資本金1円で起業して、就職氷河期を乗り切る方法 の続きを書こうと思っているのだけど、なんとなく気分がのらなくてかけてない。おそらくネット上が、

起業もあり派と、無責任なこというなよオメー派みたいな感じに別れてて、何書いても誤解を招きそうだったので、ちょっと筆をおいてしまったというところがあるんだと思うんですよね。

起業したい若者に対する大人の本音 : 統計学+ε: 米国留学・研究生活
どんだけマッチョじゃないと起業できないんだ、日本は。 : My Life in MIT Sloan

起業とギャンブル : さまざまなめりっと
若者に起業を勧める嘘つきな大人たち : ひろゆき@オープンSNS


でも実は、両者って違うことを言っているようで、同じことを言っているのです。
すっかり話題の旬は過ぎてしまった気がしますが、僕はこういうネタが大好きなので、ちょっと詳しく説明したいと思います。


まぁ、そもそも両者の論点は合いにくいんですよね。

まず両者でターゲットにしている学生が違うと思うのです。

例えば学生全体に対して、起業せよ!っていっても無理で、起業したらいいじゃん!派は、前提として、凄く能力のある学生をターゲットにしている。僕は、何らかの理由で力はあるけれど、新卒採用市場では評価されない(学歴フィルタや、就職対策に無意味さを感じる層とか、その他差別など)けれど、力があるって人をターゲットにして話を勧めてきたけれど、まぁそれも、「力がある」ってことには変わらない。

それに対して、無責任なこというなよオメー派は力のない人を含めた学生全般をターゲットにして話している。

ホリエモンが、起業なんて楽なものなんです。って繰り返しいってるように、能力のある人にとっては、起業はある意味簡単なものだし、ソニーの盛田氏(個人)が 常々いっていたように、会議で9割が反対するような商品でないと大成功しないものなのだと思います。

事業というのは、誰もが無理 でしょ。って思っているところに、自分の計算で十分な勝算を見出したものだけが、その果実を得ることができるもの。これは、博打やギャンブルと本質的には一緒で、得ている情報の差、持っているリソースの差を利用して、自分なりの勝算(固有解)を得ている人だけが勝つことが出来る。皆が知っている情報だけで勝負しようと思ったら、他の誰でも思いつくような勝算(一般解)しか得られず、結局、過当競争に陥り失敗してしまう、ということと一緒なんじゃない かなと思います。(固有解、一般解のくだりに関しては、とっても簡単な事業計画のたたて方 をご覧ください。)


だから、その自分なりの勝算が見つからないうちは、起業なんてするべきじゃない。ましてや大人にのせられて起業するなんて、愚の骨頂という意見はそのとおりだと思います。(起業反対派の意見)

一方、自分なりの勝算は漠然と待っているだけじゃ絶対に得られなくて、どうやったら勝てるか、本気になって考えてみないと思いつくはずもない。そういう意味では、起業って選択肢はありだよね。と提示して、思 考とキャリアの選択肢の幅を広げて、ゼロベースで考えてみる。っていうのはやってみる価値のあることだし、多くの人がやるべき。(これが、起業派の意見)

また、反対派の意見としては、学生の立場で思いつく起業はスケールが小さくなってしまう。という意見もあります。これは、その通りだと思います。学生起業はどうしてもスケールが小さくなりがち。というのはあります。それは、賭けに用いることができる資金量が限られてしまうか ら。どうしても大きな絵は描きづらい。

もっとも、起業にはいろいろなタイプの起業(利益追求の小企業を目指すのか、世界的な大企 業を目指すのか…)があるので、ゴール次第ではそれもいいのだろうと思います。僕の周りには比較的アートの道に進む人が多かったような気がするのですが、 アーティストなんて一人一人が起業家みたいなものです。そう考えると、昔から起業っていうのは皆が騒ぐほどのものでもないのかな。って考えたりしま す。(もちろん極少数の例外として、以前述べた方々のように学生 時代に起業して大成功してしまう人たちもいます。)

また、就職することで得られるインセンティブは年々下がっている。と いう考え方もあります。昔は大企業の正社員になることができれば、一生安泰ぐらいのメリットがあったけれど、今は全体的に勤め先のメリットが下がってきて いる。(経済全体がデフレ化しているので、それでも構わない。って人であれば、いいんですけどね。)そこで、自分の能力に見合ったリターンを得ようとした ら、起業…。という方向に考える人がいても不思議ではないだろうと思います。

まぁ、そんな感じですね。
結局のところ、結局反対派 も賛成派も、自分なりの勝算がなければ勝負するな。(あと、「周りがとやかく言うな」もかな。)って結論に落ち着くので、両者のいっていることって同じだなぁ。と感じてしまうわけです。


実際には、起業を考えている人は、人が書くエントリなどに惑わされずしっかり自分自身で考え、将来に賭けますから、こんなエントリ書いてもあまり意味はないんですけどね。

なんか後出しジャンケンみたいなエントリになってしまいましたが、僕自身も書きながら落ち着いたので、しっかりと連載を続 けて、最後を締めくくろうと思います。
それでは、また。