fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

2010年03月

31

どのような会社に入るべきか/どのような事業を興すべきか

どのような会社に入ればいいのでしょう?
どのような事業を興したらいいのでしょう?


多くの方からこのような質問を頂きます。ぶっちゃけ、自分の人生だから自分の好きなように選べばいいのですが、自己分析にはたっぷり取り組むにも関わらず、ビジネスモデルに関して十分な研究や理解をしないまま入る人がまだまだ多いなと感じます。

特に新卒で会社に入る人などは、「社風が好きだから」「商品やサービスが好きだから」といった理由で会社を選んだりします。別にそれでもいいのだけれど、そうやって仕事を選んだ結果、疲弊し心が病んでいく人を何人も見てきたようにも思います。

仕事には、「働けば働くほど、楽になる仕事」と「働けば働くほど辛くなる仕事」の2種類があると思います。そして、後者の「働けば働くほど辛くなる仕事」を知らず知らずの間に選んでしまっている人が多い。これが不幸の一つの原因だと思うのです。

そこで、図を用いてどんなタイプの仕事があるか見てみたいと思います。
あれこれ考えたのですが「金持ち父さん、貧乏父さん」で紹介されていた例えが一番わかり易いと感じたので、それをアレンジして紹介します。


■労働集約型のビジネス


chart1


ここで紹介するのはやる気のある青年の話。村には井戸がなく、数キロ離れた川から水を汲んでくるしかありません。青年は毎日バケツをもって川へ行き、水を汲んでは村に届けます。そうして青年は毎日10,000円の収入を得ています。これは労働をお金に変える、もっとも基本的なビジネスです。

労働集約型というと、ここで紹介した「バケツで水を汲む」ような肉体労働をイメージしますが、「弁護士」や「建築士」といった士業も、教師や経営コンサルタントと言われる職業も、労働時間に応じてお金をもらっている限りはこのビジネスモデルを踏襲しています。(だから、コンサルタントは時に知的ブルーカラーと言われたり、派遣労働と言われたりするのです。時間に応じてお金をもらっている限り、このビジネスモデルですね。)

chart2


こういった、労働をお金に変えている人が「もっと稼ごう」と思ったときはバケツを増やします。ようは一度に受ける仕事を増やすのです。一度に二つ、三つの案件をこなし、収入を増やします。実際には一度に二つの仕事を受けるとその分重くなりますし、疲労します。

残業を重ねてノルマを達成している営業担当者や、システムエンジニア、世の多くのビジネスパースンたちは知らず知らずの間にこのような働けば働くほど辛くなる状態に陥っている場合も少なくないのではないでしょうか。

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30

役に立たない「営業本」が店頭に並ぶのにはもう飽き飽きなのです。 その2

昨日のエントリには思ったより反応を頂いて、若干プレッシャーを受けています。
僕がこれまで読んだセールスの本の中から、大変役にたったものをエピソードを交えて紹介したいと思います。

■僕の性格・資質


前回のエントリでは、性格・資質を知ることが重要と書きました。故に今回紹介する本も、僕の性格・資質だからこそ役に立った本とも言えます。僕の性格・資質とは、

  • 決して論理的ではないけれど、論理的であることは好きだし、求められたし、磨いた。
  • 顧客にどういうメリットを提供することが出来るかということを、自分で考えるのは好き。
  • 初対面で抜群の好印象を与えることが出来るタイプではない。どちらかというと、生意気そうに見られるし、可愛げがないタイプ
  • 営業は確率ということはわかっていても100本電話して1本アポが取れるテレマを延々できるほど、精神的にタフではない。
  • 自分が惚れ込んでいない商品はオススメするのが悪い気がして、セールス出来ない。

こんな感じの性格・資質です。一言でいうと、営業担当というよりも、エンジニアやコンサルタントに多いタイプなのではないかと思います。

ちなみにですが、僕が最初に入った会社では、1ヶ月半ほど営業研修なるものがあるのですが、最初こそ真面目に取り組んでいたものの、後半に入ってからは街に出て時間をつぶすだけの毎日を送っていました。もちろん営業成績は最下位です。


■SPIN式販売戦略という伝説


さて、そんな僕を開眼させてくれたのが、このSPIN 式販売戦略という本です。残念ながら絶版となっており、再販が願われているのですが、現在は中古でプレミアがついて3000円程度で販売しています。

この本に書いてあるセールス手法は本当に合理的で、僕のように口下手で、生意気そうで、小賢しそうな、いわゆる「可愛げのない」セールスパースンには本当に素晴らしい本だと思います。

ただし、いくつか欠点もあるのでご注意ください。

  • 発掘手法については書かれていません。
  • 大型商談(書籍の中で、100万以上と仮に定義されています。)にしか使えません。
  • リピートオーダーを得る方法については書かれていません。
  • それなりに競争力のある商品(なり企画)を持ってないと使えません。

SPIN式販売戦略―売り上げが驚くほど伸びるSPIN式販売戦略―売り上げが驚くほど伸びる
著者:ニール ラッカム
販売元:ダイヤモンド社
発売日:1995-06
おすすめ度:5.0
クチコミを見る


故に大型の産業機器や企画提案を中心とする仕事をされている方にオススメする本です。発掘に関してはマーケティング系の本を読んでいただくしかありません。(これも良書が少ないのがネックですが、セールスよりははるかに科学されているものが多いと思います。)

いくつか、この本を通じて体感した伝説的なエピソードを紹介したいと思います。

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29

役に立たない「営業本」が店頭に並ぶのにはもう飽き飽きなのです。

僕は学生時代に「将来起業するつもりなら、営業できなきゃダメだよ。販売なくして事業なし。」という言葉を耳にして以来、営業能力を磨くことに取り組んできたつもりです。でも正直言って、(他の多くのセンス同様)僕には営業のセンスはそんなになかったように思います。

顧客の前に出て、気を使うこともできなければ、ほとばしるような熱意を示すこともできない。実力もないくせにプライドだけは一人前だし、なんというか可愛げがない。

とはいえ、営業できないと将来食いっぱぐれるという恐怖感みたいなものがあって、必死に営業の勉強にも取り組んだわけです。おそらく、営業に関する本は100冊近く読んだんじゃないかな。随分時間をかけました。そして、そんな今だからこそ言えることがひとつあるとすれば、

役にたたない営業の本が多すぎる

ということです。もちろん、どんな本でも全ての人にとって役立たないということはないと思います。しかし、店頭に並んでいる多くの営業本は次の3点のいずれか(あるいは全て)を弱点として持っています。

   1.  自分の成功体験について語るのみで、論理や数字の裏付けがない。
   2. 特定のパーソナリティを持っている(みにつけられる)ことを前提に書かれている。
   3. 営業には様々なパターンがあるのに、最初にその事実に触れていない。



1に関しては説明するまでもないでしょう。気合と根性、感動系の話です。起業家の成功談と同じで、文脈から大切なことを読み取ればいいのですが、著名な起業家であればともかく、No.1セールスパーソンなんて、毎年毎年、何万人と生まれているのです。(リクルートグループだけで毎年100人は誕生していることでしょう。)そういう人たちが出している本を買っても、文脈から自分なりの法則を導き出せる必要がある人であればいいのですが、要約すると、努力と根性と出会いです。になりがちで、何冊も買う必要はないのではないかと思います。

2に関しては、人格改造や容姿・笑顔の改造が容易に出来る人であればいいのですが、僕はどうにも苦手でした。笑えば作り笑いっぽくなるし、ちょっとした気遣いなどもなかなか出来ないし、気の利いた冗談も言えない。まぁ、出来る人であればいいのですが、僕のフィールドではない。という印象を持ちました。

最後は、特定の商材・セールスプロセスを前提に書かれている営業本が多いことが問題です。

Sales

営業はもの凄く大きくわけても、顧客と出会う発掘のプロセス。対面で商談するプロセス、一度顧客になった人に対して継続的にモノを販売するプロセスと最低3段階に分かれるのです。しかも、発掘の仕方もプル型(引き合い中心)とプッシュ型(売り込み中心)で大きくスタイルは違いますし、Salesも100万円以下の商品が中心の小型商談か、それ以上の大型商談かによって違います。

最後はリピートオーダーを受け取る場面で、毎月利用料がかかる携帯電話のようにリピートを得る際の営業コストがほとんどゼロでいいものもあれば、百科事典や使えない情報商材のようにリピートオーダーを得ることがほぼ不可能な商材もあります。

ここらへん、わけて語るべきなのに、特定の経験をベースに全部一緒くたにして語っている営業本が多い。だからこそ科学もされないし、営業に関する本を読んでいるけどいつまでたっても、営業の能力を伸ばせない。という人が多いのです。

さて、もうひとつ、役に立たない営業本が多いことの弊害を述べましょう。続きを読む »
28

新興国でのビジネスを成功させるために必要なソフトスキル

昨日、ずっとお会いしたいと思っていた、徐(@cloudgrabber)さんとお会いしてきました。Twitter上ではいつも、すごく大人な発言をされている方で、尊敬していたのでどんな紳士が来るのだろうと思っていたら、いらっしゃったのは、韓流スターと見紛うようなイケメン。ツイートで年齢を想像してはいけないなあ。と感じた一日でした。

徐さんは赤十字やユネスコといった国際機関で働かれたあと、現在はベンチャー企業で役員なども努めつつ、戦略コンサルタントとして活躍されています。個人的にはアフリカでベンチャーキャピタリストとして活躍されていた頃の話を伺うのを楽しみにしておりました。

徐さんに伺った話でもっとも印象に残ったのが、missing middleの話。BOP市場と言われる新興国では、グラミン銀行やKIVAなどに代表されるマイクロファイナンスのインフラは徐々に整いつつあり、また、一方で政府などを通じての開発援助もかなりの額のお金が動くといいます。しかし一方で、産業の中核となるような中小企業の育成に関してはまだまだ十分なインフラが整っていない。これが、missing middle の問題です。

そこで、この missing middle の問題の解決のヒントになりそうだと僕自身が感じたのが、アフリカで活躍している中小企業の社長のお話。

その方は、日本のある中小繊維メーカーの社長さんなのですが、ウガンダ(ルワンダだったかも)で最も有名な日本人の一人で、地域への貢献(ビジネスも、それ以外も)を通じて、非常に尊敬を集めているとのことでした。

ウガンダ(ルワンダ?)は新興国として猛烈に成長は続けているものの、まだまだ経営に関してのノウハウや考え方に関しては洗練されていない部分も多く、意欲のある経営者がアフリカ に行くと、その技術や経営の知識が役立つことがおおいにあるとのことなのです。そしてそれは、縮小する市場で苦しんでいる日本の中小企業の再成長の一助にもなるのではないかと思います。(半分は、そうあって欲しいという願望でありますけれど)

実際に、中小・ベンチャー企業の社長さんの中で、新興国と言われる国々と積極的に仕事をされている方がどんどん増えてきているような気はしています。現在は、労働力に関してコスト競争力があるという面が今は大きいのだと思いますが、業種によって市場としての魅力も高まってきているように思います。


BOP市場で活躍する人と組織の研究をしていると、必ず出てくるのがソフトスキルの重要性なのですが、このソフトスキルに関しても、中小・ベンチャー企業の経営者として、リスクを負いつつタフなビジネス経験をされている方のほうが、身につけやすいような気がします。
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27

ハイパーロングテールコンテンツ

Chris Andersonが2004年に提唱したビジネス・コンセプトがロングテールだ。
梅田望夫氏がウェブ進化論で取り上げたこともあり、広く人口に膾炙されている概念ではないかと思う。

しかし、本当にこれを理解し、ビジネスに利用している人がどれだけいるのだろうか。
なんとなく、「自分には関係の無いこと」「コンサルタントのマーケティング用語のひとつ」ととらえている人も多いのではないかと思う。

かくいう僕もそう考えている人間の一人だったのだけれど、最近すごく面白いな。と感じるビジネス事例があったので、紹介したい。

それは、Twitterでフォローさせて頂いている永川優樹( @egawauemon )さんのツイートと、運営されているサイトを見て学ばせてもらったことだ。稚拙なものになってしまうかもしれないが、僕なりの分析をちょっと紹介させて頂こう。

永川さんの運営サイトは下記。次のような素敵な国内外の画像を多数アップロードされている。

WORLD - CRUISE



これがハイパーロングテールコンテンツだ。(ただし、永川さんの言葉を借りれば、このサイトは壮大な戦略のほんの一端に過ぎないとのこと。それでもかなりの収益を実現されているようだけれど。)

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26

ビジネスとしてのデザイン

テツタロウデザインの中林鉄太郎さん(@designer_tetsu)と、天王洲アイルのTYハーバーでランチmtgをしてきました。といっても、インダストリアルデザインに対して無知な私は一方的に教えてもらってばかりでしたがw 事務所のパンプレット頂くまで気付かなかったのですが、日大芸術学部で講師もされていらっしゃるようで、貴重なレクチャーを受けることが出来た僕は幸せものです。

TY

TYハーバー / 倉庫を改修して収益源に変えた例。これもデザインの力。

TYハーバーは運河に面した倉庫を改造したレストランで、そういえば寺田倉庫の二代目がしかけたスポットとして何度かセレブ番組で見たことがありましたが、とてもお洒落な空間でした。2008年までは中林さんもこちらにオフィスを構えられていたとのこと。

それはともかく、インダストリアルデザインの話。
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25

9割の人は「成長市場で勝負をする」と答えるのだが。

「成長市場」と「衰退市場」、どちらでビジネスにチャレンジする?

そういった問いをすると、9割の人は「成長市場で勝負をする。」と答えると思う。しかし、実際には知らず知らずのうちに「衰退市場」で勝負してしまっている人も多いと思う。

過去のエントリ( 就職せずに起業して、成功するために必要なこと )でも述べたけれど、ビジネスを成功させる上で「成長市場」で勝負すると言うことは非常に重要な要素の一つだ。「わかっているが、出来ていない」という人は次のような事態に陥っている可能性が高い。(もちろん、衰退市場で勝つための戦略もあるが、成長市場で勝負するより遥かに難しい戦略なので、今回は考えないことにする。また、衰退市場を復活させたケースは多くの場合、市場を定義し直した場合が多い。ことにも注意する必要がある。)

  1. 自社のコア・ビジネスに選択と集中をしようとしている。
  2. 過去の成功体験に囚われている。
  3. 与えられた裁量や資源を前提として考えてしまっている。

そんなところだろうか。いってみればこれらはすべて「外部環境の変化ではなく、内部環境に最初に目を向けてしまっている。」ことから生じる問題だ。
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24

ツイ飲みしてきました。

佐藤さん( @j_sato )に大変不愉快なネーミング( =インテリ合コン )をされ、おそらく過去最高のリツイートをされたツイッター飲みですが、大変楽しいひとときを過ごして参りました。(ちなみに合コンではありませんが、素敵な女性が参加されていたのは事実です。やはり書を捨て街に出てみるものです。)

3月、4月は変化の時期ですが、今まさに起業中の方、春からベンチャー企業で働く方、政府系金融機関に行かれる方、留学される方、そして就活中の方と、半年後に飲んだらまた全然違う状況になっていそうで楽しみです。(会社を辞めていたり、起業が成功してウハウハ状態になっている人とかいるんじゃないかな。)

今回の東京滞在では、以前から会いたかった人との予定をたくさん入れました。

オンライン上で聞けない話もいろいろ聞きたいと思いますし、小説や仕事のネタをいろいろ仕入れてこようと思います。

1日3アポ状態で、毎日飲み会や仕事の打ち合わせが入っておりますが、思う存分楽しもうと思います。
23

猪突猛進な僕が「仕組み」に目覚めた、ある思考法

以前務めていた会社で、僕は非常に多くのことを学んだわけですが、その会社で行われた研修の中で、最も印象に残っているのは「システム思考」に関する研修です。

その研修を学ぶまでの僕は、どちらかというと猪突猛進型のビジネスマンで、気合と根性、そしてリーダーシップがあれば何とかなる。という現場の指揮官でした。そう、誰もが一度は見たことがある、悪い人じゃないんだけれど、迷惑な上司。という感じの人物だったんではなかろうかと思っています。

※自己弁護しておくと、こういうタイプは意外と現場では強かったりするわけです。それなりに成果も残したりするわけです。気合と根性が状況を打開する場面というのは確実に存在します。しかし、部下にも犠牲を強いるので、使いどころが難しい人物かもしれませんね。

さて、そんな僕が仕組みの重要性に本格的に目覚めたのは、このシステム思考の研修を受けてからなのではないかと思います。もっとも、仕組みの重要性を知らなかったかというと、そんな事はなくて、常日頃から、「仕組みをつくれ」「良循環構造をつくれ」「勝ちパターンが重要だ」と周囲に言いまくっていたわけですけど、具体的な方法論に落とせていなかった。

だから、口だけで終わっていたのです。
そんな恥ずかしい口だけ男だった僕を、一人前の男にしてくれたメソッドが、このシステム思考だったのです。

システム思考とは何かというと、要素と要素を因果で結び、ひとつの図に構造化する技術と、僕はとらえています。(かなりバクッとした解釈ですが、これぐらいでいいんじゃないかと思います。)


■システム思考を用いた構造化の技術

システム思考には、いくつかの簡単なルールがあります。

WS000001

  1. 要素には名詞を用い、まるで囲む(できるだけネガティブでないワードを用いる)
  2. 要素と要素を矢印でつなげる(正の影響は通常の矢印。負の場合は「-(マイナス)」をつける)

以上で終わりです。
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22

人は時に自分の本当の幸せを見失う


日本を案じるような論調がメディアを席巻しているけれど、本当に日本って暗いニュースばかりなんだろうか。
もし、あまり幸せを感じることが出来ていないとしたら二つぐらい理由があるんじゃないかと思う。


一つは、日本が十分豊かになってしまったこと。お金がまったくないときに宝くじで100万円を手に入れることが出来たら、びっくりするぐらい嬉しいだろう。一方で、10億円の資産を持ち、黙っていても毎年1億円ずつ増えていく富豪の人が100万円を手に入れても、嬉しさはお金がまったくない人よりも少ないことだろう。

幸せとは絶対的なものではなくて、自分がおかれている状況によって変化する、相対的なものなのだろうと思う。経済学的にいえば、限界効用逓減の法則というのかな。


もう一つは人は手段と目的を人は時に混同してしまうということ。例えば、金融の世界に身を置いたとする。金融の世界に身を置いたのは、高い収入を得たいからで、高い収入の先には幸せという本当のゴールがあると考えていたからそのキャリアを選んだのだろう。

しかし、そういう風にしてキャリア選択をした人の中には、いつの間にかお金を稼ぐことがゴールになってしまう人がいる。これは、手段と目的を混同してしまった例だ。

金融を引き合いに出したけれど、こういった混同はそこかしこで起きている。自分や家族を幸せにするために必死に働いたのに、いつの間にか働くことがゴールになってしまっている。何か成し遂げたいことがあって起業したのに、いつしか存続させることがゴールになってしまっている。

これも手段と目的を混同してしまった例といえるかもしれない。

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厳しい環境に直面している国や民族のことを考えたときに、真っ先に思い浮かぶのはユダヤ人のことだ。国を持たずさまよえる民族となったユダヤ人は生き残るために、その知性を磨いた。他人が嫌がる金融という仕事に積極的につき(というか、それぐらいしか許される仕事がなかったからだ。)その力を磨き続けた。

災害が起こった時に、ひとつだけ持ち出せるとしたら、持ち出すものは「教育」(ユダヤ人のことわざ)

という言葉を生み出すまでになった。

氏族で固まり、有望な若者には投資するコミュニティを作り、新たな産業を育成した。

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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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