fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

経営者

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営業の思い出。立場の逆転はいつでも起こりうる。

以前、勤めていた会社で営業のマネジャーをやっていた時の話。

営業のマネジャーなので、当然チームのメンバーから営業の報告を聞くわけです。企業側は営業というものを受け慣れていて、営業が稚拙だったり、業界の常識的な情報を、訳知り顔で話されたりすると、「あぁ、また時間を無駄にしてしまうのかな。」という気分になって、つい邪険に扱ってしまうこともあるわけです。

ただ、やっぱり大半の方は、つまらない話や稚拙な営業であったとしても、ニコニコしながら聞いてくれたり、時には未熟な営業担当を育てるよう促してくれる方もいらっしゃるわけです。

95%はこういう素敵なお客さん。

でも、年にほんの1~2回は変なお客さんに会うこともあって、営業担当者が怒り心頭で帰ってくることもある。たとえば、

「担当者同士がデキていて、ずっとイチャイチャしていて、こちらの話を全然聞いてくれなかったんですよ!」


という報告を受けたことがある。商談中に、目配せしあって笑い合ったり、体を触りあったりしていたそうな。1000~2000件の営業報告を受けたと思うけど、これを超えるインパクトの報告はなかったかな。

まぁ、入社2年目ぐらいの若手の男女社員だったから、社内でデキていてもおかしくはないと思う。会議室なので、先輩や上司の目もないし、つまらん営業の話なんて何度も聞いているし、でついついイチャイチャしちゃったのかもしれないですね。でも、壁に耳あり、障子に目ありだと思うんですよね。

あと、

「こちらの発言や提案を全否定した上で、いかに僕たちの会社と扱っている商品に価値がないかを1時間以上にわたって力説されました。」


という報告もあった。営業という仕事をやっていると、勤めている会社や商品をdisられることはよくあることなので、特に気にもとめてなかったのですが、面白かったのはその後日談。この方は務めていた有名企業を退職し、私達が属していたのと同じ業界で、独立・起業されたそうです。

立場が逆転して、発注する側だった人が発注される側になったわけですね。
独立後、この方の噂は聞かなくなりましたが、元気にやっているのでしょうか。少し気になります。


雇用の流動性が高まり、転職や起業する人が増える時代になると、こういった立場の逆転を経験する人の数もきっと多くなると思うんですよね。その時に、やっぱりどのように仕事をしてきたか、どのように人に接してきたか。というのは見えないところで自分のブランドになると思うのです。


創業経営者に人格者が多いのは、disられる経験と、人に救われる経験の両方をたくさんしてきたからなんでしょうね。



ぼくも過去を振り返って、どうしてあんな態度をとってしまったんだろう、と思うことが多いです。過去の反省を活かして、誰に対しても真摯に振る舞えるようになれればいいのですが。

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就職せずに起業して、成功するために必要なこと その4(仮)


関連エントリはこちら
就職せずに起業して、成功するために必要なこと その1
就職せずに起業して、成功するために必要なこと その2
就職せずに起業して、成功するために必要なこと その3
就職せずに起業して、成功するために必要なこと その4(仮)

過去3回に渡って書いてきたテーマ「就職せずに起業して、成功するために必要なこと」今日は、その4(仮)を書こうと思う。

起業家が事業を立ち上げ、成功するにあたって最後に必要となる資質は何か。僕は長らくその答えを探し求め、仮説に過ぎないが、数年前にその答えといえるようなものに出会った。それは、倫理観だ。

聖人のような経営者もいれば、清濁併せのみ偉大な業績を残してきた経営者もいる。感覚的にいうと、後者のほうが多いような気もする。経営者として成功するにあたって、倫理観はそんなに重要ではないのではないか。と感じることもある。

しかし、情報公開と文明化が進むに従って、経営者が確たる倫理観を持つことの重要性は増し続けているように思うのだ。

起業家として、そこそこ成功をおさめるだけであれば、倫理観はそこまで重要でないかもしれない。
しかし、事業の成功という枠を超えて、世界に影響を与えるような大成功をおさめるには、また、人生を満足いくものにするためには、倫理観は何より重要になってくると思う。続きを読む »
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習作)ある経営者の告白


僕は仕事がら、経営者にインタビューをすることが多い。経営者にインタビューし、それを適当に文字に起こし、ゴーストライターとして、ありがちな成功法則のまとめ本や、ビジネス雑誌に1ページあたりいくらという値段で買い上げてもらうのだ。

2ページの原稿を書くことができれば、1週間は暮らせるし、もし運よく3ページで採用になったら好きなバーに飲みに行くことだってできる。「将来は見えないけれど、悪くない仕事だ。」自分に言い聞かせる。言い聞かせた後、言い直す。「悪くない仕事だ。」このご時勢、仕事があるだけでも感謝しなければ。

インタビューというと、宣伝も兼ねて引き受けてくれる社長が多い。癖のある社長もいれば、正直電話するのが嫌になるような高慢な秘書もいるけれど、社長自身はおおむねいい人だ。秘書はわからない。秘書には嫌いな人が多い。自分で判断する頭も持たないくせに、「自分は秘書なのよ!」って感じでお高くとまっている。こういう人に限って権力者の前では媚をうったりもする。もっともそれは僕のコンプレックスがそう感じさせるだけなのかもしれないけれど。僕は不必要なほど、プライドが高い。プライドは邪魔だ。ライターとして一人で働き始めてから、何度この言葉を自分に言い聞かせたことか。

今日は一風変わった経営者の話をしたい。100人以上インタビューしてきた人の中で一番印象に残った方の話だ。しかし、ビジネス雑誌に送る原稿ではこの部分は省いた。記事のコンセプトに合致しなかったからかもしれないけれど、もう少しプライベートな場で公開したかっただけかもしれない。

その社長はITの分野で起業して30代にしてひと財産を築きあげた人だ。インターネットのあるサービス分野でNo.1のシェアを獲得している。仮にその人をN氏としよう。今日はその人の話をしたいと思う。

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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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