fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

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ソーシャルアパートメント菊名へのお引越&内覧会

梅木くんに誘われて、今まで豊洲に構えていた東京のオフィスを引き払い、新しく出来るソーシャルアパートメント菊名に引っ越すことにした。

理由を問われると少し言葉に詰まるのだけれど、一言でいうと、新しいことにチャレンジしたいから。となる。もともと、場所に縛られずに働く生き方を模索し、生活のスタイルや利用するツールもそれに合わせて変化させていたので、引越しの手続きは簡単に済んだ。

大型ディスプレイ二つを専用の段ボールに詰め、着替えや身の回りのものをもうひとつの段ボールに詰め、宅配便で送れば引越しは完了だ。引越し費用、4,000円也。

・家具や食器、身の回りのものは備え付けだし、
・無線LAN環境も整っている。
・敷金、礼金なんて面倒なものは極力安く。
使った分だけ払いたい。

僕は仮の住まい(兼オフィス)を選ぶときには最低限これぐらいの条件が整った物件を選ぶのだけど、ソーシャル・アパートメントはその条件にぴったり当てはまる。

いつ出張や転勤が起こるかわからないコンサルティング会社、外資金融、商社などに勤める若手のビジネスパーソンにとってはいい住まいになるんじゃないだろうか。若手の頃は帰りも遅くなりがちだし、ついつい社外の人との付き合いが少なくなりがちだけど、ソーシャル・アパートメントであれば、同じ住居に住む定期的なイベントに参加するだけでも楽しめそうだ。

イベント

ソーシャル・アパートメント恵比寿のイベント情報。バーベキューなど定期的にイベントが開かれるらしい。



部屋は個室なのでプライベートは守られるけど、定期的に開かれるパーティのときは、出身も仕事も性別もばらばらな50人ぐらいが一同に集まることもあるらしい。住まいの形態上、年代だけは20代から30代前半が中心らしいけど。

残念ながら、僕は内覧会の日程(2月12日、13日)に参加出来ないので、個別に頼み込んで恵比寿のオフィスを見せてもらった。

キッチン

※共有のキッチン。広くて使いやすそうです。


僕が2月19日のオープン日から入居するから言うわけではないけれど、どうせいつか入居するんだったら、オープン日あるいはオープンから間もない頃から入るのが一番楽しいと思う。皆、顔を合わせるのがはじめてだし、バイトでも入社する会社でも、オープニングスタッフ(あるいは新卒一期生)というのが一番おもしろいものだから。

もし、ソーシャル・アパートメント菊名へ引越される方がいらっしゃれば、19日のパーティでお会いしましょう。

※ちなみに、このソーシャルアパートメント、3月には京都にもオープンするらしい。ただ住むだけじゃなくて+αの刺激を得たいってニーズは増えてきてるんだろうね。

※ソーシャル・アパートメント菊名の内覧会は2月12日、13日とのこと。興味のある人は是非。
http://www.social-apartment.com/builds/view/75


共有スペース


※共有スペースは思ったよりも広かったです。(写真は恵比寿)

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富山JCの驚くべきリーダーシップ研修

今年に入ってから暫く順調にBlogの更新を続けていたのですが、8日以降、ぱたっととまってしまいました。これはズバリ猛烈に忙しくなったからなのですが、何で忙しくなったかというと、

飲み会の余興で行う(最近何かと話題の)karaのダンス練習に忙殺されていたからです。
仕事が終わる19:30頃から開始し、21:30まで2時間練習。これを2日に一度の頻度で行ってました。

‥書いてみて、思いましたがそんなに忙しくないですね。

多分、2日に1回、2時間という練習頻度が、自分のブログを書くペースにぴたっとはまって、書けなくなったということだと思います。

不思議なことに平均年齢33.5歳のむさい男8人で夜な夜な集まり、動画を見ながら振り付けとダンスを確認していくと、最初はなんとも思わなかったkaraの5人のメンバーがどんどん可愛く見えてくるという不思議な現象にも直面しました。(まぁ、心理学的にいうと単なる単純接触効果なんですけどね!)



まぁ、そんなことはどうでも良くて、なんでこんな余興をやることになったかという話をしたいと思います。


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事業を創造・推進できるのはどういう人か

Learnputの営業時間が終り、オフィスを片付けながら社長の平木さんと「事業を創造・推進できる人はどういう人か。」という話題になった。

実はこれには模範解答があって、素早くEAチェーンを回すことが出来る人、となる。

EAチェーンとは、以前このブログでも紹介した、今すぐできる「戦略思考」の教科書 ビジネス本を何冊読んでも身につかない人のための「戦略思考」の教科書で述べられている概念で、E(Experiment:実験)とA(Adapt:適用)を素早く繰り返すことを指す。

ビジネスの基本は、G-PDCAサイクルを回すこと(Goalを定め、Plan-Do-Check-Actionを繰り返すこと)だが、頭でっかちの人やリスクを極端に恐れる人は完全無欠のPlanを建てることに固執する余り、結果的に事業機会を逃してしまったり、より正確な情報(=すなわち実験の結果)を得る機会を失ってしまったりする。

日本の大企業のように、事業を実行に移すまで数多くの稟議を回さなければいけないような職場であれば、一人ぐらいは最悪の辞退を想定するあまり、挑戦意欲に欠ける人がいる。そんな人が一人でも入れば事業推進の許可は降りない。あるいは骨抜きにされたものになってしまう。

事業家を志す人であっても、企画畑出身だったり、熱心に企画を建てるためのスクールには通ったけれど、実戦経験が不足している場合にも、このような事態に陥りやすい。

PDCAかEAチェーンか、というのは言葉遊びだと言われるかもしれない。
結局のところどちらも必要なことなのだから。

ただ、言葉には魔力がある。
PDCAを重視する組織は統制や自己管理に強みを発揮し、EAチェーンを重視する会社は創造性に強みを発揮するようになるという可能性は十分ある。

実際、PDCAという言葉が生まれ、日本企業に次々と導入されるようになった1970年代に比べ、現代のビジネス環境は大きく異なっている。

  • 試作品の作成が容易だ。一人の天才的なクリエイター、プログラマがほんの一昼夜で試作品を完成させたりする。そのような開発ツールや開発環境、開発に関する情報のストックが3,40年前と比べはるかに充実している。
  • 試作品の市場へのPRが容易だ。顧客データベースの充実と、インターネットの登場により、特にソフトに関してはすぐに市場の反応を見ることが出来るようになった。(ハードは一定の数を量産しないと市場に評価を問えない、という意味でソフトよりも若干ハードルが高い。)

以上のような環境にいるからこそ、ビジネスを前に進めるためには、さくっとつくって、実験し、より詳細なデータを取り、商品・サービスを市場に適応させていく。というプロセスが重要になるのだ。

実験(Experiment)を重視することによるメリットはいくつかある。

・より詳細なデータを取ることが出来るようになる。
・実験の結果を持って、上司やステークホルダーを口説きやすくなる。(予算を得やすくなる。)
・実験を通じて、思いがけない成果、効果を発見することがある。

以上のようなところだろうか。
コンサルタント風に言えば、ホームランを狙うな、ヒットを積み上げろ。となる。
実験という形で成果と信頼を得ていき、最終的なゴールを達成するのだ。
もっとわかりやすくいうと、まず僅かな予算でトライアルし、実績を持って多くの予算を獲得し、その結果で持って必要なだけの予算を獲得するのだ。

かの黒澤明も名作7人の侍を作ったときには、予算を集めきれず、最初に与えられた予算で、まず前半部分を作り、それを見た資産家たちに残りの映画を撮る予算を出させたという。

このように実験と適用を繰り返しながら、最終的なゴールを達成する絵を描く。
実績と信頼を勝ち取り自然に事業を進めるざっくりとした絵を描くというのが、現代的なPlanのたて方と言えるかもしれない。

自分が属する組織に少し創造性が欠けている、と感じているのであれば、
EAチェーンを素早く回す。という概念をインストールすべく動いてみてはどうだろう。


5

ちっぽけなプライドを愛す。

随分前の話になるんだけど、若手経営者として(一部の界隈では)有名な人と飲む機会があった。

で、フツーに飲みはじめたんだけど、何故だか急に僕の事業に関してアドバイスしはじめたわけ。
アドバイスだったらいいんだけど、イメージとしては「ダメ出し」というかなんというか。

僕も人間が出来ていたら、「なるほどなるほど勉強になります。」とか言えるんだろうけど、素直にそう言えるほど大人ではなくて、もっというとつまらないプライドみたいなものがあって、「いや、別に頼んでないんですけど。」的なことを言ってしまった。

その後は相互に大人な自分を取り戻し、(形式上)和気あいあいと飲んだのだけれど、僕がくだらない一言を言ってしまったが故に、僕と彼の人生がクロスすることは多分随分先まで無いんだろうな、と思う。

これは直感でしかないんだけど、僕がなんか凄くお金を持ってそうな雰囲気を醸し出していたり、それなりに利用できそうな人間だったとしたら、また彼の態度も違っていたんだろう、と思う。

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さて、以上のような負の感情は、まったくもってつまらない自意識過剰の人間が陥る罠ではあるんですが、多くの人は似たような気持ちをたまに持つことがあるのではないかと思います。(今回のケースで言えば、実際のところ、心の底からの親切心から、僕の事業にアドバイスをくれた可能性もあるし、もっというと僕にハッパをかけるつもりだったのかもしれない。)

でも人は感情の生き物である以上、ちっぽけなプライドは誰しもが持っているわけでして。
まぁ、そういった壁を乗り越えることが成長なんだよ。と言われればそれまでですが、出来ればこの悔しさを自分の成長に活かしたい派でいるわけで。

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既に有名になっている人と話すのは勉強にはなるけれど、自分も人である以上、自分の生き方にダメ出しされるのは結構ムカつく。

「○○と知り合い」と誇らしげに言う人にはたくさんお目にかかるが、やり過ぎてる人を見ると痛々しい。

夢は語るがその実現に向けて何の努力もしていない人を見ると、「それは人に語るための夢なのかな。」と下衆な勘ぐりをしてしまう。

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まぁ、僕より遥かに人間が出来ている、家庭の母とか妻とか、飲み屋のおねーさんとか出来る後輩とかは、「そうですね。○○さんってスゴイですね。」と言いながら話を聞いてくれるわけではあるんですが、でもそれって相手の人間性に甘えているに過ぎないわけですよね。

能力的には非常に高い人がたまに随分幼く感じてしまうのはこういう部分があるからなわけでして。

役割分担と言えばそれまでなんでしょうけど、
心のそこから相手を理解し、尊重するコミュニケーションを心がけたいものだと思います。

それが出来るかどうかはともかくとして。
4

生きるための起業、という選択肢

昨年末に会社を辞め、今年新たに自分で事業を興そうとしている方の話を聞いた。

長引く不況で労働条件が年々悪化している企業も多く、夢を実現するというよりは、生きるための起業という選択肢が増えてきたように思う。特に地方は、生活と密接に関わる生きるための起業が非常に多い。

たいした話も出来なかったけれど、自分の経験をもとに起業するのであれば3つのモノを準備してから臨むのがいい、というような話をした。

  1. 1年間生きて行くことが出来るだけのお金
  2. 事業を企画し、推進する力
  3. 自分を助けてくれる周囲の人々

勢いで起業するよりは、この3つの条件を我慢してでも満たしたほうがその後の生き延びる率は高まるに違いない。

取引先から信頼を得、事業が軌道に乗るまでには時間がかかるものだから、1年間生きることが出来るお金はどうしても必要になってくる。

今であれば国や自治体がやっきになって創業支援に乗り出しているから、数百万単位の融資であれば、比較的簡単に金融機関から受けることも可能だ。ただそれらはいつか返済しなければいけないお金だから、自分で用意できるならお金は自分で用意した方がいい。

ちなみに僕のオススメとしては、生活コストを下げることだ。絶対にこれはやっておくべきだ。
家賃や保険、食費。減らせる余地があるのであれば減らせるだけ減らす。そのほうが、長く勝負できるし、その分成功の可能性も高まる。


事業を企画し、推進する力も必要だ。簡単なものでもいいから事業計画は立てれるようになっておいたほうがいい。そのほうが間違った方向に突っ走る可能性を減らすことが出来る。事業を企画し、推進した経験がこれまであればいいけれど、無いのであればビジネスプランコンテスト的なもの、あるいはスクールに通うといった方法で力を磨く必要はあるだろう。

そういう環境が近くになければ知り合いの信頼できる起業家にメンターになってもらって指導を受けるのがいい。信頼できる起業家の心を動かすだけの情熱と真摯さは必要になるけれど。


最後が自分を助けてくれる周囲の人々の存在で、実のところ、取引先も新しい商売のネタも、信頼できるパートナーも、この周囲の人々との繋がりによって得られる場合が大半だ。(特に、あなたが卓越した技術や知恵を持たないフツーの人であるならば。)

ただし、自分が得られる周囲の助けは、自分が応えてきた周囲の期待や信頼の数に比例する。実のところ、期待や信頼に応え続けてきたという人は多くないだろうから、起業すると決めたその日から意識して実績を積み上げていくほかないだろう。

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起業して大成功しようと思えば、この3つの条件以外にも様々なものが必要だ。
しかし、この3つの条件を揃えて起業するだけで、リスクはかなり減らせるはずだ。

かつて貧しい時代の日本がそうであったように、起業とは大層な「夢」ではなくて、生きて行くための「手段」のひとつになっている。

きっとそれでいいんだろう。
3

分析とは何か/定量分析の3つの型

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」分析とは何か。

この問いに対して、明確な答を持つ人はそう多くはないだろう。

マッキンゼーで新人の教育担当をつとめ、脳科学のPh.D.を持つ安宅( kaz_ataka )氏はその著書、「イシューからはじめよ」の中で分析の本質を次のように述べている。


「分析とは比較、すなわち比べること」


安宅氏によると、分析の大半を占める定量分析においては、比較というものは3つの種類しかないと述べている。それは、比較、構成、変化だ。

pattern

比較は、何らかの共通軸で二つ以上の値を比べること。
構成は、全体と部分を比較すること。
変化は、同じものを時間軸上で比較すること。


安宅氏によると複雑に見える分析も基本的にはこの3つの組み合わせで出来ている、という。

ただ、その表現方法は多彩だ。
比較、構成、変化という基本のパターンをかけ合わせるだけでも実に多様な表現が実現されるという。

pattern2

以前、僕はデータ分析に自信を持ち始めたきっかけについて書いたが、この中で僕は残念ながら変化(同じものを時間軸上で比較すること)にしか触れていないことになる。

もちろん、それだけでも深い洞察は出来るのだけど、比較や構成という視点が加わるだけで、その分析の質はきっと何倍にも高まることだろう。

もっとも安宅氏は、こういった分析の型が大事と言っているわけではない。
より重要なことは、本当に答えを出すべき問題(=イシュー)を見極めることだと述べている。

イシューを見極めることによって、アウトプットの質を圧倒的に高め、投下する時間を徹底的に削ることが可能になる、とも。

分析は、イシューを検証するためのひとつのツールに過ぎないのだ。
自分の中に問題解決のための原理、原則を持っている人は強い。そして、早い。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
著者:安宅和人
英治出版(2010-11-24)
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残念ながら、現実のスポーツチームは簡単に全国大会に行くことは出来ない。

日本企業にはクリエィティビティが不足している、と言われることがあるが果たして本当にそうだろうか。1年前の僕は確かにそう考えていたけれど、最近、お付き合いさせて頂く企業が都市部の大企業から、地方の中小企業へと変化してきたので、その考えもかなり変わったように思う。

実際には中小企業の若手経営者というのは驚くほどクリエイティビティがある。毎日のように新しいアイディアを思いつき、そしてそれを実現する手立てを探している。

では、そういう中小企業が素晴らしいのか。
中小企業が日本の底力か、というと必ずしもそうでもない。

大企業はゾウに例えられることが多い。
動き出すのは遅いが、一度動き始めてしまえば物凄いパワーで向かった方向に前進を続ける。

一方中小ベンチャーは、小動物だ。大きな動物が気づかない低い視点から、自分が生きていくためのエサを探すために、様々な方向に素早く動く。自分が食べていくことはなんとかできるが、大きな変化を起こすようなインパクトには欠ける。

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中小ベンチャーに不足しており、大企業に存在するものは、いざ方針を決めたときの実行力だ。
ヒト・モノ・カネといった使える経営資源が豊富にあるのは大企業の有利な点だが、それ以外にも大企業の実行力を支えているものはある。それはビジネスの基本動作がしっかり身についている社員が多いことだ。

ビジネスの基本動作とは、何かと言うと、

  • 報告、連絡、相談
  • 文章を書く力
  • 法務に関する知識
  • スケジュールを立て、実行する力
  • マナー
  • 社内調整力

といったところだ。社員教育を重視している企業であれば、新入社員の頃に体系的なトレーニングを通じて教えこまれるような本当に基本的な動作ばかりだ。

しかし、地方の中小企業ではこれらの基本動作をしっかり教えていない(教える余裕がない)ところも多い。また、こういった基本動作を身につけることで、その後のビジネスの推進力が飛躍的に高まることに気づかず、昔ながらのOJTに社員教育を委ねてしまっているところも多いように思う。

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大企業には大企業の、中小企業には中小企業の良さがある。
企業規模によって、あるいは企業のライフサイクルによって、どうしても長所・短所というものは出てきてしまうものかもしれない。

であれば、大企業が中小企業の良さを取り入れ、中小企業が大企業の良さを取り入れるような組織づくりを仮に実現することができたら、それは競争力の源泉になるのではないか。

最近、そんなことを考えている。


大企業の良さをもった中小企業、中小企業の良さを持った大企業をイメージするには、学生時代の部活動をイメージするのがわかりやすいかもしれない。

大企業は部員が100人、200人といるような競合校だ。
中小企業は、ぎりぎりレギュラーメンバーが揃うような弱小校をイメージするといい。

これから行う思考実験は地方の弱小校が強豪校になるためには、どのようなストーリーを描けば良いか。というものだ。

残念ながら、現実のスポーツチームはもしドラのように簡単に全国大会に行くことは出来ない。



もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
著者:岩崎 夏海
ダイヤモンド社(2009-12-04)
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新年の抱負:あけましておめでとうございます

大晦日。1年が終わろうとしています。

除夜の鐘がさかんに鳴っておりますが、おそらくこのブログを書き終える頃には年も変わり、鐘の音も夜の闇と雪に吸い込まれていることでしょう。

今年の年始に掲げた目標は、果たしてどの程度実現できたのか、自分自身に問い、新年の抱負を述べてみたいと思います。

2010年の年始に掲げた目標は次のようなものでした。

これからの10年:よりよい社会を実現するために(2010年1月1日)

「個」にフォーカスし、ひとりひとりが強くなるために何に取り組めばよいか考察し、提言・実践して行きたいと思います。

具体的には、
  1. 自分の創造力を文章で表現します。(実践)
  2. いま必要とされている「学び方」をまとめ、世に伝えていきます。(提言)
  3. 個人で活動する人を支援するノウハウをまとめます。(提言)
  4. 個人で活動する人を支援するインフラを整えます。(実践)

という目標を掲げました。よく読むと「具体的には」と書いている割には、全然具体的じゃないですね。笑
まぁ、新年の目標なんてそんなものでいいとおもいます。数値計画とか出しても味気ないですしね。

2010年は1~2にフォーカスする予定でいましたが、実際には自分で考えていたよりもはやく、3~4に着手したように思います。

自分自身の実践の場として、会社を1社設立しました。
あるベンチャー企業の設立と経営に深く関わらせていただきました。
素晴らしいビジョンを持つ、とある会社の取締役に就任させて頂きました。


その他、海外向けの事業を展開している会社2社に本当に微々たる額ですが出資しました。

現段階では、全ての事業が中途半端です。
収入も現段階ではなんとか生きていける程度です。

何かひとつのビジネスにフォーカスしたほうがいいような気もしますが、関わっている会社が持つ機能がそれぞれ異なり、自分自身のビジョンを実現するのに必要なものばかりなので、しばらくはこのまま出来るところまで突っ走ってみたいと思います。

2011年どれだけ形に出来るかが勝負ですので、頑張りたいと思います。

また、自分自身のテーマとしては「個」へのフォーカスが正しいのかどうか、迷い始めています。
おそらく、一人一人が強くなることは必要ですが、世に深い根をはる問題を解決し、大きなインパクトを残すには、個人が強くなるだけでは足りないのだろう。と直感的に感じています。何が必要か、自分に何ができるかはまだ言葉に出来ていないのですが。


最後になりますが、
みなさま、2010年は本当にありがとうございました。
2011年もよろしくお願いいたします。
30

大都市の苗床としての地方

今年の仕事の締めとして、3社合同の大納会に参加してきました。

本当は、来年のコラボ計画をびしっと作った上で飲み会に突入する予定だったのですが、皆かなりの酒豪ということもあって、17時ぐらいになるともう耐えられなくなり、「後は飲みながら‥」というホストの言葉が出たが最後、明け方3時まで続く大納会の始まりでした。

ホストのご自宅での宴会だったので、ご家族の皆様には大変迷惑をかけてしまったと反省しております。(結局、泊まってしまったし。)

しかし、その分収穫もありまして、本当にいろいろな話をしました。

皆、富山を本拠地として仕事をしているせいか、どうしても話は地域の今後が話題の中心になります。
なかでも印象的だったのが、ホストから教えてもらった大都市の苗床としての地方という考え方でした。

----

地方の経済を考えるとき、どうしても避けて通れないのが大都市への人口流出の問題です。
親は莫大な投資をして子を育てます。

育てた子は、成長した後、本来はその投資された分を、自分を産み育ててくれた家族や共同体に還元する役を担うのですが、現代では多くの人が国内外の大都市に働きにでかけ、苗床としての「地方」に還元するという機能を持ちません。機能を持たないどころか、そういう考え、感覚を持たないのが現状です。

僕もまた、そういう考えや感覚を持たない大勢の若者の一人でした。

地方は地方交付税という財源を大都市から分け与えてもらうことが出来ているから、ぎりぎり生きながらえており、ある意味大都市に寄生する存在のように感じていました。

しかし、人的資本という面で見ると、逆に大都市が地方という苗床で育てられた人材をむさぼり食い、肥え太っているとも考えられるのです。

僕は、地方に与えてもらったものを還元するという感覚を持たないまま、この年まで生きてきました。
一方、地方で働く人の中には、国の予算に頼り切り、創意工夫をこらした仕事が出来ていない人や企業が存在することも確かだと思います。歪んだ寄生体質に染まってしまうと、逆に苗床としての機能も衰えてしまうと思います。

どういう形が望ましいのか、本来どうあるべきなのか、僕にはまだ明確な形はみえていませんが、自分が生まれ育った土地に対して何かを還元する。しなければならない理由がある。という気持ちは多くの地方出身者が持つべきではないかと思いました。
29

書評:暗号解読

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)今さらではありますが、サイモン・シンの暗号解読を読みました。
フェルマーの最終定理の後に書かれた作品で、宇宙創成よりは前の作品です。

これで一応、文庫化されているサイモン・シンの作品は全て読破したことになります。
この作品もサイモン・シンの他の作品同様、非常に優れた作品です。

暗号の構造を素人にも理解できるようにわかりやすく解説しながら、暗号にまつわる様々な歴史の悲喜劇を紹介しています。

個人的に印象的なエピソードは、第二次世界大戦中にドイツ軍が採用した、世界最高の暗号機エニグマにまつわるエピソードです。

エニグマの暗号を破るきっかけとなった人物は3人います。

一人目がドイツに恨みを持つドイツ人、ハンス=ティロ・シュミット。
二人目がポーランドの数学者、マリアン・レイェフスキ
三人目が現代計算機科学の父と言われるイギリス人、アラン・チューリング

圧倒的な暗号性能によって解読不可能と言われたエニグマ。
例え暗号作成・解読機であるエニグマ本体が敵(連合国側)の手にわたっても暗号の解読は不可能と言われていました。

ハンス=ティロ・シュミットはそのエニグマの構造に関する情報をフランスに売り渡した男です。

フランスの諜報部はそれでもなお、エニグマに関してはお手上げで、ハンスの情報を同盟国であるポーランドに譲ります。ポーランドは戦争の危険をもっとも感じていた国であり、当時世界最高の暗号解読班を持っていたフランス・イギリスでさえ手を挙げたエニグマの暗号に粘り強く取り組み、ついにレイェフスキはエニグマの暗号解読の糸口を見つけます。

ポーランドは陥落寸前に、それまでにレイェフスキが発見してきた研究成果をイギリスとフランスに譲り渡します。

そして、レイェフスキの仕事を引き継ぎ、発展させ、ついに暗号を破るのがイギリスの暗号解読班であり、その中心となったのがアラン=チューリングです。

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エニグマの暗号を解読できなければ、第二次世界大戦の結果は今と異なったものになったかもしれません。

当時のイギリスはドイツの潜水艦であるUボートに対抗するすべを持たず、イギリス本国への物資輸送がままならない状態でした。長期間にわたり海上封鎖が続けられた場合、イギリスはドイツと講話するしかなかったかもしれません。

暗号の解読が可能になったために、連合国側はUボートの位置を知ることができるようになり、またドイツ陸軍の集結地点を把握することができるようになりました。

敵の作戦が把握できていれば、対抗するための準備をすることは容易くなります。
空で陸で、海で、イギリス軍は手痛い打撃をドイツに与え、戦局を覆します。

暗号の解読が歴史を変えた代表的な例といっていいかもしれません。

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歴史の背後にある、壮大な頭脳の勝負。
かすかな手がかりから暗号を解読する天才たちの偉業がわかりやすくまとめられた素晴らしい一冊だと思います。



自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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