下記は国税庁の民間給与実態統計調査から拾ってきたデータだ。

民間の平均給与額

このデータによると、1998年のピーク時を境に民間の平均給与額は下がり続けている。
2010年のサラリーマンの平均給与は1989年の水準を下回った。
収入という観点で見ると20年以上前に時代は退化している。

この期間労働力人口は一貫して増え続けているとか、非正規雇用者の割合が増え続けているとか、高給取りの方が無事退職し、若手の給与は伸び悩んでいるとか、うつに悩む人が増えているとか、そういう個別の議論は本題ではないのでやめておく。

企業が人件費という名のコストを削減するのは当然なので、非難するつもりはない。
国の政策を嘆いてみても、政治家を選んだのは僕達国民ひとりひとりであり、改革するには時間がかかる。

しかしながら、この減少する給与と、その一方で増え続ける税・社会保障負担が社会の閉塞感を生み出す一因となっていることは間違い無いと思う。

今日よりもよい明日が生まれる確信があれば、人は活き活きと生きることができるけれど、
明日が今日よりも悪くなるという思いが心と体を満たしていたら、どうしても気分は塞ぐ。

大都市であれ、地方であれ、「明日が今日よりも良くなる。」という確信が持てない。という意味では似通っている。

与えられたルールの中で、自分の人生の最適解を求めるしかない普通の人が、
今日よりも良い明日を送るために選びうるオプションは大きく5つに分けられる。

  1. 人の倍働き、仕事で活躍する。
  2. 一度、今の生活をリセットしてみる。
  3. 副業に取組み、収入を倍加させる。
  4. 起業・独立し、自分の人生を生きる。
  5. 資産形成と運用について真剣に考える。

ちょっと不思議なように感じられるかもしれないが、あえてこの順番にしてみた。
結局のところ、いま僕がプロジェクトとして取り組んでいることはこの5つのどれかに結びつく。
精神的なモノとか、究極的に一番大切なのは家族だ、とかは書き始めるときりがないので、書くのを避けた。

詳しくは後日のエントリで述べるとして、今日はそれぞれのオプションのポイントを語りたい。
 どのやり方にも、性格や個人が置かれた状況によって向き、不向きがあるので、自分にあったやり方を見つけることが大切だ。 

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1)人の倍働き、仕事で活躍する。

基本はコレだ。
若く、体力があり、仕事のために割ける時間が充分にあるのであれば、特にオススメだ。イメージとしては、20代~30代前半の独身男女がこれに当たるだろうか。(もちろん例外はある。)

資格の取得や転職でのキャリアアップも広義でこれに当てはまる。

メリットは、リスクが少ないことだ。そして、仕事で磨いた力は他の2~5のオプションに取り組むゲートとなる。
デメリットは、人の倍働き仕事で活躍したからといって、給与面や生活環境が良くなるとは限らないことだ。場合によってはもっと過酷な環境に追い込まれることすらある。

人の倍働き、仕事で活躍することで報われる会社なのかどうか。
その見極めが大切になる。


2)一度、今の生活をリセットしてみる。

個人的には結構オススメで、僕のもとに相談に来る人の中にもこういうタイプの人は多い。
「農業をすることになりました。」「脚本家を目指します。」「妻の実家でゼロから再出発を目指します。こんな感じ。 

おそらく収入は激減する。
貯蓄も減り続ける。

それでも、もし家族が許してくれる環境があるならば、チャレンジしてみる価値はある。
これまで、毎日、毎月の収入に汲々としてたけれど、「結構生きていけるもんだな~」と感じるかもしれない。
短期間でもいい、やりたいことにとにかく没頭してみた結果、ストレスから開放され、自分自身が取り組むべき本当のミッションが見えることがある。

リスクは大きい。

リスクが大きいからこのやり方をおすすめするのは、人の倍真面目に働き、心なり体なりが、「限界だな~」と感じ始めた人に限る。20代のころにストックしたビジネススキルと人脈は、数年フラフラする時期があったからといってなくならない。逆に本当に大切なスキルと人脈に気付くきっかけとなる。


3)副業に取組み、収入を倍加させる。

副業といってもそれなりに儲けようとすると時間がかかる。だから、(1)の人の倍働く。とはなかなか併用できない。

働く意欲はあるけれど、勤務時間が限定されていたり、労働時間を増やしても収入が増える見込みがない人にオススメだ。 

メリットは、リスクが低いこと。これが成功すれば、2や4や5に繋がるゲートとなることだ。
デメリットは、それなりに稼ごうとすれば時間なりお金なりがかかることだ。

サラリーマンが行う不動産投資なんかもこの類だし、ネットオークションやアフィリエイトで小銭を稼ぐのもこの部類にはいる。兼業農家もここに入る。自分の仕事と関連した副業であれば、勉強の効率も上がるし、稼ぎやすい。真剣に稼ごうと思って一年真剣に取り組んだら、本業以上の収入になることもある。


4)起業・独立し、自分の人生を生きる。

僕に一番合っていたのはこれだし、多くの人におすすめしたい。
リスクは起業前の勉強量による。でも悩ましいのは、起業して得られる1年の学びは、起業前の10年の学びに匹敵することだ。だから、取り組む際にはバランスが肝心だ。

メリットは、成功した場合のリターンが大きいこと。新しい経験や人生と出会えること。
デメリットは、借金して大きな事業を行うと、とたんにリスクが大きくなることだ。


5)資産形成と運用について真剣に考える。

メリットは他の1~4のオプションと併用できることだろう。
また、扱う資産額が多くなるほど、ここについて学んでおくことのメリットは大きくなる。

そして、取り組むことのメリット以上に、これからの社会は取り組まないことに対するデメリットが大きくなっていく。かつての日本は銀行預金なり郵便貯金なりが、リスクが最も低く、リターンが高い投資だった。だから、日本人の貯蓄率が高いのには意味があった。そういう絶対的な投資手段(=貯蓄)があったために、多くの日本人から失われてしまったものは、資産形成や運用についての知識や経験だ。

いま、私もAOIA社と共同で開発したツールセミナーを通じて、この分野の知識や経験を持つ人を増やそうとプロジェクトを進めているので興味のある人がいたら是非参加して頂きたい。


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さて、近いうちにいま紹介した5つのオプションに関して、僕なりの考える視点、ヒントを提示したい。
役に立たないものが大半だろうけれど、基本的には自分で経験し、検証してきたことをベースに書くつもりなので、その中で役に立つと感じられるものだけを拾ってもらえればそれでいい。

人は万能じゃないし、不完全だ。
だから無限の可能性がある。