fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

経済学

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経済学素人のためのミクロ経済学 -供給


はじめに
序章:市場と政府の役割
1章:市場
2章:供給

経済学素人(←つまり、僕のことです)のためのミクロ経済学、三回目は「市場」について整理します。
例によって、ネタもとは八田達夫先生のミクロ経済学です。

■企業の役割

in-out

企業は土地や機械など投入物(=input)を生産工程に投入して、産出物(=output)を生み出します。投入物には一定期間内に投入する量を変化させることが出来る可変投入物と、変化させることができない固定投入物にわけることが出きます。期間によって、何が可変投入物で何が固定投入物になるかは変化します。


■供給曲線

supply

企業はある財・サービスに関して、個別の供給曲線を持ちます。(100円という価格で、財・サービスを20提供できる企業もあれば、50提供できる企業もある。)

企業が個々に保有する供給曲線を足し合わせると、産業全体の供給曲線となります。

企業の供給曲線が曲線になっていて、供給する量が多くになるにつれ、価格の上昇スピードが早くなるのは、限界生産力逓減の法則があるからです。

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魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」

なんというか、天才的な作家というのはいるものだよなぁ。

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」【パート1】


経済学と政治と戦争を、ファンタジーと男の願望をミックスさせて書くとこうなるのか。という傑作。

いつか経済学や政治をテーマにした小説を書きたいと思っていたけれど、これぐらいの完成度のものがフリーで発表されてるって、やっぱ2chって凄いなぁ。と思ったり。

正直いって、僕は読みながら何回か泣きましたよ。
なんでですかね。


ちなみに、全部一気に読みたいという人は下記のまとめサイトをどうぞ。

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」 まとめサイト


トータル86万字って噂があるから真面目に読むとリアルに丸二日間取られるので、お気をつけください。
(というエントリを、昼休みの時間に合わせて投稿するという罠…。)

きっと近いうちに出版の話とか、ゲーム化の話とか出てくるんだろうな。
それはいいことだよね。
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経済学素人のためのミクロ経済学 -市場とは

経済学素人のためのミクロ経済学、三回目は「市場」について整理します。
例によって、ネタもとは、八田達夫先生のミクロ経済学です。自分の勉強のためにまとめたもので、随分はしょってますので、興味のある方は是非原書をご覧頂ければと思います。

■経済主体の活動と市場

words

経済学では、経済活動(財・サービスの消費・生産・取引)をする単位のことを経済主体と呼び、経済主体には、家計・企業・政府などがあります。

企業は、労働・土地・中間投入物・資本を投入して、財・サービスを生産します。(※中間投入物とは、モノを生産する際に短期間で消費されてしまうものを指し、それ以外のものを資本と呼ぶようです。中間投入物≒原材料と考えればよいかもしれません。)

家計は、一般家庭と考えればよいと思います。

経済主体の中心となるのは、家計と企業になるのですが、その関係は下記の図で表すことができます。

economy
  • 企業は家計から、労働・土地・資本などの要素サービスを購入し、財・サービスを生産します。
  • 家計は企業から生産物を購入し、要素サービスを提供します。

実際には、企業も他の企業からモノを買ったり、家計も他の家計からモノをかったりしているのですが、単純化のためにいったんそれらはモデルから無視して考えます。

また、家計が資本を企業に提供するというのはイメージしにくいかもしれませんが、実際には家計は銀行預金や株式の保有を通じて企業に資本を提供しています。

家計も無数にありますし、企業も無数にあります。無数の家計と企業が要素サービスや生産物をやり取りする場を市場と呼びます。
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経済学素人のためのミクロ経済学 -市場と政府の役割

前回のエントリで、八田先生のミクロ経済学を読んで学んだことを定期的にアップしていきます。と書いたので、まず第一弾。次回のアップはおそらく一週間後になります。序章だけで結構な量になったけど、大丈夫かな。


八田先生のミクロ経済学では、冒頭に次の言葉が紹介される。
貧困を嫌悪している政治的に極左の人々は、貧困を固定化する政策を支持している。市場を尊重する自由放任主義の熱狂的な支持者たちは、市場の崩壊を引き起こすシステムを提唱している。
これは、ジョン・マクミランの言葉だが、現在の政治の問題点を鋭い言葉で突いた言葉だ。この言葉に八田先生の問題意識は集約されているように感じる。

僕たち国民一人一人に求められているのは、各党が打ち出す政策が、貧困を固定化したり、市場の崩壊を引き起こすようなものではないか、理性的に考え判断する力なのだろう。


■政府の役割
市場では、他人が最も必要としている財やサービスを、より安く供給する個人や企業が成功します。このことを通じて、市場は国民の生活水準を改善します。(アダム・スミス 「国富論」 1776年)
市場の役割は上記のように紹介されているが、市場は万能ではない。とも述べられている。万能ではない市場を補完するために、政府の役割がある。

政府の役割は、再分配、「市場の失敗」の是正、「政府の失敗」の是正の3つ。

market_1

1.再分配

競争の舞台から転げ落ちた者とその子どもたちに対するセーフティネットを政府が整備すること。たまたま訪れた運や、持ち合わせた才能によって高額な所得や資産を得た人から、運や才能に恵まれなかったために、所得や資産が少ない人へと再分配を行うこと。らしい。
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経済学素人のためのミクロ経済学

ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策 (プログレッシブ経済学シリーズ)ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策 (プログレッシブ経済学シリーズ)
著者:八田 達夫
販売元:東洋経済新報社
発売日:2008-10
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

僕は学生時代に比較的熱心に経済学を学んだのだけれど、BlogやTwitter上で経済学に関する記事を見かけるたびに、経済学を学び直したい気持ちを強くしてきた。

  • スゴく賢そうな人たちが、全く異なる見解を持つのは何故なのだろう?
  • 初歩的な経済知識があればわかるような間違った見解を、声を大にして語る人がいるのは何故だろう?
  • 部分ばかり論じて、全体最適の実現に関して論じられないのは何故だろう?

そんな疑問を持ちながら、BlogやTwitter上の議論を見ていたが、経済についてよく理解し、適切な投票行動をとったり、社会や経済に対して働きかけを行っていくためには、結局のところ投票者たる僕たちが、経済について最低限の理解をしていないといけないと感じるようになった。

そこでオススメされたのが、上記の八田先生によるミクロ経済学。人から勧められたものを鵜呑みにするのは余りよくないことだと思うが、手に取り、しばらく読み進めて行く中で、八田先生の細かなところまで配慮された文章構成に思わず唸らざるを得なかった。読み進めて行くうちに、八田先生は学者と言うよりも教育者だな。という感想を強く持つようになった。このミクロ経済学の教科書の素晴らしい点は次の通り。
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自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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