宇宙や生命のことを考えると、誰もが心にわずかなざわめきを感じる。
僕たちはその不思議に魅せられ、答えのない問いをしては、宇宙や生命の神秘に畏敬の念を覚える。
・人体は一つの小宇宙のようだ。人体は六十兆個の細胞からなり、死と誕生を繰り返しながら、いつしかその生を終える。時にコントロール不可能なまでに増殖する細胞が現れ、これは癌として認識される。
・地球はひとつの生命体のようだ。雷は脳波を、マグマは血液を、水は酵素をあらわし、それらの恵みで生きている生物は、人体の中に生きる様々な微生 物のようだ。さて、無制限に増殖し、地球を汚染する人類は、地球を人体にたとえるとどのような存在として認識されるのだろうか。
・コンピューターが果てしなく進歩したらどうなるのだろうか。今は簡単なシミュレーションを行えるだけだが、たとえばハードディスク内の様々なデー タが自律的な意思を持ち、進化するようになったらそれらは一つの生命と呼べるのではないだろうか。われわれの住むこの宇宙ですら、より高次の存在が戯れの 中に作った箱庭のような存在でないと否定することはできるのだろうか。
・宇宙はビッグバンから始まった。初期の宇宙には水素のみがあった。超高圧の中で水素はヘリウムを生み出し、初期の星たちが生まれた。そういった星 星の中心部は超高圧の空間で、そこで、さまざまな元素が生み出された。やがて星はその生命を終え、宇宙にエネルギーを拡散した。我々が住む地球は、星の誕 生と死を繰り返し3世代目の存在である。では、ビッグバンの外には何があったのだろうか。