fukuidayo

人と組織と、fukui's blog

32歳にして会社を辞め、小説家になることを志し、食うために起業したある男のblogです。

これからの時代の学び方

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国がトップダウンで決める教育のあり方では、もう間に合わない

今日はいくつか教育に関しての気になるエントリを見かけた。ひとつは下記。

教育の改革は火急の問題 - 松本徹三

前半部分の日本の塾システムの馬鹿馬鹿しさに関しては、一方的な見解で納得出来るものではないが、後半部分の松本氏の主張には賛同できる。
画一的な価値観ではなく、多様な価値観に支えられた教育。それぞれの人間の多種多様な興味を尊重し、それを育てていくような教育。表面的なものではなく、真に自らが誇れる「実力(競争力)」を身につけられる教育。そういう教育こそを、日本の若者達の為に、我々はこれから作り出していかなければならないのではないでしょうか。
もっとも、上記のような教育を実現するためには、教育システムの改革の前に親の改革が必要だ。(記事中に出てくる夫妻は、中高一貫校以外の選択肢を考えていないのだろうか?)

しかし、多様な価値観が認められ、多種多様な興味が尊重されるようになれば、それは個人が持つポテンシャルを最大限発揮する社会につながると思う。(この点に関しては、もし宜しければ過去エントリ 知能を幅広く捉える をご覧頂きたい。)

もうひとつは、Twitterでkojisato515さんが、大学の分野別品質保証の在り方検討委員会に呼ばれたという話だ。

前述のように、僕は教育に関して多様な選択肢が選べれば良い、と思っているのだが、行政主導のトップダウン形式で大学の学びの品質を定義することは危険を感じる。

現在、ゆとり教育が問題になっているが、ゆとり教育とは第二次ベビーブームの頃の過酷な受験戦争が社会問題化したときに、提唱された。実際に施行されたのは少子化が進み、大学全入時代が始まってからだった。この頃には学生の学力不足が問題にされるようになっていた。

たとえ良い施策であっても、時期を間違えると効果的に機能せず、逆に歪みを作り出す。
そして、政府や行政の意思決定は多くの場合において、市場の調整機能よりも遅く、硬直的だ。
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29

時間という資産に関して僕の思うこと

数日前にTwitterでこのような発言を見かけた。
多くの人は、自分の持っている貴重な財産である「時間」を、すぐその場で「お金」に換えて生きている。手に入る成功というのは、代価として払う「時間の投資」と釣り合っている。(喜多川泰)
時間の重要性に関しては今更改めて述べるまでもない。一人一人に与えられた、貴重で有限な資産だ。

しかし、この時間を何に投資すべきか、そして何を得るべきか。という答えに関しては一人一人なかなか答えが出せない。一人一人が考え、目的を明確にし、ある程度まとまった時間を投資しなければ、きっと何も得られない。しかも、時間を投資して何らかの成功を得ようと思った場合、投資に対しての成果はS字カーブを描く。ある一定の時間を投資しなければ成果も得られない。

時間の価値について、自分なりの考えをまとめようと思ったので二人の偉人の話をしようと思う。一人はアインシュタインで、一人は本Blogでも何度も取り上げている、ドラッカーだ。
こんな確執があったせいで、ヴェーバーはアインシュタインが研究職に就くのに必要な推薦状を書かなかった。そのため、アインシュタインは大学卒業後の7年間を、スイスのベルンで特許局員として過ごすことになった。(中略)

アインシュタインはお役所仕事をこなせばよく(当初の肩書きは「見習い三級技師」というものだった)、特許業務は一日に数時間もあれば片付いたので、残りの時間を自分の研究につぎ込むことができた。(以上、宇宙創成 サイモン・シンより引用)
アインシュタインはこの見習い三級技師の間に、後に「ブラウン運動の理論」として知られるようになる論文で博士号を取り、後にノーベル物理学賞の受賞に繋 がる光電効果の発見をし、特殊相対性理論を発表した。特殊相対性理論は当初、博士論文として大学側に受け入れられなかったため、つくづく大学とは縁が無かったの かもしれない。

彼は、私は天才ではない。ただ人よりも長く一つのことと付き合っていただけだ。という言葉を後に残している。

次に、ドラッカーの話をしよう。
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25

願望や欲を力に変える

P.F.ドラッカーの残した言葉は素晴らしいものばかりだけど、中でも心に残っているのが、この一節。ドラッカーの父と、偉大な経済学者ヨーゼフ・シュンペーターのやり取りだ。(プロフェッショナルの条件より引用)
父はにこにこしながら。「ヨーゼフ、自分が何によって知られたいか、今でも考えることはあるかね」と聞いた。シュンペーターは大きな声で笑った。私も笑った。というのは、シュンペーターはあの2冊の経済学の傑作を書いた30歳ごろ、

「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、そしておそらくは、世界一の経済学者として知られたい」

と言ったことで有名だったからである。
彼は答えた。

「その質問は今でも、私には大切だ。でも、むかしとは考えが変わった。今は一人でも多く優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたいと思っている。(中略)私も本や理論で名を残すだけでは満足できない年になった。人を変えることができなかったら。何にも変えたことにはならないから。」
シュンペーターはこの会話の五日後になくなった。ドラッカーは、シュンペーターのこの言葉から3つのことを学んだと言う。それは、
  1. 人は何によって知られたいかを自問しなければならない。
  2. 問いに対する答えは、成長に伴って、変わっていかなければならない。
  3. 本当に知られるに値することは人を素晴らしい人に変えることである。
とのことだ。
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16

<就活>廃止時代の採用サイトはどうあるべきか

<就活>廃止論~会社に頼れない時代の仕事選び~

が、本日出版された。2章までは就活<廃止論>ブログで読むことが出来る。経済を取り巻く環境の変化にあわせて、今までのような採用媒体に企業が採用広告を出し、大規模なセミナー会場に多くの学生を呼び、たくさん集めてたくさん落とす。という不思議な<就活>の仕組みも終わりを告げていくのだろう。

就活の仕組みが変わる、終りを告げる。ということは、リクナビやマイナビ、ジョブウェブといった就活サイトの役割も変わらなければいけないことを意味している。

しかし、どのようなサイトに変化すべきなのか。
そのことについて本日は考えてみたい。

■企業は力のある学生しか欲しくない

城繁幸氏が興味深い考察をしている。

新卒神話の終焉が意味するもの:Joe's Labo

ただし、求人倍率的には“元祖氷河期”の方がよっぽど低い。最低は00年卒業者に対する0.99。本年卒業予定者は1.62と、求人倍率だけを見れば氷河期とはいえない数字だ。
つまり、求人は出しても内定は出さない企業が増えたということになる。この事実は、新卒採用のトレンドが、過去10年の間に大きく変わったことを示している。
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13

blogを書いてイノベーションを生み出す力を高める方法

Summary
  1. 何が成功するか、何が失敗するか自分でもわからないことが多い。
  2. 故に、試行を繰り返し、予期せぬ成功や失敗を活かすことがクリエィティビティやイノベーションを生み出す力を高める近道
  3. 毎日ブログを書くという作業は、そのトレーニングに利用出来る。
  4. 毎日ブログを書くために意識すべきことは4つある。

最近、あるサイトのことが気になっています。

開設(超人気エントリを書いた方の次回予告)


はてブで4000以上のブックマークがされている超人気エントリ(2010年1月13日時点)を書いた方の次回エントリ予告です。元エントリは、ご覧頂ければわかるとおり、英語力を高めるためのノウハウがぎっしり詰まっている優良エントリです。

しかし、気になる点があります。次に、勉強を続ける方法・やる気について書く。ということを宣言しておられるのですが、随分更新が止まっています。

程度の差こそあれ、似たような経験(次回作品の予告をしたものの、進まず)をされた方も多いのではないでしょうか。恥ずかしながら、僕も同じような経験をしたことがあります。大事な原稿の締切に間に合わず、編集の方に迷惑をかけてしまいました。面白い記事を書かなければ。というプレッシャーが仇となってしまったのです。

こういった、成功がプレッシャーとなり、新しい成功が生み出せなくなる。という現象は、映画でも、音楽でも、商品開発でも、新事業開発でも、クリエィティビティやイノベーションが必要とされる取り組みではどこでも目にする光景です。

「手軽に磨ける創造力」「気軽に起こせるイノベーション」そんなものがないことぐらい、分別のついた大人であれば誰でもわかります。しかし、現代のビジネスは、働く個人ひとりひとりにクリエィティビティやイノベーションを期待するようになっています。

しかし、ほぼ毎日ブログを投稿するようになって、僕はブログを書くという行為そのものが、クリエィティビティやイノベーションを高める力があると感じるようになりました。

せっかくですので、クリエィティビティやイノベーションを生み出す力を磨きたいという人のために、僕が編み出したやり方をお伝えしたいと思います。
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12

ひとりひとりの人生にある小さなconnecting the dots(ジョブズの言葉より)

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Twitterで経営戦略・マーケティングを実践的に学ぶ

昨日まで、学生時代に起業して成功する方法について3回にわたって書いてきました。僕はTwitterで情報収集をしながら書いているのですが、書いていてぼんやりと感じたことは、

起業のプロセスとTwitterのフォロワーを増やすプロセスは大変似ている。

ということです。うまく使えば、自宅にいながらにして、ビジネススキルを身につける実践的なトレーニングになると思うので、ビジネス力を高めるためには、どのようなことを意識しながらTwitterを活用すればいいのか、この機会にまとめてみたいと思います。

もちろん、Twitterは自由なツールですし、人それぞれ自分なりの楽しみ方を見出せばよいのだろう、と思います。今回のエントリはあくまで、Twitterをビジネスのトレーニングとしても活用したい。という人を対象としています。就職活動を控えた学生さんや、起業準備中のビジネスパースンであれば、面白く読んで頂けることと思います。特に、経営戦略やマーケティングを学んでいる学生さんや、マスコミへの就職を志される方は「実践の場がない!」という問題意識を日頃から感じていらっしゃるでしょうから、良い実践の機会になると思います。

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6

これからの世代は日本に縛られる高所得者にはなってはならないようだ

2ヶ月ほど前の記事のようだが、Twitter経由で今頃知ったのが次の記事です。

やがてくる大増税時代に豊かに生活するために準備すべきこと

極論もありますが、なるほどと思ったところもありますので、気になったところを書きだします。
以前のエントリ(学生時代に学ぶべき学問:衰退の10年を生きる)で、学生時代に学ぶべき学問を 哲学/経済/会計・ファイナンス/語学 としましたが、それと非常にかかわり深いエントリです。

冒頭で紹介した記事によると、新たな時代を生き抜くために意識しておくことは次の通り
  1. 貨幣システムが存在しない生産と消費を心がける(自給自足と物々交換)
  2. 個人で法人を設立し、法人の会計と個人の会計を連結させる
  3. 時間リッチな人と時間プアな人ではお金の価値がまるで違う
  4. 優秀な若者が海外に流出したらすぐに経済がダメになるというのは一部の金持ちのポジショントーク
ちょっと個別に見ていきますね。


ますは、貨幣システムが存在しない生産と消費を心がける。

本来、お金っていうのは、モノの価値を一般化して流通をよくし、分業を促進するための人類の画期的な発明だったと思うのですが、税金が高くなると、モノを作って売るたびに政府に搾取されるので、貨幣でやりとりせず、物々交換するのが良い。ということですね。また、自分で作れるものは自分で作れ。と。


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5

秋田 国際教養大の驚くべき戦略

前回のエントリでは、人口減少時代の大学教育について考察しました。
そんな中、人口減少時代のモデルとも言える活動を展開している大学の記事をみかけたので、紹介します。

〈学長力〉秋田発 世界標準に 国際教養大 中嶋嶺雄学長

よくある大学の戦略や学問のあり方を語るだけの記事であるならば気にもしないのですが、ブームにのって設立された新設大学と違い、しっかりしたコンセプトと戦略を感じたので、ご紹介したいと思います。

国際社会で活躍出来る人物を育てる、というコンセプトのもと、国際教養大では

  • 授業は全て英語
  • TOEFL550取得必須
  • 1年間の留学を義務付ける

以上の方針をとっています。これだけでも十分素晴らしいと思いますが、更に感心したのは教授の選抜方法です。前回のエントリで説明した、教育と研究は違う。ということを十分理解し、教員の選抜を行っているです。以下は、学長の言葉です。

「教員はほとんどが国際公募で、当初20人の募集に400人以上来ました。その中の60人に面接し模擬授業をやってもらったのが非常によかった。経歴だけ見ると、ケンブリッジやオックスフォードで博士号を取った人もいたが、研究と教育はかなり違う。若い人に教養を教えられるかどうかを見ました。
新設大学として、大学が持つ研究の側面を捨て、教育にフォーカスしています。資源に限りがある新設大学としては極めて正しい戦略です。

  • 教職員の任期は3年で固定

そのため、人件費を抑えつつ、若く、優秀な非常勤講師を揃えることも出来ていると思われます。

ユニークで時代に即した教育方法を取り入れることで、高い教育効果を上げていると思われますが、
驚くべきは、これだけではありません。

高い教育効果が就職に大きな影響を与えているのです。
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4

人口減少時代の大学教育はどうなるか

事業戦略を立てる際に、外部環境分析は、真っ先に行う分析です。
中でも、単純ながら効果的に機能し、確実に生じる未来を予測出来るのが人口動態の変化です。

P・F・ドラッカーは、イノベーションのための7つの機会の一つとして人口動態の変化を挙げ、その中で1970年代のアメリカの大学を事例として取り上げています。

1970年当時、アメリカでは、学校の生徒数が、少なくとも10年から15年間は、1960年代の25%から30%減になることが明らかになっていた。つまるところ、1970年に幼稚園児になる子供は1965年以前に生まれていなければならず、しかも少子化傾向が急に変わる様子もなかった。

ところがアメリカの大学の教育学部は、この事実を受け入れようとしなかった。子供の数が年を追うに従って増加することは自然の法則であるとでも考えているかのようだった。そうして彼らは、教育学部の学生の募集に力を入れ、その結果、わずか数年後には卒業生の就職難を招き、教師の賃上げに対する抑制圧力を生み出し、挙句の果てに教育学部の廃止を余儀なくされた。

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専門家たちが、自分たちが自明としていることに合致しない人口構造の変化を認めようとせず、あるいは認めることができないという事実が、起業家に対し、イノベーションの機会をもたらす。しかも、リードタイムは明らかである。すでに変化は起こっている。(イノベーションと起業家精神<上>)

さて、日本は未曾有の少子化に直面しているといいます。このような環境下で日本の大学はどのような取り組みを行うべきか、少し考察してみたいと思います。続きを読む »
自己紹介
プロジェクトデザイナー。富山県在住。人と組織の問題に興味があります。小説の原稿の断片、日々感じる社会や経済に関する疑問、書評を徒然なるままに。

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