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ライブレボリューションの増永社長のツイートを見て、思わず口から出た提案がこれ。いま、就活に苦しんでいる学生さんのことを思うと軽々しく、起業してみたら?とは言えなかったのだけれど、今年はやっぱり厳しいらしく、ちょっと鍛えればどこでも入れそうな人も苦労しているようなので、あくまで選択肢のひとつとして、起業を提示してみる。

大学を卒業して就職せずに起業するためのガチな方法論過去のエントリで4回にわたって述べたので、今回はもっと楽に、フツーの人でもなんとか起業して食っていけるようになるための道を考えてみた。


■当面のゴール、起業で得られるもの

さて今回考えてみたいのは、生活の糧を得るために起業する。という生き方だ。大変なことのように思われるかもしれないが、戦後の焼け野原の時代には何もなかったので、多くの人がたくましく自分で事業をおこし、なんとか食っていける状態を作っていた。言ってみれば、かつては普通のことだったのだ。

具体的には下記3点を目指したい。これは当面のゴールであるとともに、起業で得られるもののリストでもある。

  1. 履歴書に書いて自慢になるような起業の経歴をつくる
  2. ビジネスを経験し、社会人と対等以上に話せるようになる
  3. 1年間なんとか食っていく

1)履歴書に書いて自慢になるような起業の経歴をつくる

さて、彼氏や彼女が、能力があるにも関わらず、就職活動がうまくいかないとする。こういうことは実際ある。たとえば、女性の採用の積極的でない企業。学歴フィルタを設けている企業。あるいは、受ける企業を絞りすぎた場合や、面接がどうしても苦手だという場合。就職は実力が占める要素が大きいが、実際のところ運も関係する。だから最後はご縁なんて言葉が生まれたりするのだ。

ご縁で希望の企業に入れなかったら、残念だと思う。それであれば、入れるようになればいい。就活を支援するスクール等にいくのもいいが、ビジネス経験があるとメチャクチャ受かりやすくなる。そこで、起業なのだ。学生時代にBarを経験していました。学生時代にアパレルの輸入販売を行ってました。サイトを立ち上げ、月収30万円でした。こういう言葉に面接官は弱い。できれば成功したいが、失敗しても恥じることはない。あなたのビジネスに対する興味・関心と、行動力を企業は高く評価するだろう。

そして、今、株式会社は資本金1円からつくることができる。こんなチャンスはないではないか。
(実際には他に諸費用がかかるが、それは後述。)

※実際には、起業経験を煙たがるような会社もある。官僚的で、硬直的な会社に多い。このような会社に勤めることを望むのであれば、起業はおすすめしない。大学を1留して、就活支援のスクールにいくなり、資格をとるなりするのが良いのではないだろうか。ただし、そういった会社は中長期的には衰退する可能性も高いことは胸にとめておくべきだ。


2)ビジネスを経験し、社会人と対等以上に話せるようになる

さて、起業し1年がたつと、大企業というのも一度経験してみたいな。と思う人が出てくるだろう。そんな時にも、起業経験は強力な武器となって役に立つ。

実際に僕と同じ頃就職活動をしていた友人で、ベンチャー企業に就職し、経営陣に加わった後、どうしても大企業で一度働いてみたい。と言い出して、退職して大企業の財務部門に勤め直した友人がいる。(どうでもいいが、彼は3ヶ月か半年ぐらいでその企業をやめた。「(以前いた)ウチの会社よりもぼろぼろの財務部門があるなんて…。」というなんとも深い言葉を彼は残していった。)

面接になると企業は「この学生は、うちの会社に入って活躍出来るかどうか。」という視点で学生を見る。面接のとき、経験がないが故の負い目があなたにあったかもしれない。しかし、起業し、1年間ビジネスを回したあなたであれば、もはや立場は逆転している

面接官は登記をしたことがあるのか?個人で確定申告をしたことがあるのか?給料を払う立場の厳しさ、通帳の口座が減っていく辛さを体験したことがあるのか。あなたより財務諸表が読めるのか?

あなたは全て体験しているはずだ。営業やマーケティング、財務の難しさに関して、きっと同等以上に話すことが出来るだろう。話しも弾むし、企業側が雇用する人材に求めるものもわかっているはずだ。


3)1年間なんとか食っていく

ビジネスというからには、食っていかねばならない。1年間なんとか食っていくことができたとしたら、あなたはもはや立派な経営者だろう。そのためには、コストを徹底的に抑えて、学生に近い立場という強みを活かさねばならない。



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さて、以上3点をゴールとして起業を志すことにしたわけだが、いくつか問題がないわけではない。

一つ目は、学生起業家になるか、卒業してから起業家になるか。という問題だ。学生起業家のほうがPRになるし、人材も学内から集めやすい。1年間ビジネスを回した後、新卒として就職することだって可能だろう。

国立大学であれば休学できるので、就職浪人して、その期間に起業するというのも良いだろう。私立大学であれば、学費がかかってしまう。学費と生活費を支払えるぐらい稼ぐことが出来るかどうか、そこを含めて考えなければいけない。

新卒で入ることにこだわってないのであれば、卒業してから起業するので問題ない。ただ、在学中にやっておくことはある。学内にある、イノベーション・センターやイノベーション、経営学を教えている先生に挨拶にいくことだ。大学というのは、シリコンバレーのように、大学発ベンチャーなるものを作りたがっているので、オフィスや様々な機器を無償(あるいは格安)で提供してくれる可能性がある。調べておくにこしたことはない。

個人事業主としてはじめて、ある程度安定して稼げる目処が立った時点で法人化するという案もある。この方法はリスクを抑えるという効果はあるが、企業と取引する際や、なんらかの契約を結ぶ際には不利に機能するかもしれない。


二つ目は、親の問題だ。親に了解をとらねばならない。まぁ、黙っててもいいと思うが、稼ぎが増えた場合には親の扶養家族から離れなければならなかったりするので、どこかで相談する必要はあるだろう。また、保険や年金への加入、税金の支払等も発生してくるので、その点もクリアにしておく必要がある。

どうでもいいが、fukuiが会社を辞め小説家になる(法人をつくって出来る範囲でビジネスもするよ)といったとき、事業を営んでいる父親は諸手を挙げて賛成したが、公務員だった母親はショックで1日寝込んだ。しかし、翌日には全て忘れていたので、女性は強いというか、まぁ他に行き場所ないんだからしょうがないじゃない。といってしまったもの勝ちなのかな。ともおもう。(その後、母親はささやかな抵抗として、地元の市役所の求人を見つけてきたが、僕はそれを一蹴した。親不孝をお許しください。)



以上を前提条件として、次回は、なんとか食っていくだけ稼ぐために、出来そうなビジネス(10選?ぐらい)。について、考えてみたい。登記の仕方など、法人の立ち上げ方などについても触れるかもしれない。