クリスマスだというのに、ディプロマシー仲間のアイスマン氏に誘われて、富山キャッシュフローゲーム会に参加してきました。

今回チャレンジするゲームはキャッシュフロー202。金持ち父さん貧乏父さんの作者が作成したフィナンシャル・リテラシーを学ぶゲームの上級版です。

僕は入門編のキャッシュ・フロー101は保有しているのですが、202ははじめてです。株式取引にプット、コールの両オプションが加わり、空売りも出来るようになってます。不動産取引にもオプションが加わってます。

現実のビジネスで鍛えた僕に取っては、「お金」に関するゲームで勝利することなど、造作もないこと(のハズ)。なんといっても、僕は企業向けの研修やゲームの作者でもあるのです。初心者ではありますが、主催者を差し置いて優勝するつもりで取り組みます。


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※入門編。1万円もしましたが、研究もかねて以前購入しました。多分、クリスマスや正月休みに家族で遊ぶとお金の勉強にもなっていい感じです。

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※今回取り組んだゲーム。プレイの感想は後ほど詳しく述べたいと思いますが、101に比べるとゲーム性も増し、断然面白かったですね。

■ゲームスタート!

さて、ゲーム開始です。僕が選んだ職業はビジネスマネジャー。せっかくなので現実の職業に似た職業を選びました。
月収46万円にも関わらず、貯金は4万円しかありません。大学生よりも少ないです。よくみると医者やパイロットといった職業でも貯金はその程度しか持ってません。学生でももうちょっと持ってる気が…。アメリカ人のフィナンシャルリテラシーもたかが知れてますね(失礼!)

cashflow

※ゲームボードは101のものをそのまま使いますが、ワークシートは1枚追加されます。
新たなワークシートには、株式のプット、コールオプションや空売りの履歴を書きます。

面白かったのは、微々たる額ですが、最初に一定の資産を保有していること。これはカードを引いて選びます。僕は
  • 30万円の貯金
  • 2世帯住宅(500万円相当、ただし9割ローン。)
  • 中程度の価格で購入した製薬会社の株を500株(75万円相当)
を保有してスタートです。うーむ、貯金が少ないのではなく、資産を不動産や株式で保有しているだけのようです。でも、住宅はローンで購入してるので、やっぱり手持ちの資産は少ない感じ。それにしても住宅の安さはアメリカならではという感じがします。

当面のゴールは、

不労所得 > 総支出

とすること。働かなくとも入ってくるお金が支出を上回る状況をつくることがゴールです。そうすれば、ラットレースと言われる働くために汗水を垂らす領域から、ファーストトラックという、ビジネスをばんばん買って、人生を楽しむレースに参加できるようになります。


■ゴミみたいな資産を保有していっぱしの投資家をきどる痛いヤツ


さて、最初のターン。今回ファシリテーターをつとめるアイスマン氏が引いたカードは、「住宅の購入希望者が現れる。」というもの。住宅を持っている人であれば誰でも1世帯あたり350万円で購入してくれる顧客が現れたそうです。

これはチャンス!

大体、こういうゲームの鉄則は序盤はキャッシュを増やして、選択肢を増やす。というものなので(現実もそうですよね。)、500万円相当の二世帯住宅を700万円で売り払います。ローンを返しても250万が手元に残りました。やった!

早くも自分のフィナンシャルリテラシーに自信を持ち始めてます。

そして、何人かのプレイヤーを経て、僕の番です。このキャッシュ・フロー202では、Opportunityあるいは、Marketのマスに止まると、キャピタルゲインカードと、キャッシュフローカードのどちらかを引くことが出来ます。そして、引いたあと、マーケットのカードを引き、市場の動きを反映させます。

僕はOpportunityのマスに止まったので、少し考えたあとキャピタルゲインのカードを引くことにしました。二世帯住宅を売却したお金でキャッシュは潤沢にあるので、キャピタルゲインを得られるカードを引き、大きく勝負しようと思ったのです。

僕が引いたカードは、製薬会社の株を一株50円で買える。というもの。これは破格の条件です。製薬会社の株は50~400円の幅で変動するというもの。いってみれば、底値です。というわけで、さっき住宅を売却して得たお金200万円をつかって、買えるだけこの株を買おうと試みます。

と、ここでファシリテーターのアイスマン氏から意見が。。

「キャッシュ・フロー202では倒産する可能性もあるから、株式を買う場合は慎重にね…。」
というアドバイス。

確かに、全部の全財産の2/3を一気につかってしまうのはさすがにリスクが大きいような気がしましたし、他にいい取引に恵まれたときに、機会損失してしまいます。

とはいえ、この機会は惜しい。
そこで、全財産の1/2をはたいて、製薬会社の株を3000株購入することにします。
これで、製薬会社の株は3500株。一点買いに一抹の不安は感じますが、まぁ、そうそう企業が倒産することもないでしょう。

さて、僕の次は、ファシリテーターのアイスマンの順番。アイスマンはマーケットカードを引きます。彼が引いたカードは、なんと…。

「製薬会社倒産!」

というもの。保有してから1ターンもたっていません。倒産間際だったから株価が安くなっていたのか…。
調子にのっていたことを悔やみますが、あとの祭り。せっかくの資産の半分を失ってしまいます。

それから、暫くは僕はエレクトロニクス株に入れ込み、またしても安値で100万円分ほど購入しますが、エレクトロニクス株もほぼすぐに倒産。全財産が紙切れになります。エレクトロニクス社はほどなく政府の尽力で再建され、一株40円で売りに出されますが、「さすがにもう倒産はないだろう。」と思って、僕はあまりに悔しかったので、1000株ほど購入します。

それと、となりのプレイヤーが購入を迷っている好きに、バカ高い物件を購入することに成功しました。これは頭金なしで、毎月2万円ほどの不労所得を産むのでラッキーな取引でした。

ついでに、どうも本を出版したらしく、これも毎月2.5万円の収入になるようです。
あと、なにかヘンテコなビジネスの権利を買ったようですが、ここからはまだ収入を得てません。

これで、僕の資産は全てです。ぶっちゃけ、給料をしっかり溜め込んでいたら、今頃「家族全員で笑って暮らせる堅実な生活が一番だよね!」などと笑っていられたのですが…。今は、

・購入した株全てが、紙切れとなったにも関わらず、しつこく一点買いを続ける典型的ダメ投資家。
・のみならずヘンテコな小規模ビジネスの権利は持っている。
・でも、本を出版してそこそこ売れて、ちょっとした小遣いはもらってる。
・人のおこぼれに預かり、謎な不動産を濡れてに泡で手に入れた。
・貯金はほとんどゼロ。


という、とてつもなくダメな人生を送っています。
今のところ、子供はいません。養育費は払わなくていいのですが、こんなオトコには彼女もおそらくいないでしょう。それにも関わらず、ゴミみたいな資産を保有していっぱしの投資家をきどっている痛いヤツ。。。


っていうか、オレです。それ。

ゲームって自分の性格が出るときが多いと思うんですが、それにしても、性格でまくりで、見てて自分で痛くなってきました。


iceman

※講師をしてくださったアイスマン氏。
人が良くてディプロマシーは弱いくせに、キャッシュ・フローゲームはさすがの実力でした。



■ラットレースを抜け、ファーストトラックへ


そんな、痛々しい僕ですが、他のメンバーも似たりよったり。ささやかな投資をしたり失敗をしたり。偉大な投資家でもなければ、家庭が崩壊するほど持ち崩してもいない。稼いでは使い、投資しては失う。

まさに平和な国、日本を象徴するようなゲーム展開が繰り広げられます。

そんな僕の運命を変えたのは、倒産の憂き目にあってから不死鳥のごとく復活した製薬株
さすがに何度も裏切られた製薬株です。もう、こんなクソ株買おうなんてこれっぽっちも思ってません。
僕が引いたカードは、製薬株のプットオプション。これは手数料は支払わなければいけないのですが、製薬株の価格が変化したときに、一株350円で売れる。という権利です。ただし自分の番が3回回ってくる間に得らなければいけません。

僕はなけなしのお金から10万円を支払い、このプットオプションの権利を購入しました。さすがにもうこの製薬会社が倒産するとは思っていませんが、価格は必ずや下落するだろう。と読んだわけです。まぁ下落しなかったとしても、何も失うものがない僕にとっては10万円ぐらい…(←こういう思想が人をダメにしていくわけなんですが。)

と、そのプットオプションですが、僕の次のアイスマン氏の時にさっそく権利を行使する機会がやってきました!

なんと、問題を起こして株価が50円に下落!
人体実験でもしたのでしょうか…。
この製薬会社、本当にどうしようもありません。明らかに仕手株です。

私はここぞとばかりにオプションを行使し、50円で製薬株を1000株購入し、すぐに350円で2000株を売り切ります。手元に残ったのは、久しぶりに見た大金、300万円!

です。

少しお金に余裕が出た僕は、ここぞとばかりにローンを返し、リスクを分散させながら、不動産や株をちょこちょこ購入していきます。

キャッシュがあると、心にも、行動にも余裕が出ます。
その後は、小規模なビジネスのオーナーになったりして、順調に不労所得を増やし、見事開始一時間、一番乗りで、ラットレースを抜ける権利を得ます!

早速ラットレースを抜けるぞ…。と思ったところ、またアイスマン氏から助言が。

「ラットレース、抜けてもいいんだけど、今抜けると、ファーストトラックでの月収が3000万円だね(10倍になる。)。ファーストトラックでは月収5000万円ぐらいあったほうがいいよ…。」

え、そうなの?
迷う僕。ボードを眺めてみると、確かにもうちょっと月収があったほうがファーストトラックを有利に進めることができそうです。しかも、他の人よりはるかに速いスピードでラットレースを抜けた私。もう1周ぐらいすれば、もっとよい条件でファーストトラックにいけるのでは…。

そんな考えが、ふと頭をよぎりました。
そこにアイスマン氏のとどめの一言。

「それに、ラットレースのほうが面白いんだよね!」

決めました。もう1周。こいつら貧乏人につきあってやることにします!


■冷静な判断力を失ったオトコにサンタは微笑まない。

さて、賢明な読者は既にお気づきのことと思いますが、せっかく神が微笑んだチャンスを袖にしたものには2度目のチャンスは訪れません。

僕を待っていたのは、その後の転落人生でした。
正確に言うと、転落はしてません。

少し不労収入が増えては、少し減る。という人生を繰り返すようになります。
あと5万円、不労所得を積み上げてからラットレースを抜けたい。(そうすると、ファーストトラックでは1000万円月収にプラスされます。)

そんな邪な思いをいだいているうちに、かつての戦友たちは、次々とラットレースを抜けていきます。一人抜けると尚更焦り、ここまで来たんだから、なんとしてももうちょっと稼いでやる…。そんな風に考えてしまいます。

結果的に、ラットレースを抜けたのは一番最後。
しかも、結局ファーストトラックでの月収3000万円でのスタートです。

こんなことなら一番最初に抜けとけばよかったです。
浮気するオトコには、サンタも微笑みません。

ゲームも結果的にはビリ。
ラットレースは抜けたものの、散々な初ゲームとなりました。


■一人感想戦

というわけで、キャッシュフロー202ですが、ゲーム性が強くなった分、101よりも面白かったように思います。ただ、現実の日本に合わせるにはゲームバランスの調整が必要でしょう(自分でつくろうかな。)

ゲームの改善点として気になったところは次のようなところです。

・ネットワークビジネスが強すぎる。ディレクターになると、ほとんどリスクもなく、月収が70万円プラスされます。これは日本の現実に即してないように思います。
・不動産は価格をもう少しあげ、流通ももう少し遅めにしたほうがいいように思います。
・株式は変動が小さい上場株と、変動が大きいベンチャー株があっていいと思います。ちょっと変動が大きすぎるような気がしますね。絶対倒産しない株とかあっていいと思う。
・ビジネスに関しては、リスクがないのはいいですが、小規模なものが多いですね。3枚引くと大きく発展するとか、そういうバランスを加えてもいいように思いました。

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とはいえ、お金の知識をつけるには良いゲームだと思いました。
ロバート・キヨサキ曰く、「10回やって10回ともラットレースを抜けれたら、現実社会に出ていい。」らしいので、まずは僕は1回クリアですね。

それとやりこめばもっと気付きも得られると思います。
また機会があれば、取り組んでみようと思います。

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toyama

※会場となったポエシア・ブランカ。
富山は雪が降り積もっています。まだまだ降り積もる予定。
皆様、よいお年を!