今はどちらかというと社会起業やエコはブームになっていて、本質を見失っているんじゃないか。

という意見がある。これは正しい認識だ。去年は農業、今年は社会起業(とかチェンジ・メーカーとか)はバックに電通を代表する広告代理店がついて、ビジネスとして広めようとしている動きは確かにある。

この意見に対しては、僕はブームを利用して、本物になろう。というスタンスだ。かつてのネットベンチャーブームもそうで、随分煽られたし、叩かれたけれど、そこから楽天やサイバーやDeNAや様々な「本物」のベンチャーが生まれた。それと同じだと思う。

「いろはす」が売れること自体がそんなにエコに貢献するとは思えないけれど、それがきっかけで様々な商品がエコ仕様になっていくのはいいと思う。プリウスは生産工程も考えると、到底エコとはいえないけれど、技術が向上し、生産効率が高まってくると、真にエコな車になる時代も来る。(きっとそんなに遠くない未来だ。)

農業でも、エコ関連ビジネスでも、その他社会起業の分野でも、いまそれらの分野に足りないのは人材だ。ブームを利用して、或いは広告代理店にいる優秀な人材を活用して、真に価値ある存在になってしまえばいい。


社会に貢献しない企業なんて、存在しない。

という意見がある。この意見には、半分賛成で、半分反対だ。

賛成の部分は、本来全ての企業は企業活動を通じて、市民の生活水準の向上に貢献する存在であるということ。また、市民の生活水準の向上に貢献し続けてきた企業が成長し、大企業になるということ。これは変えられない事実だ。だからこそ、本来全ての企業は社会企業と言える。

一方で、総合的に見て社会に貢献していない企業も存在すると思っている。そういう企業は短期的にしか存在できないし、規模は小さくなりがちだ。しかし、社会の淘汰を受けるまでタイムラグがあったり、見過ごされたりするので、確かに存在する。例えば違法行為を行っている企業などがそれにあたる。

脱税をしたり、粉飾決算をしたり、人を騙して商品をうる商売であったり。
それらは低度の差こそあれ、顧客や中で働いている人、すなわち市民の人生に悪影響を及ぼすと思う。


社会に与えるインパクトや、持続性を考えて企業ほど、社会に貢献する存在はないと思う。だから社会起業という言葉を声高に使うと反感を買ってしまうかもしれない。しかし、要はしたたかにその言葉を利用すればいいのだ。そして本物になればいい。