fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

雇用

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隗より始めよ、って言葉があったなぁ。

僕が購読している有料メールマガジンのひとつに、日垣隆さんのガッキィファイターがあります。有料メールマガジンというものには僕はまだまだ懐疑的なのですが、著者のファンクラブのようなものと考えれば、月々1,000円弱の投資というのはありなのかな。と考えたりします。

メールマガジンの適度な転載、引用は自由ということだったので(これは、プロモーションの観点からいえばまったく正しいと思います。)、先日送られてきたメールから、特に印象に残った一節を紹介したいと思います。

まずは自分が安全地帯にいなくては、人を助けられない。自分の生活さえままならないのにNPOで活動する、というのは必ず失敗する。以前、ハワイのプールで潜水していた女の子が溺れ、私が助けたことがある。そのとき、自分の安全の確保をしない限り、人は助けられないと思った。ただ、勇気をもてばいいというわけではないだろう。

不況を脱出させるには、まず自分が人を雇う。外注を出す。それしか経済復興(消費を増やし、付加価値商品を作り世界に向けて妥当な高値で販売し続けてゆくこと)はありえない。就労人口の4.5%が、雇用補助によって雇われている。つまり、実質10%の失業率だ。豊田市の失業率が一番多い。

この一文は僕がずっと抱いていた感覚を端的に表しています。自らの安全を確保した上で、人を雇ったり、新たな仕事を発生させたりしている人は本当に立派だな、と思います。なかなか難しいことではありますが。
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「生き方、考え方を変えなきゃな。」と考えさせられた4つのグラフ

働き方や仕事に関していろいろ書いたり、調べたりしているのですが、自分でデータをつくったり、データを解釈して文章を書いたりすると、ただ読む以上に印象に残るものがあったりします。

そのうちいくつかは、「自分の生き方、働き方を変えなきゃな。」と考えさせられるものでした。僕は思いついたら実行するタイプなので、実際に生き方や働き方を変えるきっかけとなったグラフなんかもあったりします。

そんなに多くの人に参考になるような話でもないと思いますし、生き方や働き方を変えることが必ずしも良いこととも限らないのですが、自分自身の備忘録的に少しまとめてみたいと思います。

company

※資料 法人企業統計調査(財務省) 平成19年度版


これは何度も利用している資料で、以前からブログを見て頂いている方には見飽きた図だと思うのですが、過去10年にわたり、企業は従業員に支払う給与を減らし続け、かわりに利益を増やし続けてきたという事実を示すグラフです。

この傾向はこれからも続き、企業は人件費を減らし、積極的に利益を産み出す方向にシフトしていくんだろうな。と思いました。

現在高い評価を得ている企業はすべて、資本集約型・知識集約型と言われる産業です。Googleしかり、Appleしかり…。日本で言うと、トヨタや任天堂、ディー・エヌ・エーなどがそれにあたるのでしょうか。少数の優れた人材を雇い、高付加価値の製品をつくる。そういう会社が政府や市場に、「素晴らしい」と評価される企業になっているのだと感じました。そして、そういった企業が僕たちの生活を豊かにしてくれているとも。

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「転職力」を確認するためのふたつの問い

最近、立て続けに学生時代の友人から転職の相談を受ける。3~4月は節目の季節で就職・転職が決まりやすい時期ということもあるけれど、10年間働いてきて、一区切りついたので、転職を考え始めた。ということもありそうだ。

20代の半ばぐらいまでは、学歴を活かしての転職も可能だ。ポテンシャルに期待してくれる企業も多いだろう。大企業に勤めていれば、そのネームバリューを活かして中小やベンチャーに転職することも比較的容易だろう。

しかし、20代後半からは実力と職歴が純粋に評価されるようになる。ある意味、キャリア選択が激変する時期だ。僕と同世代のアラサーたちの中にはこの変化に戸惑うひとも多い。そして、35歳転職限界説みたいな話もある。人材紹介会社を活用しての転職は35歳が限度という転職マーケットでまことしやかにささやかれる噂だ。

さて、今日は転職活動というものについて整理してみようと思う。
特定の組織に属さず、転職相談をビジネスにもしていない僕だから書ける話というものもあるだろう。


■人材紹介は、ごく一部

リーマン・ショック以来激減したけれど、地下鉄の車両内広告が人材紹介会社(リクルートエージェントやインテリジェンスetc..)の広告でジャックされているような時期があった。自分の年収について確認する意味でも、人材紹介会社にとりあえず登録している人は、少なくないのではないだろうか。

けれど、人材紹介会社を通じて転職する人は、本当にごくごく一部に過ぎない。

recruit


さてデータで見ると、転職者の入職経路は多い順に次のようになる。(数字は2007年実績)ちなみに、この人数は新卒・既卒の区別はされていない。全体の10~15%ぐらいは新卒の人だと思う。

  1. 求人広告 226万人
  2. 縁故 167万人
  3. 職安(ハローワーク) 160万人
  4. その他 84万人
  5. 学校による紹介 38万人
  6. 民間の人材紹介会社 14万人

僕はこの数字を見たときに、人材紹介会社の割合が少なすぎないか?とさすがに疑問に思ったのだが、仮に人材紹介会社が年間14万人の転職活動を成功させるとすると、市場規模は1500億程度になり、これは人材紹介会社の市場規模として非常に妥当な数字だ。人材紹介会社をつかって転職する人はごくごく一部ということがわかる。もちろんその分サービス品質は高いけれど、紹介手数料は企業経営者にとっては莫大な額だし、紹介会社もビジネスだから紹介して採用されないような人は求人案件の紹介や面談も控えるだろう。人材紹介会社しかつかっていない、という人が転職活動に苦労するのはあたりまえだと思う。
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データで見る正規雇用・非正規雇用の問題 その1

先日、東京での仕事を終え、富山に戻る新幹線の中で、余りにも時間に余裕があったので、「今日、派遣をクビになった」という本を読んだ。コンビニにおいてある擦り方の粗い本で、よくある「派遣批判本」かと思ったのだけれど、結構中立的な立場で書かれたインタビューレポートで参考になった。
僕自身も、10年近く「人と組織」をテーマに仕事をしてきた経験から、自分の意見を少しまとめて見ようと思う。

さて、よくある話として「小泉・竹中路線」が格差を拡大させた。という意見がある。「格差拡大」の根拠として、派遣切りにあった人たちのドキュメンタリーが流されたり、ワーキングプアの話を持ち出したりする。最近見かけるのは、OECDの貧困率を持ち出して、格差の拡大を指摘する話だ。続きを読む »
自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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