fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

2009年12月

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Twitterを活用した採用活動、就職活動

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都市を離れ、地方で働くことのメリット


アゴラ : 人口の都市集中が必要だ - 池田信夫

人口の都市集中が必要だ という意見がある。
地方にはロクな仕事がなく、バラマキをしても生産性が低いので、余計な補助金を減らして、生産性の高い都市へ労働供給せよ。という意見だ。
これはもっともな意見だが、僕自身はこれらの意見とは逆行して、1年半以上前から実家のある富山に帰ってきて仕事をしている。生まれ育った土地を愛する気持ちももちろんあるけれど、富山で生活することに十分なメリットを感じたからだ。人によっては、都会を離れ地方で暮らしたほうが居心地よく生活出来る人も多いのではないかと思う。その点に関して少し僕の見解を述べたい。

地方での生活を困難にしている要因は主に次の4点と考えられる。
  1. 仕事の問題
  2. 友人の問題
  3. 娯楽の問題
  4. 教育の問題
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知能を幅広く捉える

つい先日、Twitterで「賢い人ってどういう人?」みたいな議論があった。
議論が面白かったので、僕もちょっと書いてみようと思う。

立て続けに同じ本( 教育×破壊的イノベーション )からの引用で恐縮だが、ハーバード大学の心理学者ハワード・ガードナー氏が提唱されている、多元的知能理論に関して紹介する。ガードナーは「IQ」や「EQ」と呼ばれる狭い範囲の知能の定義を超え知能には8つのタイプがあるということを提唱した。かっこ内はその能力に優れた代表的人物だ。

  1. 言語的知能(ウォルト・ホイットマン)
  2. 論理・数学的知能(アルバート・アインシュタイン)
  3. 空間的知能(フランク・ロイド・ライト)
  4. 運動感覚的知能(マイケル・ジョーダン)
  5. 音楽的知能(ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト)
  6. 対人的知能(マザー・テレサ)
  7. 内省的知能(ジークムント・フロイト)
  8. 博物学的知能(レイチェル・カールソン)

8パターンすべての知能を兼ね備えている人は少なく、多くの人は2~3の秀でた知能を持っている。と、書籍では述べられている。例として、アルファベットの暗記が出来なかった少女が体を使ってアルファベットを表現することで、言語的知能の発達を促し、その分野に関しての知能を開放した様が描かれている。
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日本で理系離れが起きている本当のワケ


学生の理系離れは随分前から言われていたように思うけれど、生活習慣や初等教育の変化(ゆとり教育の導入)の視点から論じられることが多く、僕自身はずっと物足りなさを感じていた。クリステンセン氏の著書「教育×破壊的イノベーション」では、先進国で理系離れが何故生じるか。ということを、簡潔に説明しているので紹介したい。

人事や採用に関わっていらっしゃる方は是非ご一読ください。

日本企業が1970年代と80年代にアメリカの競合企業を追い抜いていた理由として決まって挙げられたのが、日本の人口はアメリカの四割でしかないのに、数学・科学・工学を学ぶ生徒がアメリカの四倍もいるという説だった。

しかし日本が繁栄を遂げると興味深いことが起こった。理工系志望の学生や、理工系の学位を取得する学生の割合が、この20年にわたって低下しているのだ。何故、こんなことが起こっているのだろうか?

~中略~

途上国が製造業を基盤とする経済を発展させるとき、生徒は科学・数学・工学を学ぶことで、貧困からの脱出を保障する大きな見返りを得ることができる。だが同じ国が安定と繁栄を実現すれば、生徒は自分が楽しいと感じ、自発的動機づけの持てる科目を、より自由に学べるようになる。

そんなことから、奇妙な話だが、自発的動機づけをもてるような方法で教えられていない科目にとって、繁栄は敵になることがある。これが技術的優位がまず日本に移り、続いて中国とインドに移っている主な理由なのだ。

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雑文:僕たちは現代の神話の中に生きているのかもしれない


昨日、雇用の流動化に関するエントリを書いていて、17世紀の詩人ミルトンの「失楽園」を思い出した。

神話の中で、神に反逆するものは悪魔として忌み嫌われ、罰せられる存在になるけれど、ある宗教の中で神の敵として虐げられた存在を見てみると、もともとは他の文明で神々として敬われていたケースもある。

たとえば、ベルゼブブはカナン地区の土着の神、嵐と慈雨の神バアルを貶めた表現だし、アスタロトもシュメール文明の豊穣の女神イシュタルが語源とされる。サタンも、もとは神の傍らにありて仕える最上級の天使ルシファーだと言われる。

ある宗教の神は、多神教の元では同じく神として崇められ続けることもあるけれど、一神教の元では人心を惑わす悪魔として貶められる。力が強く、戦争で勝った国が負けた国で信じられている神々を悪魔とする。

宗教は政治にも利用される。多民族国家であり、様々な宗教を吸収してきたローマの多神教のもとでは、キリスト教は迫害され続けた。キリスト教のもとでは、神は一人だからだ。しかし、キリスト教の勢力が増えるにつれ、その存在を無視できなくなったローマは、キリスト教をついに国教に定める。そして、反対派をなだめるために、当時軍人を中心に大きな信仰を獲得していたミトラス教の祝日、12月25日ををイエスキリストの誕生日とし、キリスト教の取り込みにかかる。いったん、国教に定められたキリスト教は、それ以外の信仰を異端として弾圧し、他の神々は廃れていったけれど。続きを読む »
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データで見る正規雇用・非正規雇用の問題 その2

昨日に引き続き「雇用流動化」について考えてみる。
僕は「雇用の流動化」は必須と考えていて、もはや疑念の余地もない。

ただ、ネット上には「雇用の流動化」に対する多数の反対意見が述べられている。本エントリでは、
  • これらの意見が何故でてくるのか。
  • 何故、これら個々の問題を「雇用の流動化」と一緒に考えてはいけないのか
を、考えてみることとしたい。

「雇用の流動化」というと必ず出てくる反対意見がある。
大きく分類すると下記の4点だ。

1)需要喚起が先である(≒雇用を守れ)という意見
    論拠a)非正規雇用が増えている
    論拠b)長期雇用が成長率を促進する

2)格差拡大の問題
    論拠a)OECDの貧困率調査など
    論拠b)利益が出ても、労働分配率は高まらない(行き過ぎた資本主義)

3)労働者の権利保護の視点
    論拠)不当解雇の問題(派遣切り/セクハラ/パワハラ)

さて、これらの主張の論拠が何故「雇用の流動化」に対する反論として適切でないか、僕の見解を述べてみたい。

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データで見る正規雇用・非正規雇用の問題 その1

先日、東京での仕事を終え、富山に戻る新幹線の中で、余りにも時間に余裕があったので、「今日、派遣をクビになった」という本を読んだ。コンビニにおいてある擦り方の粗い本で、よくある「派遣批判本」かと思ったのだけれど、結構中立的な立場で書かれたインタビューレポートで参考になった。
僕自身も、10年近く「人と組織」をテーマに仕事をしてきた経験から、自分の意見を少しまとめて見ようと思う。

さて、よくある話として「小泉・竹中路線」が格差を拡大させた。という意見がある。「格差拡大」の根拠として、派遣切りにあった人たちのドキュメンタリーが流されたり、ワーキングプアの話を持ち出したりする。最近見かけるのは、OECDの貧困率を持ち出して、格差の拡大を指摘する話だ。続きを読む »
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習作)140文字の物語3編

習作…。と言えるかどうかもアヤシイのですが、最近面白く読ませて頂いていた、Twitter小説を僕も書こうと思って書いてみました。

ある国の科学者が思い出の瞬間を再現できる機械を創り出した。人々は思い出を体験するためのカプセルに入り浸り、ついにはそこで生活するようになる。進歩は止まり、退化がはじまった。思い出のない人間だけが取り残され、荒廃の中で国はようやく新たな産声をあげる。

失業による自殺者の増加を憂慮した政府は、仕事と人材を完全にマッチングさせるソフトを開発した。求職者が勤めることが出来る会社で最も待遇のいい仕事を自動紹介するサービスだ。導入するや否や失業者は減ったが自殺者は以前にも増して増え続けた。国民は自分の価値をしったのだ。

勇者は暗黒の軍と絶望的な戦いを繰り広げ、ついに魔王を打ち倒す。魔王の手から麗しの姫を取り戻し、勇者は叫ぶ。「60億の人類よりも、僕は君一人を選ぶ!」「その発言は論理的にも、倫理的にも間違っているわ。」姫は答え、恋の魔法は覚める。こうして新たな魔王の脅威は去った。

書いてみて思ったけど、小説とは別物だなぁ。文字制限がある分、俳句や短歌に似ているかもしれない。でも、これはこれで面白い。プラットフォームが制限されるからこそ面白くなるものってあるんだな。それと、やっぱり起承転結があったほうがまとまるので、ストーリーを創る訓練になります。

しかし、少々現実逃避してしまった感もあり、もしかしたら年末まで仕上げられるかもしれない。と思い始めた作品の執筆はまったくはかどらず。

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結局のところ一人一人が強くなるしかない

僕は「人」「組織」という切り口で10年ばかり仕事をしてきたんだけれども、だからこそ、

政治にしても経済にしても、一人一人が考え、判断できるように強くならなければ、どれだけ良い指導者が生まれてもムダだろう。

と、どうしても考えてしまう。だからこそ、ネットで政治や経済に対して自分なりの意見を述べている人に対しては、それがどういう意見であれ、大変好感を持ってしまう。

国という存在も、企業という存在も、僕の目から見たら似通った存在で、トップがどれだけ優秀でも、その下で働く一人一人が優秀でなければ、トップが変わったとたんにその組織はダメになってしまうんですよ。僕は、このブログの場を提供してもらっているライブドアという会社が好きなんだけれども、ホリエモンというカリスマが去った後も、一人一人が卓越した技術者で自己責任で生きる人たちだったからこそ、ここにきて企業価値をまた上げ始めているんじゃないかと思う。

もちろん、組織を構成する一人一人が優秀でも、トップが無能だと、やっぱり組織は腐ってしまう。しかし、日本は民主主義の国で、どれだけ腐った集票の仕組みがあり、民意が反映されない政治の仕組みになっていたとしても、結局のところ、その腐った集票の仕組みを認めているところまで含めて民意なんではないかと思うのです。
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人生の差別化戦略


湯川鶴章のIT潮流 : 強者に挑む場合は戦いのルールを変えろ

今回、退社するに当たって社の幹部から「お前のように社を代表しているような知名度のある記者が辞めるとなれば、波紋が大きいのだからよく考えて行動してほしい」と言われた。
(中略)
そんな僕がここまでこれたのは、やはり一人だけ違うルールで戦ってきたからだと思う。周りの人間は全員、経済記者としての王道を歩もうとしていた。うちの会社の場合、経済記者の王道とは、日本銀行の記者クラブのキャップを経験して、マクロ経済について論じる記者になるということだ。IT産業の専門記者というと、その王道を歩めなかった落ちこぼれということになる。


今の時代、この考え方って凄く大事だと思う。すごく共感する。


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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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