すごく共感できる内容のblogがあったので、今のうちにfukuiなりの感想を書いておく。

物事を深刻にしすぎる人達(切込隊長BLOG)


えっと、要点をまとめると

・何となくおもいついて、さらさらっと企画を書いてヒットさせちゃう創造的な人がいる。
・いったんヒットし、世間が騒ぎ始めると、統制屋たちが動き出す。(広報部や経営企画部、ライツ部)
・統制屋達は特定分野のプロフェッショナルたちだが、それ単体でみるとコストセンター。
・統制屋が仕事をすればするほど、組織は窮屈になる。


こんな感じかな。創造的な仕事をして、それがヒットする。ヒットしたとたんに、統制屋たちが動き始める。ヒットした商品やサービスがきちんと形になるためには、広報や権利関係もしっかりしなきゃいけないから、統制屋たちが全部悪いってわけじゃない。

でも、世の中には、顧客に求められる創造的なサービスがとても生まれにくい、ルールと仕組みでがっちり縛った企業が存在する。創造性あふれる人が、その創造の価値を世に広めるために、統制屋たちを雇ったのに、統制屋たちの役割と発言権が肥大化して、どんどん創造性を発揮する場を奪っていく。最後に残るのは、価値を生み出す人がいなくなり、ゆっくりと死んでいくだけの恐竜のような企業群だ。

そんな末期症状に至っている企業はたくさんある。そして、企業の規模が大きくなればなるほど、このワナに知らず知らずのうちにはまってしまう。

規模が大きくなればなるほど、ひとつの問題が社会に与える影響が大きくなる。ゆえに統制はしょうがない部分もある。それでも、次から次へと優秀な人材が小 さな、若いベンチャーに入り、クリエイティビティを存分に発揮しているようであれば、問題ない。ベンチャーはそのまま成長するかもしれないし、大企業にバ イアウトして、新たな創造に取り掛かるかもしれない。米国では創造的で、リスクを好む傾向の強い天才肌のひとたちがベンチャーをおこし、そこに資金が集ま る環境が出来上がっている。

日本ではベンチャーの重要性が叫ばれはじめてから、20年たった今も、結局はベンチャーに人材が集まる状況は生まれていないように思う。大学発のベン チャーは社会的にもまだ認められないし、経営能力もそこまで高くないような気がする。結局のところ、いったん企業に勤めてから。。という中途半端な覚悟で やっている人がほとんどなんだろうと思う。

別に、日本が米国のまねをする必要はないと思うし、結局のところできないと思う。日本が歩むべき道は、力ある人たちがゆるやかなネットワークを築き、興味 を抱いた企画に対しては、クリエイター集団として、一時的なチームをつくり、プロジェクトを立ち上げる。という映画制作に似た動きじゃないだろうか。

まぁ、ルパン型組織といってもいい。アニメのルパンはちょっとわからないけれど、マンガのルパンは、「俺はこの仕事から降りるぜ」って次元や五右衛門が いったら、二度とその回には登場しなかった。ルパンがピンチになっても、斬鉄剣をもった五右衛門がどこからともなく現れる。なんてことはないのだ。でも、 そのイメージに近い。

気に入ればやる。気に食わなければやらない。やると決めたら、しっかり成果につなげる。プロジェクトがローンチしたら、資金力のある企業にそれを買い取っ てもらい解散する。または、もう少しそのプロジェクトの面倒を見たい。という人がメンバーにいれば、その人が代取になってもいいだろう。そんな、個人(あ るいは少数)で動くプロたちの集合体。映画制作などの世界では当たり前だったこの形態は、ビジネスの分野でも当たり前になっていくと思う。きっとクリエイ ティビティがより必要とされる分野から。

すでにそういう動きをしているプロフェッショナルたちはたくさんいるし、ニコニコ動画はそんな感じで誕生したと聞いている。これからの10年間はこのようなルパン型組織がいくつも誕生していくに違いない。