本日は、富山の若きアントレプレナー、@learnput氏と@nozuem氏と打ち合わせをして参りました。続けざまに2本のmtgするのって、久しぶりかもしれません。

BOPに関するレポートとか、1円起業の話とか、ミクロ経済学に関してのレポートとか、いろいろ書かなければいけないエントリが貯まっているのですが、明日以降に頑張ってアップしようと思います。

それにしても、本日のmtgでは地方での起業に関して、多くの気付きを得られました。
現在のような経済環境下では、地方での起業にはかなりメリットがありそうです。
@learnput氏も@nozuem氏も(そしてもっというと、僕もなのですが)地方で起業した人は、地方ならではのメリットを存分に享受しているようです。その主たるメリットとは下記3点です。

  1. 低コストでの起業
  2. 狭いネットワーク
  3. 競合が存在しない

1.低コストでの起業

実家があるが故の、生活コストの安さ。失敗したときのセーフティネット。地代・人件費の安さ。などが、地方での起業をかなり有利なものにしています。特に不況期の起業の際には、コストをどれだけ抑え、長くしぶとく勝負できるかが、ひとつの成功要因。これが、都市での起業だと、競合が参入する前に一気に市場を抑える必要が出てきます。


2.狭いネットワーク

限られた人脈。限られた商圏。これらは通常デメリットなのですが、逆に限定されているが故に、起業した。新しいサービスを開発した。新しい挑戦をしている。という噂は一気に広まります。次に述べる競合が存在しない。というメリットと合わせて考えると、狭いながらも一気にシェアを獲得出来る可能性もあります。また、6degreeではなく、3degreeぐらいで、県内のあらゆる人と繋がることができるのも強み。県庁のおえらさんだろうと、地方の名士だろうと、やる気のある若者であれば、出会えてしまうのが、地方起業の強みです。


3.競合が存在しない

都市は需要が大きいですが、その分同様のサービスを提供している会社が複数います。先行者メリットを既に享受している起業も存在することでしょう。しかし、地方起業であれば、競合が存在しない可能性もおおいにあります。ある意味、起業してさえしまえば、その分野はブルーオーシャンである可能性が高いのです。これも地方起業のメリットのひとつでしょう。


さて、このようにメリットの多い地方起業ですが、もちろんデメリットもあります。

地方企業のデメリットとして一般に言われているのは次のようなものです。

  • 優秀な人材の確保が困難
  • 地方物価に合わせた価格設定にせざるを得ない
  • 市場が限定的
  • 地方内で完結してしまうビジネスになりがち

というものがあります。人材の確保が困難。というのは、学生時代に都市に出て戻ってくる人材が少ないことです。これは今後の課題です。最優先で解決すべき分野かもしれません。そして、現在のような就職氷河期は、地方で優秀な人材を獲得する好機です。

物価に合わせた価格設定は、その分生産コストを安く抑えることができるので、メリットと相殺ですね。利益には違いないと思います。

市場が限定的というのは、競合がいない。というメリットと相殺できるでしょう。

最後が地方内で完結してしまうビジネスになりがち。というところですね。これはあると思います。地方で儲かっている企業はどうしても、その地方特有の成功要因を抑えているケースが多いので、地方を離れてしまうと成功できない。ということもあると思います。

しかし、これも数の問題だと思ってまして、地方での起業が増えれば、その分全国・海外へビジネス展開する企業も増えると思いますので、初期段階で案じることでもないのかな。地方で成功した起業の何割かが全国や海外でチャレンジし、チャレンジした企業のうちの何割かが成功すれば、それで十分もとが取れるのかな。とも思います。

さて、fukuiも地方での起業支援プロジェクトを本格的に進めようと思っています。近いうちに、富山ファンドを作りたいと仰っていた藤野さんにも挨拶に行かなければ。

いろいろ楽しみになってきました。
他の地方のモデルとなるような取り組みを是非、富山で実現したいと思います。