昨日、ある企業の方から「組織のモチベーションが下がって困っている。」という話を聞いた。
長引く不況で、組織のモチベーションが低下している企業も多いだろう。

モチベーションをマネジメントするサービスを提供する企業も存在するが、あんまりモチベーションに関しては難しく考えない方がいいと思うのだ。組織の構成員のモチベーションが下がる原因の大部分は、業績の悪化に起因するものだからだ。業績の悪化が、
  1. 頑張っても業績向上に繋がらない(対組織)
  2. 業績向上に繋がらないから、個人の評価にも繋がらない(対個人)
  3. 頑張っても社会に好影響を与えない(対社会)
組織、個人、社会に対して、頑張っても報われないという徒労感から、現状に関しての閉塞感が発生しているのだ。

この関係をきっちり把握していないと、経営者は判断を誤るし、個人は行き場を見失い心が病む。モチベーションを上げれば業績向上につながると言う理屈もわからなくはないが、今の仕事のやり方を変えなければ、たぶん根本的解決にはならない。今の仕事のやり方そのものを変える方向に、モチベーションの向上が活かされるのであれば、まぁいいことだと思う。

最近、社会企業の考え方が流行っているのは、少なくとも社会に対しては好影響を与えられるような気がするからではないだろうか。また、自己啓発ブームは、自分を磨けば少なくとも自分自身は報われるという確信からのようにも感じる。(もちろん、自分を磨くことで、組織や社会に好影響を与えられるようにもなるが。)

このような時代に経営者が取り組まなければいけないのは、業績向上につながる戦略を描くこと(あるいは受け入れること)だし、何はともあれ黒字化を実現することだろう。

一方、個人が取り組まなければならないのは、業績を向上させるために考えることだ。頑張っても報われないというのは、これまでの戦略が通じ無くなっていることを示すシグナルなのだから、違うやり方を見いだせねばならない。慎重に策を練り、経営者に提案し、意見を通さねばならない。どうしても意見が通らず、それがストレスになっているのであれば、それは組織を離れる時期だろう。

組織も個人もやみくもに頑張るのではなく、頑張れば報われる環境を作る。その意識が大事だ。

もちろんこの考えは政治や行政にもあてはまる。
どうも最近はその点が理解されていないような気がするが。