトがロングテールだ。
梅田望夫氏がウェブ進化論で取り上げたこともあり、広く人口に膾炙されている概念ではないかと思う。
しかし、本当にこれを理解し、ビジネスに利用している人がどれだけいるのだろうか。
なんとなく、「自分には関係の無いこと」「コンサルタントのマーケティング用語のひとつ」ととらえている人も多いのではないかと思う。
かくいう僕もそう考えている人間の一人だったのだけれど、最近すごく面白いな。と感じるビジネス事例があったので、紹介したい。
それは、Twitterでフォローさせて頂いている永川優樹( @egawauemon )さんのツイートと、運営されているサイトを見て学ばせてもらったことだ。稚拙なものになってしまうかもしれないが、僕なりの分析をちょっと紹介させて頂こう。
永川さんの運営サイトは下記。次のような素敵な国内外の画像を多数アップロードされている。
WORLD - CRUISE
これがハイパーロングテールコンテンツだ。(ただし、永川さんの言葉を借りれば、このサイトは壮大な戦略のほんの一端に過ぎないとのこと。それでもかなりの収益を実現されているようだけれど。)
■いったい何が凄いのか
「巨大な市場」と「小さな市場」どちらでビジネスにチャレンジする?
そういった問いをすると、多くの人は巨大な市場でチャレンジする。と答えるのではないだろうか。(もちろん、小さな市場でトップシェアを握るという戦略もあるけれど、今回は除外して考える。)
しかし、知らず知らずのうちに小さな市場で勝負しているプレイヤーがたくさんいるのが現実なのではないかと思う。例えば、楽天は国内最大のECサイトだけれど、日本語でしか運営されていないショップがほとんどだ。
要は、インターネットという全世界に開かれたツールがあり、コンテンツマッチ、アフィリエイトといった新たな広告モデルが出来ているにも関わらず、国内のコンテンツプロバイダーはあくまで日本市場を前提としたビジネスを展開しているところが多いのではないかと思う。(情報などのコンテンツに限らず、中小の製造業などでも、国内に限定して考えているところは結構多いと思う。)
永川さんのサイトは旅という多くの人が興味を持つコンテンツを提供し、世界中の人に映像を見てもらい、そこでGoogleによって最適化された広告によって収益を得ているわけだ。(映像だったら、英語よりももっとハードルが下がる。言語に頼らず誰でも見て感じることができるからだ。)旅行のチケットなどは、それなりの値段がするものだから、売れたときにはそれなりの収入が入ることだろう。世界中の人からちょっとずつ買ってもらえればそれでいい。
これまで何度か、BLOGOSやTechWaveという新しいメディアのあり方、儲け方に関しては言及してきた。(参考:ライブドアがリードする新時代のメディア戦略)それらはテクノロジーの進化により低コストで運営し、少数の運営者が十分な利益を得るビジネスの事例だが、永川さんのサイトは個人でもそれが出来ることを示している。また、市場を海外まで広げることで、ロングテールという言葉を非常に身近なものにしてくれている。(実のところ、低コストで制作・運営を行い収入をすべて自分のものにする。という意味では個人で取り組んだ方が美味しい場合が多々あるだろう。)セールスを、人ではなくインターネットに完全に任せている。
今手がけているビジネスのターゲットを、国内に限定せず、思い切って世界に広げてみたらどうなるだろう?どういう収益モデルが考えられるだろう?人をこれ以上増やさずにもっともっと稼ぐにはどうしたらいいだろう?そんなことを考えてみるのは素晴らしいことだ。
日本が発展途上国で国内に市場がなかったころは、日本のビジネスパースンは世界に出ていき、世界を顧客にして活躍していた。今は個人や少人数でそういった動きができる時代になっている。
これまでは、国内市場が十分に大きかったから、そこで闘っていけば十分だった。しかし、これからは違う。世界市場の伸びのほうが遥かに早い時代がやってくる。
(国内市場への)選択と集中も大事だが、少し発想を変え、もう一度世界に羽ばたく日本人を目指してみるのもいいのではないだろうか。
追伸:
本ブログは日本語で書かれているじゃないか!とか、お前は北陸限定のローカルな仕事をしているじゃないかというツッコミはやめてください…涙
これも、壮大な計画の一端に過ぎないんです!!ということにしておきます。。
ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
著者:クリス アンダーソン
販売元:早川書房
発売日:2006-09
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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
著者:梅田 望夫
販売元:筑摩書房
発売日:2006-02-07
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梅田望夫氏がウェブ進化論で取り上げたこともあり、広く人口に膾炙されている概念ではないかと思う。
しかし、本当にこれを理解し、ビジネスに利用している人がどれだけいるのだろうか。
なんとなく、「自分には関係の無いこと」「コンサルタントのマーケティング用語のひとつ」ととらえている人も多いのではないかと思う。
かくいう僕もそう考えている人間の一人だったのだけれど、最近すごく面白いな。と感じるビジネス事例があったので、紹介したい。
それは、Twitterでフォローさせて頂いている永川優樹( @egawauemon )さんのツイートと、運営されているサイトを見て学ばせてもらったことだ。稚拙なものになってしまうかもしれないが、僕なりの分析をちょっと紹介させて頂こう。
永川さんの運営サイトは下記。次のような素敵な国内外の画像を多数アップロードされている。
WORLD - CRUISE
これがハイパーロングテールコンテンツだ。(ただし、永川さんの言葉を借りれば、このサイトは壮大な戦略のほんの一端に過ぎないとのこと。それでもかなりの収益を実現されているようだけれど。)
■いったい何が凄いのか
「巨大な市場」と「小さな市場」どちらでビジネスにチャレンジする?
そういった問いをすると、多くの人は巨大な市場でチャレンジする。と答えるのではないだろうか。(もちろん、小さな市場でトップシェアを握るという戦略もあるけれど、今回は除外して考える。)
しかし、知らず知らずのうちに小さな市場で勝負しているプレイヤーがたくさんいるのが現実なのではないかと思う。例えば、楽天は国内最大のECサイトだけれど、日本語でしか運営されていないショップがほとんどだ。
- 日本語の利用者数は1.3億人と言われる。英語の総話者数は5.1億人だ。単純な計算に過ぎないけれど、4倍のユーザー(市場)がいると考えられる。
- また、他言語圏に住んでいながら英語を操る層はエスタブリッシュメントである可能性が高いのではないだろうか。それは可処分所得が多いことを意味する。
- 間に流通が挟まれば輸送費が発生する(その場合は輸送費も含めてペイするかどうかの判断が必要だ)が、情報や広告のやり取りであれば輸送費すら発生しない。マンガやゲーム、アニメ、調査報告書など、コンテンツプロバイダーであれば、それを適切に訳すことで市場を広げることができるし、広告はGoogleが、利用者に応じて最適なものを提供してくれる。
要は、インターネットという全世界に開かれたツールがあり、コンテンツマッチ、アフィリエイトといった新たな広告モデルが出来ているにも関わらず、国内のコンテンツプロバイダーはあくまで日本市場を前提としたビジネスを展開しているところが多いのではないかと思う。(情報などのコンテンツに限らず、中小の製造業などでも、国内に限定して考えているところは結構多いと思う。)
永川さんのサイトは旅という多くの人が興味を持つコンテンツを提供し、世界中の人に映像を見てもらい、そこでGoogleによって最適化された広告によって収益を得ているわけだ。(映像だったら、英語よりももっとハードルが下がる。言語に頼らず誰でも見て感じることができるからだ。)旅行のチケットなどは、それなりの値段がするものだから、売れたときにはそれなりの収入が入ることだろう。世界中の人からちょっとずつ買ってもらえればそれでいい。
これまで何度か、BLOGOSやTechWaveという新しいメディアのあり方、儲け方に関しては言及してきた。(参考:ライブドアがリードする新時代のメディア戦略)それらはテクノロジーの進化により低コストで運営し、少数の運営者が十分な利益を得るビジネスの事例だが、永川さんのサイトは個人でもそれが出来ることを示している。また、市場を海外まで広げることで、ロングテールという言葉を非常に身近なものにしてくれている。(実のところ、低コストで制作・運営を行い収入をすべて自分のものにする。という意味では個人で取り組んだ方が美味しい場合が多々あるだろう。)セールスを、人ではなくインターネットに完全に任せている。
今手がけているビジネスのターゲットを、国内に限定せず、思い切って世界に広げてみたらどうなるだろう?どういう収益モデルが考えられるだろう?人をこれ以上増やさずにもっともっと稼ぐにはどうしたらいいだろう?そんなことを考えてみるのは素晴らしいことだ。
日本が発展途上国で国内に市場がなかったころは、日本のビジネスパースンは世界に出ていき、世界を顧客にして活躍していた。今は個人や少人数でそういった動きができる時代になっている。
これまでは、国内市場が十分に大きかったから、そこで闘っていけば十分だった。しかし、これからは違う。世界市場の伸びのほうが遥かに早い時代がやってくる。
(国内市場への)選択と集中も大事だが、少し発想を変え、もう一度世界に羽ばたく日本人を目指してみるのもいいのではないだろうか。
追伸:
本ブログは日本語で書かれているじゃないか!とか、お前は北陸限定のローカルな仕事をしているじゃないかというツッコミはやめてください…涙
これも、壮大な計画の一端に過ぎないんです!!ということにしておきます。。
ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
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