Summary
  1. 何が成功するか、何が失敗するか自分でもわからないことが多い。
  2. 故に、試行を繰り返し、予期せぬ成功や失敗を活かすことがクリエィティビティやイノベーションを生み出す力を高める近道
  3. 毎日ブログを書くという作業は、そのトレーニングに利用出来る。
  4. 毎日ブログを書くために意識すべきことは4つある。

最近、あるサイトのことが気になっています。

開設(超人気エントリを書いた方の次回予告)


はてブで4000以上のブックマークがされている超人気エントリ(2010年1月13日時点)を書いた方の次回エントリ予告です。元エントリは、ご覧頂ければわかるとおり、英語力を高めるためのノウハウがぎっしり詰まっている優良エントリです。

しかし、気になる点があります。次に、勉強を続ける方法・やる気について書く。ということを宣言しておられるのですが、随分更新が止まっています。

程度の差こそあれ、似たような経験(次回作品の予告をしたものの、進まず)をされた方も多いのではないでしょうか。恥ずかしながら、僕も同じような経験をしたことがあります。大事な原稿の締切に間に合わず、編集の方に迷惑をかけてしまいました。面白い記事を書かなければ。というプレッシャーが仇となってしまったのです。

こういった、成功がプレッシャーとなり、新しい成功が生み出せなくなる。という現象は、映画でも、音楽でも、商品開発でも、新事業開発でも、クリエィティビティやイノベーションが必要とされる取り組みではどこでも目にする光景です。

「手軽に磨ける創造力」「気軽に起こせるイノベーション」そんなものがないことぐらい、分別のついた大人であれば誰でもわかります。しかし、現代のビジネスは、働く個人ひとりひとりにクリエィティビティやイノベーションを期待するようになっています。

しかし、ほぼ毎日ブログを投稿するようになって、僕はブログを書くという行為そのものが、クリエィティビティやイノベーションを高める力があると感じるようになりました。

せっかくですので、クリエィティビティやイノベーションを生み出す力を磨きたいという人のために、僕が編み出したやり方をお伝えしたいと思います。
■毎日ブログを更新する

かつては、人気エントリを書こうというプレッシャーのあまり、原稿を落としてしまったこともある私ですが、今年に入ってからは毎日エントリをポストしています。新年に誓ったことは1月15日まで続けることができれば1年続くといいますから、あと2日更新を続けることができれば、一年続けることができるのではないかと淡い期待をしています。

ブログを毎日書こうと思ったのは下記の記事がきっかけでした。

経済学101:どうやって毎日ブログを更新するか

何気ないエントリですが、僕はガツンとやられました。「目的意識を持て!」という、大変ごもっともな意見が書かれています。僕は文章を書くことで生計を立てているので、僕という存在をインターネットを通じて、認知してもらうこと・文章の特徴を知ってもらうこと・仕事をもらうこと、というのは大変メリットがあります。

そのメリットを享受するために、エントリを毎日書くぞ!と心に誓ったわけです。

例えば、新規事業開発・新商品開発を仕事としている人であれば、そのネタを探したり元となるアイディアをまとめたりするのにブログを活用すればいいのだし、就活生であれば、自分自身の専門や思考の深さを伝えるために、ブログを書けばいいのです。自分に大きなメリットのあることをブログを書く目的にすれば、結構続けられるのではないかと思います。

その上で、毎日エントリを書いていて、わかってきたことがあります。それは、何がウケるかわからない。ただし、ウケない記事にも価値がある。ということです。


■予期せぬ成功と失敗を利用する

P.F.ドラッカーはその著書、イノベーションと起業家精神の中で、イノベーションを起こすには、7つの機会を利用すればよい。と書いています。その7つの機会の中で、最も信頼性と確実性が高い方法とされているのが、予期せぬ成功と失敗を利用する。という方法です。ドラッカーは次のように述べています。
企業側が予測もしていなかったような成功が生じるときがある。この成功に気付き(こういった成功には気付きにくい)、素直に認め(こういった成功は腹が立つ)、成功の背景にあるものを捉えることができれば、「予期せぬ成功」は最もリスクが小さく、最も成果が大きいイノベーションの機会となる。

失敗の多くは、計画・実施の段階での過失、愚鈍などである場合が多い。しかし、慎重に計画し、実行し、それでも失敗したものは、それ自体が変化とともに機会の存在を教えることが多い。

この言葉をブログに当てはめて考えてみると、毎日ブログを書くってことは、毎日商品を生み出して、その成果を第三者に問いただしていることじゃない?と思い至ったわけです。

毎日商品を開発し、市場に意見を聞いているわけですから、これは強い。長くヒットしているミュージシャンや画家を見ても、すべての作品が優れているわけではないと思います。傑作もあれば、普通の作品もある。少数の作品しか残さなかった天才もいることはいますが、多くの芸術家は多作です。

そして、いくつかスゴいヒットを残せば、あるいは歴史の転換点となるようなイノベーションをひとつ起こせば、その芸術家はもう伝説になり、その他の作品の価値も急上昇するのです。

毎日ブログを書くということは、この行為に似ていると思います。傑作エントリもあれば、普通のエントリもある。それを毎日市場に問うているわけですが、毎日更新があるので、定期的に見に来てくれるひとも増える。いくつかヒットがあれば、それがきっかけとなって他のエントリも見てもらえる。これって、新規事業開発や新商品開発にも当てはまることだな。と思ったわけです。


■毎日ブログを更新するためにやるべき4つのこと

とはいってもブログを毎日更新するなんて、なかなか続けられないのが人間です。続けようと思ったときには次の4つのことを意識しなければなりません。

  1. ブログを書く目的をはっきりさせること(お金、能力開発、仕事etc...)
  2. ブログを書くにあたっての自分の武器を自覚すること
  3. 最初にブログを書く時間を確保し、それ以上仕事を入れないこと
  4. 毎日テーマを探しながら生きること

この4つです。

1.目的をはっきりさせる

お金でも能力開発でも、仕事でも、就職でも、ブログを書くことで得たいものをまず、はっきりさせるべきと思います。そうでないと続かないと思います。ブログと言うのは、他の多くのもの同様、書き続けることで得られるメリットはアヒル曲線を描くと考えられます。

アヒル曲線に関して、トップコンサルタントの三谷宏治さんの記事から引用したいと思います。
この世の中で、インプット(資源投入)とアウトプット(成果)の関係が直線状であることは、まずない。勉強時間を増やしただけ成績が上がるなら誰も苦労しない。訪問回数を積み上げればモノが売れるなら営業も簡単だ。世の中そう甘くはない。
大抵、そういったインプットとアウトプットの関係は「S字状」になる。立ち上がりはゆっくりと。そして急激に伸びを見せ、最後は飽和してなかなか上がらなくなる。
多くの人がそこまでは分かっている。だから最初は我慢しよう、って思う。しばらくは成果が出なくてもしょうがないと、資源投入を続ける(実際には、我慢仕切れないヒトも多いが・・・)。
でも、もう一つの真実がある。それが詰めの重要さだ。最後の一押しでアウトプットは格段に良くなる。逆に、最後の一押しがなければ、本当の成果は上がらない。
と、いうわけで、せっかく書くなら、毎日書いたほうがメリットを享受できる。細部にこだわれば思った以上の成果も得られる。そんな風に思うのです。


2.自分の武器を自覚する

僕の興味・関心は、人や組織の問題にあります。ちょっとした例え話や経営用語を使って説明するのが好きです。これが強みでやっていて楽しいです。だから、エントリもこれに絡ませて書こうと思っています。誰もが強みを持ていると思います。学生であることとか、特定の学問を学んでいることとか、特定の仕事をしていることとか。それを自分の武器として認識するといいのだろうと思います。


3.最初にブログを書く時間を確保し、それ以上仕事を入れない

僕の大きな発見がコレです。自分にとって強烈なメリットのある作業だからこそ、多少の仕事は削ってもブログを書く。こういう発想になったのがいいことでした。毎日朝の1.5時間(それがダメなら、夜の1.5時間)をブログの執筆に当てるようになりました。よく、オフを楽しむ方法として、1年間のオフのスケジュールを最初に組んでしまう。というライフハックが知られていますが、それと同じで、ブログを書く時間が重要なものであるなら、その時間を最初に確保してしまえばいいと思うのです。


4.毎日テーマを探しながら生きる

何か書かなきゃいけない。と思うと、歩いていても、お風呂に入っていても、常に問題意識が頭の片隅にちらつきます。意識して本を読むようにもなります。これって大事なことなんじゃないかと思うのです。自分の仕事や強みと、日常を組み合わせて考える。これが毎日ブログを書くにあたって大事なことなのかな。と。


■まとめ

・何が成功するか、何が失敗するか自分でもわからないことが多い。
・だから、試行を繰り返し、予期せぬ成功や失敗を活かすことがクリエィティビティやイノベーションを磨く近道
・毎日ブログを書くという作業は、そのトレーニングに利用出来る。
・毎日ブログを書くために意識すべきことは4つある。

以上です。これから組織の看板ではなく、個人の看板で仕事をする人も増えることと思います。また、どういう分野でも、新しい価値を生み出すクリエィティビティやイノベーションの重要性は日々高まっています。そのためにすぐに出来ることとして、目的意識をもってブログをはじめてみるというのはいかがでしょうか。

結構面白いと思います。


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