fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

歴史

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センゴクに学ぶ、組織の規律と情報統制

遅ればせながら、センゴク天正記8巻を読みました。
以下、ネタバレ含みますので、読んでない方はご注意ください。


センゴク天正記(8) (ヤングマガジンKC)センゴク天正記(8) (ヤングマガジンKC)
著者:宮下 英樹
販売元:講談社
発売日:2010-03-05
おすすめ度:4.5
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僕は歴史オタクまでいかないまでも、歴史好きで、フィクションが含まれる歴史モノであっても結構楽しんで読むことが出来ます。

このセンゴクという漫画は結構スゴくて、もちろん戦国時代を舞台にした漫画なので、どうしても戦いのシーンが中心になるんですが、合戦のシーンのみならず、戦国時代の経済やテクノロジーの発展の描写も細かくて、あたりまえだけど、戦国時代と言うのは戦いの巧拙だけではなくて、国全体を巻き込んだサバイバルだなぁ。と改めて感じさせてくれる点で大変素晴らしい漫画だと思います。


センゴク第8巻は、マンガのオビに、

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「信長公記」「歴代古案」「越賀雑記」
あらゆる史料から手取川合戦を多角的に検証!!
「北徴遺文」「北越軍記」「長家家譜」
そこで何があったのか?

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とでかでかと書かれているのですが、今回のメインテーマは、織田軍(総大将:柴田勝家)と上杉謙信の激突。上杉軍がさんざんに織田軍の打ち破った、手取川の合戦がテーマです。一番の見所は、上杉謙信のすさまじさ

岩明均の名作、雪 の峠・剣の舞にも上杉謙信は出てくるのですが、

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス)雪の峠・剣の舞 (KCデラックス)
著者:岩明 均
販売元:講談社
発売日:2001-03-21
おすすめ度:4.5
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上杉謙信と言えば、当時の戦国武将にとって、カリスマだったみたいですね。

自分のことを毘沙門天の生まれ変わりだと信じていて、単騎城の間近までいって、鉄砲の弾幕に身をさらしながらゆうゆうと酒を飲みながら敵を偵察したり、と狂ったようなエピソードがわんさと出てきます。

まぁ、当時の鉄砲の射程距離と命中精度を知り尽くした上での偵察とも取れますが、やはり戦場の運を味方につけていたというのはあるのかもしれません。

戦場の運と言えば、東郷平八郎ですよね。日本海海戦の司令官に東郷は「運が良い」から選ばれたというのは有名な話ですが、(もちろん他にも国際法に詳しいとかあったのでしょうが、運はかなり多真面目に理由にされたみたいです。)実際にもの凄く強運だったらしく、日本海海戦の時に艦橋に身をさらし、周囲が砲撃される中、東郷平八郎のいる周囲だけは、最後まできれいなままだった。というのも伝説のひとつでしょう。ここらへん、艦橋に身をさらしつつ指揮をとり、その身と引換に英国を守ったネルソンに比べ、格の違いを感じさせます。(もっとも、艦砲に対する信仰と現人神とされた東郷元帥が、その後の日本軍の硬直化を招いた可能性は否めませんけどね。)

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さて、余談が過ぎました。

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30

弱者のキャリア、あるいは妄想という名の切符


3月のライオンというマンガがある。作者は「ハチミツとクローバー」などで有名な羽海野チカさんだ。厳しいプロ将棋の世界を、優しいタッチで描いた作品だが、プロフェッショナルとは何か。キャリアとは何かを考える際に参考になる話がいくつも出てくる。そこだけ取り上げると「働きマン」みたいだ。

さて、その話の中に、主人公の桐山零がトーナメント戦の、次の対局相手のベテランの研究をそこそこにし、決勝で当たると思われる相手(後藤)の研究を一心にする。という場面が出てくる。その研究中の姿をたまたま見かけたのはスミスと呼ばれる別の棋士。零の友人でもある。

スミスは後藤の準決勝で当たることになっていた。スミスが勝ち抜くとは微塵も考えず、後藤の研究を一心にする零。その姿を見てスミスは心を痛めるが、「勝てるかもしれない。」「優勝できるかもしれない。」そう考えるやつじゃなきゃ、プロの世界の頂点には絶対に立てない。と思いを馳せる。

零は後藤と当たることはかなわず、研究をないがしろにしていたベテラン棋士、島田に敗れる。そして、スミスは後藤に敗れる。そして、お互いがお互いを恥じ、悔いる。プロの厳しい世界を描いた良作だ。

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18

シナリオを、描け。

センゴク(8) (ヤンマガKCスペシャル)センゴク(8) (ヤンマガKCスペシャル)
著者:宮下 英樹
販売元:講談社
発売日:2006-03-06
おすすめ度:5.0
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予測と準備の重要さは…
夫婦喧嘩も国家の運営も合戦でも同じこと

常に事前に準備せよ
合戦の前に勝利を決めよ


矢を放つ槍を合わすは
事後処理に過ぎぬ




わかっておる。そろそろだと…思うたわ
織田家を潰す準備は出来ておる

(センゴク 8巻 武田法性院信玄)


毎度どうも。「人生で大切なことは全てマンガで教わった」 fukuiです。

仕事も恋愛も就職活動も、
実は戦う前に9割は勝敗が決している。

もちろん最期の1割は大事ではあるが、弾薬がなく、補給路も整っていない軍隊で、
戦いに勝つことは出来ない。

提案前に受注できるかどうかは9割方決まっている。
(訪問前に。ではない。いい提案をするための準備のための訪問は当然必要だ。)
面接は、本番前の情報収集と準備で9割決まっている。
エントリーシートだったら、書く前に有識者のチェックを得ることぐらいは最低限の行動だ。

シナリオが大事だ。
「絵」をかけるやつがデキるヤツだ。

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昨日、知人から面白い話を聞かせてもらった。
ある国際的な企業の経営陣にプレゼンの機会をもらえそう、とのことだ。
ただ、社会を変えるぐらいのデカい絵を描いて持っていかねば話も聞いてくれないらしい。

こ、これは…。
数千万~億の仕事だな。

まぁ、そういうものだろうな。
一流は、提案する「人」と「中身」両方を見て、合理的に判断する。
一流の「絵」をかけるほどの実力が僕にあるかどうかは、ともかくとして、そういう人と話せる貴重な機会があるのであれば、そういう場に出て、自分の力を試してみたいものだ。。。と、思う。

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営業には3種類あると思う。

1)商品を販売する営業。
2)ソリューションを販売する営業
3)ビジネスシステム(ビジネスの仕組みそのもの)を提案する営業。

当然、どれも接触からクロージング、納品まで一連のシナリオがあるわけだが、
どの世界であっても 能力の向上に伴い、1→2→3と売るものが変化してくる。

経営コンサルタントだって、下手なコンサルタントは(1)しか売れない。
(あるいは、売りの場に出させてもらえず、2~3の力がついて初めて営業の場に出ることができる。)

商社マンは3を売るのが本来の姿なのであろうが、実力がないうちは、社内に届くメールや伝票、FAXの処理をするだけの毎日(つまり(1)だ。)

どうしても、学生の間は「営業」と聞くと1をイメージしてしまうだろう。(僕もそうだった。)
もちろん1は基本だけれど、今の僕が何かを営業するとしたら3の提案にこだわりたい。

1も2も3も面白いが、1の先に2があり、2の先に3があることを知って営業の実力をつけるのと、つけないのとでは、その後の成長に大きな差が出てしまうに違いない。
自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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