歴史が僕たちに教えてくれることは本当に多い。
中国史を中心に歴史小説を書き、かの司馬遼太郎に絶賛された作家、宮城谷昌光。
彼の処女作が、今回ご紹介する「王家の風日」です。
時代は3000年前の古代中国。当時の王朝 殷(商)の滅亡を描いた作品です。殷の滅亡といえば、封神演義の物語・マンガや太公望の伝説で有名だと思いますが、宮城谷昌光はそこに歴史家の冷静な視点を加えています。そこが、面白い。
例えば、国民をないがしろにし、「酒を池に満たし、肉を木々に吊し、盛大な宴を開いた」という『酒池肉林』の伝説も、彼の視点を踏まえて考えると、祭祀国家である殷の性格を考えると一方的に悪とは言えず、当時の時代背景としてはありえることだったんだな。とか、殷が滅びたのは、悪政もさることながら、神々が治める国から、人が治める国への必然的な時代の流れだったのかな。と考えさせられます。
先日、日本でも政権交代が起こりましたが、既存の仕組みが限界を迎え、政権交代が起きた。と考えれば、3000年前も今も、為政者は(例え優秀な為政者であったとしても)常に、既存の価値観を守る側にたち、国民の声は聞こえないものなのかな。と。
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中国史を中心に歴史小説を書き、かの司馬遼太郎に絶賛された作家、宮城谷昌光。
彼の処女作が、今回ご紹介する「王家の風日」です。
時代は3000年前の古代中国。当時の王朝 殷(商)の滅亡を描いた作品です。殷の滅亡といえば、封神演義の物語・マンガや太公望の伝説で有名だと思いますが、宮城谷昌光はそこに歴史家の冷静な視点を加えています。そこが、面白い。
例えば、国民をないがしろにし、「酒を池に満たし、肉を木々に吊し、盛大な宴を開いた」という『酒池肉林』の伝説も、彼の視点を踏まえて考えると、祭祀国家である殷の性格を考えると一方的に悪とは言えず、当時の時代背景としてはありえることだったんだな。とか、殷が滅びたのは、悪政もさることながら、神々が治める国から、人が治める国への必然的な時代の流れだったのかな。と考えさせられます。
先日、日本でも政権交代が起こりましたが、既存の仕組みが限界を迎え、政権交代が起きた。と考えれば、3000年前も今も、為政者は(例え優秀な為政者であったとしても)常に、既存の価値観を守る側にたち、国民の声は聞こえないものなのかな。と。
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